やるべきことを理解する実務対策

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インボイス制度徹底対策

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インボイス制度徹底対策

制度開始前後でやるべきことを理解して、対策をはじめましょう!

インボイス制度対策でやるべきことをまとめています。ポイントは、「制度開始の前と後で行うべき対策があること」と、「受注者であり請求書を発行する側の売り手と、発注者であり請求書を受領する側の買い手で、それぞれ行うことがあること」です。多くの事業者が売り手と買い手の両方であるケースが多いことから、どちらの対策も講じる必要があります。

  売り手(受注者・請求書発行者) 買い手(発注者・請求書受領者)
インボイス制度開始前
2023年10月〜インボイス制度開始後
インボイス制度開始前
(~2023年9月)

〈売り手〉すぐに

課税事業者は登録申請から始めましょう

今すぐにでも行いたい登録申請書の提出

毎年消費税を払っている課税事業者であれば、まず手を付ける必要があるのが、「適格請求書発行事業者の登録申請を税務署に対して行うこと」です。申請は非常に簡単で、所定の事項を記入した登録申請書を所轄の税務署に提出するだけです。税務署での審査を経て、登録番号が決まり、登録簿に搭載されるとともに公表されます。その後、税務署から紙の通知書が申請した事業所に郵送され、登録番号を確認できるという流れです。

登録申請の流れ 拡大表示

申請期限を超えると適格請求書が発行できない

“できるだけ早く”申請しましょう。2023年3月31日までに申請を終えていないと、同年10月1日のインボイス制度スタート時に適格請求書を発行できなくなるからです。適格請求書が発行できないと、買い手となる取引先は仕入税額控除ができなくなります。既に申請の受け付けは始まっていますので、インボイス制度対応の最初のアクションとして、できるだけ早く申請を済ませてしまいましょう。

インボイス制度導入までのスケジュール 拡大表示

〈売り手〉2022年7月~

請求書の項目追加やレイアウト変更を行う

請求書に新たに加える項目は2つ

従来、事業所では請求書の形式に関して、「区分記載請求書等保存方式」を適用し、消費税については、「軽減税率の対象である旨」と「税率ごとに合計した対価の額」を記載してきました。

それが、インボイス制度では、「適格請求書等保存方式」が適用され、新たに「税率ごとの消費税額及び適用税率」と「登録番号」の記載が必要となります。これらの記載によって、その適格請求書が、登録番号が付された正式なものであることと、消費税額が明確になり、仕入税額控除の対象や計算が容易になります。したがって、適格請求書の発行に備え、課税事業者は請求書について、こうした記載項目の追加やレイアウト変更を行う必要があります。右の請求書例を参考に、予めフォーマットの変更を検討すると良いでしょう。

請求書の形式

請求書の形式

適格請求書として記載が求められる9つの内容

  1. 1発行者の氏名又は名称
  2. 2取引年月日
  3. 3取引内容
  4. 4取引金額
  5. 5交付を受ける者の氏名又は名称
  6. 6軽減税率の対象である旨
  7. 7税率ごとに合計した対象の額

新たに追加

  1. 8税率ごとの消費税額及び適用税率
  2. 9登録番号

記載事項を複数の書類で分けることも可能

適格請求書として記載が求められる9つの内容は、複数の書類を組み合わせて記載することもできます。例えば、右図のように請求書と納品書に記載事項を分けることも可能です。ただし、こうした複数の書類となると、経理担当者の処理が煩雑となるため、できるだけ一枚に9つの内容を記載することが望ましいです。

例として、請求書や納品書を発行する習慣がない不動産業界では、契約書に登録番号と取引内容を記載し、取引日と金額は通帳で補完するという方法も認められます。自社ではどのような方法で行うのかを事前に決めておくと良いでしょう。

端数処理にルールがある

従来の区分記載請求書等保存方式では、端数処理のルールはなく、請求書において、商品単位ごと(明細行ごと)に端数処理を行うことが可能でした。

一方、適格請求書等保存方式では、端数処理のルールが定められており、8%、10%の税率ごとに合計した対価の額に税率を乗じて消費税額を算出します。つまり、明細行ごとの端数処理は不可となり、請求書において、税率ごとに1回の端数処理を行います。

このため、今まで、Excelなどのソフトを使って明細行ごとに端数処理を行っていた事業者は、合計額を税率ごとに端数処理する方法に変更しなければなりません。また、システムで行っていた事業者は、改修が必要となります。いずれにせよ、早めに方針を決めることが重要でしょう。

