経理の畑

経理転職者の50%以上が苦労を感じている!?苦労した業務TOP3とその理由を紹介

作成者: 月次決算|Jul 15, 2025 7:00:23 AM

たとえ前職と同じ職種であっても、転職すると会社ごとの違いによって業務に苦労を感じる人は多いでしょう。これは「請求書管理」や「月次決算」など、どの企業でも同じような業務を行うはずの経理担当者でも同じことがいえます。

実際に転職を経験した200名の経理担当者に実施したアンケートによると、50%以上もの人が「転職先で苦労した経験がある」と答えています。

ここでは、アンケート結果から見えた、転職した経理担当者が実際に苦労した業務や、その理由について紹介します。

経理転職者で苦労を感じた人は半数以上

日々の仕訳や経費精算、月次決算など、経理担当者として行う業務は同じものの、転職して職場が変わると苦労を感じる人は多いようです。実際に経理転職者200名に「転職した際に業務進行において苦労を感じたことはありますか?」と質問したところ、「ある」と答えた人が51.5%(103名)にのぼる結果となりました。

つまり、半数以上もの経理担当者が転職先で苦労を感じていることがわかります。

転職先で苦労した業務TOP3

転職した際に苦労した経験が「ある」と答えた103名に「転職して苦労を感じた具体的な業務内容を教えてください。」と聞いたところ、実際に苦労した業務TOP3は次のようになりました。

これら3つの業務に続いて「小口現金/立替精算管理(24.3%)」「電子帳簿保存法/インボイス制度(23.3%)」「固定資産管理(19.4%)」が挙げられています。

また、同様の103名に「転職して最も苦労を感じた具体的な業務内容を教えてください。」と質問したところ、TOP3は上記と同様の結果となりました。

この結果から「月次決算」「請求書業務」「予算管理」の3つは、特に経理担当者が転職先で苦労する業務だといえるでしょう。

経理転職者が転職先で業務に苦労している理由

本調査からは、実際に経理転職者が転職先で苦労している理由も見えてきました。具体的に挙げられた「苦労する理由」を紹介します。

会社によって進め方が異なる

たとえ「月次決算」や「請求書業務」などと同じ業務だとしても、会社によって進め方が異なり、それが苦労の理由となるようです。

会社による進め方の違いは最も多くの経理転職者が悩む原因となりました。転職者を受け入れる企業は経理経験者だからといっていきなり仕事を任せるのではなく、まずは自社のルールを丁寧に伝えることから始めるとよいでしょう。

なお、同調査で「転職先の経理業務に慣れたと感じたのはどのくらいからですか?」と質問したところ、最も多かったのは「1年以上(27.5%)」の結果となりました。転職者を受け入れた場合は、長期的な視点でサポートできると安心です。

業務量が多くて手が回らない

会社による進め方の違いの次に多かったのは、業務量の多さに苦労したことです。環境が変わったことに加え、落ち着いて業務に取りかかれないことは経理担当者にとって負担となってしまいます。

会社によっては繁忙期となる期末のスケジュールがタイトになるケースもあり、転職したばかりの頃だと苦労する人が多いようです。また、いきなり予算管理といった責任の重い業務を任されることや、他業務も並行して進めていることで負荷がかかり、苦労を感じている人も見られました。

業務環境やシステムが整っていない

転職先での業務環境やシステムが整備されておらず、業務効率が低下することに苦労を感じている経理担当者も見られました。

前職で最新のシステムを導入していた場合、転職先が古いシステムを使っていると業務において手間を感じてしまう可能性があります。また、経理業務ではダブルチェックをして進める内容も多く、タイトなスケジュールの中で確認をもらえるまで時間がかかってしまうのも苦労を感じている原因でした。

法改正への対応

転職によって職場環境が変わるのと同時に、法改正によって処理方法も変わってしまったために、苦労を感じた経理担当者も見られました。

最も苦労する原因が「会社が変わったことによる進め方の違い」であったように、転職先のルールを覚えるのは一番の苦労です。そこに法改正も重なってしまうと、転職したばかりの経理担当者には大きな負担がかかってしまうでしょう。

まとめ

転職を経験した経理担当者の51.5%が、転職先で苦労した経験があると答えています。
具体的には「月次決算」「請求書業務」「予算管理」といった業務で苦労を感じているようです。

苦労を感じる原因はさまざまですが、「会社によって進め方が異なる」ことや「業務量が多くて手が回らない」「業務環境やシステムが整っていない」などの理由が挙げられました。たとえ転職前と後で担う業務は同じだとしても、環境が変われば進め方も異なります。そのため、新たな業務の進め方を学ぶ気持ちも持ちながら職を進めていきましょう。