導入事例

株式会社水野鉄工所
大幅なコストダウンと業務効率化を達成
- 所在地
- 愛知県名古屋市
- 従業員数
- 262名
課題と効果
- 課題
- 各部署が独自に購買業務を行い、ダブリ発注等が発生、購買管理が困難であった。
- 経理部門と生産部門で「経費」の見解に相違があった。
- 会計処理に時間がかかり、現状を反映した決算書の作成が困難。
- 「コスト削減」への取組に、漠然としか指示・対応できなかった。
- 効果
- 起票から承認、発注伝票・仕入伝票の作成までの一連の流れをシステムでリアルタイムに管理。
- コストに関して共通の認識が持て、正確な現状把握も実現。
- 購買ルールの明確化、標準化で重複作業が大幅に減少。業務効率が向上した。
- コスト増などの問題特定が可能になり、具体的な対応策を実行できるようになった。
導入前の課題
求められるコスト削減、まずは購買ルールを再整理する必要があった
株式会社水野鉄工所
製造部 取締役林 勇佑 氏
昨今の国内の新車需要の伸び悩みや、海外での現地生産・現地販売体制の確立など近年の自動車産業を取り巻く厳しい状況によって、我々パーツメーカーは技術力だけでなくコストの面でも厳しい対応が迫られています。商品の付加価値を高めると同時に、価格でも海外の安価な部品と勝負しなければいけません。
2000年に私が営業から生産部門の責任者になった時も、とにかくコストの削減が大きな課題でした。経理部からは「使いすぎる経費を抑えろ」と言われますが、現場からは「必要なものを必要な分だけ購入しているだけです」という答えが返ってくる。双方の話を聞いてもまったく噛み合っていないので、問題の解決どころか原因すらもわからないという状況でした。
選定ポイント
求めたのは発注から仕入・在庫までを一貫して管理できるシステム
株式会社水野鉄工所
経理部 取締役笠 としみ 氏
部品や消耗品の発注は、手書きの仕切書で行われていました。その情報を市販のデータベースソフトにすべて落とし込んで、発注がどのように行われているかを確認してみると、消耗品の発注や修繕の依頼、部品の購入などは、各部署でその都度行っていて、発注の際に記入していた仕切書も、統一されたルールがありませんでした。そのため仕切書をあとから読み返しても発注の詳細が把握できず、ダブリ発注や過剰在庫が生じていてもチェックできなかったのです。そして仕入業者からの請求処理の際に、仕切書と照合されないまま、経理担当者が適切と思われる勘定科目で仕訳していました。
そのために実際に生産と経理で台帳を付け合せてみても、内容が噛み合わないのだということもわかってきました。また経理部では、勘定奉行を使って部門別の損益計算書を作っていましたが、手書き伝票の入力や確認作業に時間がかかり、リアルタイムでのデータ作成が困難でした。
これらの課題を解決するために、購買・経費申請から、発注管理、起票・会計処理までを一貫して行えるシステムはないかとシステムの検討を開始しました。検討の結果、蔵奉行と奉行連動型ワークフローシステムを導入しました。理由は今まで使っていた勘定奉行を活かしたシステムの構築が可能だったこと、導入コストが他社パッケージの3分の1程度であったこと、の2点です。

- 購買・経費申請から仕入管理へ連動し、最終的に財務システムと連携
- ワークフローシステムにおける発注申請により、発注者における発注コスト意識の向上
- 支払データは仕入管理システムの仕訳伝票データと連携
導入効果と今後の展望
明確な数字管理によって実現した多くのメリットと今後の可能性
購買・経費申請システムを導入し、承認の手順や、記載方法、勘定科目の分類などを発注時にすべて記入するようになったことで、発注者が「いつ、どこで、どこに、なんの目的で、どのくらい発注したか」などが明確になり、結果としてコスト意識も大きく変わりました。
たとえば大量に使用する潤滑油や切削油などの使用量も、全体の年間使用量ではなく、課単位、グループ単位、もっと細かく機械単位で使用量が把握できるようになりました。
また、今までは切削油を仕入れるときに、各部署が各々の判断で価格交渉を行い、少しでも安く仕入れることがコストダウンだという意識でした。しかし今では、システムから得られた数値を基にして、値段の高い切削油を使ったとしても、作業効率が上がったり、品質が向上したり、機械寿命が延びたりといったトータルコストに対するメリットが明確になったことにより、各部署で費用を掛る際の適切な判断を下すことが可能になりました。
今までの「コストを削減しなさい」という漠然とした投げかけに対して生産部門は、「自分たちはしっかりやっている」という自負と、何が問題なのかが見えてこないというもどかしさがあったのだと思います。
システムの導入によって「問題の所在が明らかになるような材料」を具体的に得られるようになったたことで、問題が特定できるようになり、自分たちでしっかりとした改善策・対応策を考えてくれるようになりました。
さらに、生産部と経理部とのデータの共有が行われた結果、仕入に対する認識も会社レベルで変わってきたのだと思います。
経理部としても、起票時のデータがそのまま蔵奉行の発注伝票・仕入伝票作成に連動し、さらに勘定奉行へと流れることによって、手書き伝票の再入力の手間、台帳の不整合が無くなるといった効果が出ています。結果、年度末の損益計算書作成だけではなく月次決算レベルでも大幅な時間短縮が実現しました。また、支払明細の自動算出をカスタマイズしたことで、製造業に多い“手形による支払管理”にも対応しています。
会社概要
- 会社名
- 株式会社水野鉄工所
- 所在地
- 名古屋市天白区中砂町380番地
- 設立日
- 昭和34年
- 資本金
- 6,000万円
- 従業員数
- 262名
- 事業内容
- エンジン、トランスミッション、エアバッグ等の構成部品製造。冷間鍛造・切削・研磨等の加工技術を活かした機能部品製造。
- 拠点・工場
- 本社、本社工場、島田工場、桑名工場、MIZUNO USA(テネシー州)