明細行ごとと合計額の税率ごとの処理では金額が変わってくる! 拡大表示

インボイス制度には例外がある

インボイス制度では、例外が認められている事項もあります。一つは不特定多数を相手とする事業者の場合は、適格請求書ではなく、一部簡素化した「適格簡易請求書」の交付で良いとされており、業務負担に配慮した形になっています。

適格簡易請求書の交付が認められている業種

  • ①小売業
  • ②飲食店業
  • ③写真業
  • ④旅行業
  • ⑤タクシー業
  • ⑥駐車場業(不特定多数を相手にする場合に限る)
  • ⑦その他

さらに、特例として、事業の性質上、インボイスを発行することが困難なものについては、適格請求書の交付義務が免除されます。また、適格請求書の交付を受けることが困難なものについて、買い手は一定の事項を記載した帳簿の保存のみで仕入税額控除が可能となり、適格請求書が不要となります。自社の事業がこれらの例外に当たるかどうかを確認しましょう。

簡易にできる項目
  インボイス
(適格請求書)
適格簡易請求書
交付を受ける者の氏名又は名称 記載要 省略可
適用される税率 両方記載が必要 どちらか一方を
記載すればよい
適用される税率ごとの消費税額
適格請求書の交付義務免除の事業例

※買い手は下記を帳簿のみ保存で仕入税額控除が可能

  • ◎3万円未満の公共交通機関による旅客の運送
  • ◎3万円未満の自動販売機による販売
  • ◎郵便切手を対価とする郵便サービス など
帳簿のみ保存の特例を適用する
場合の帳簿記載例
例)総勘定元帳「旅費交通費」
年月日 相手科目 摘要 税区分 金額
4.1 現金 JR 運賃 公共交通機関 10% 157円
4.2 現金 ●●地下鉄 運賃 公共交通機関 10% 199円

※公共交通機関特例の場合、住所又は所在地の記載は不要

〈売り手〉2022年7月~

免税事業者は課税事業者になるかを検討する

課税事業者になれば適格請求書を発行可能に

インボイス制度において、免税事業者は適格請求書を発行することができません。適格請求書を発行できないということは、取引相手となる買い手が、その免税事業者からの仕入で発生する消費税について、仕入税額控除ができないということです。こうして仕入税額控除ができないことを理由に、買い手は免税事業者との取引に対して、「停止の検討」を行うといった事象が発生する可能性があります。

そのため、免税事業者は、「免税事業者のままでいるか」「課税事業者になって適格請求書を発行できるようにするか」を考える必要があります。ただし、その選択の際には、それぞれのメリット・デメリット(下の図)をしっかり理解して検討すべきです。取引先との関係に加え、自社の売上や利益にも影響が及ぶため、慎重に判断しましょう。

課税事業者登録のメリット・デメリット 拡大表示

〈買い手〉2022年7月~

経理、営業向けの社内勉強会を開催する

営業担当者も学ぶのがポイント

現時点で実施することが望ましいのが、税理士など外部講師を招いたインボイス制度の社内勉強会の開催です。勉強会に参加する対象は経理担当者にとどまらず、営業担当者も一通り学んでおく必要があります。売り手となる取引先から適格請求書を受領するのは営業担当者である場合も多く、制度のポイントを知っておくことは非常に重要だからです。万が一、受領した適格請求書に不備があったり、受け取るのを忘れたりした場合、仕入税額控除ができなくなります。

社内勉強会は、事前に理解を深め、できることから対応策を進める意味でも、2022年の早い時期に実施しておくと良いでしょう。

〈買い手〉2023年1月~

免税事業者とのコミュニケーションは早めに

相手が免税事業者のままなら買い手は負担増になる

フリーランスや副業を行う個人、小規模事業者から商品やサービスを仕入れていることもあるでしょう。そうした場合、まず相手が免税事業者であるかを確認する必要があります。免税事業者だった場合、今後課税事業者になって適格請求書を発行する意向はあるかなど、事前にヒアリングを行うことが重要となります。

相手が課税事業者になり、適格請求書を発行するのであれば、仕入税額控除ができます。問題は課税事業者にならない場合です。この場合、従来行っていた仕入税額控除ができなくなり、買い手の税負担増となります。ヒアリングや課税事業者にならない場合のコミュニケーション(交渉)は時間が掛かる可能性があり、早めに始めることが肝心です。

フリーランスや小規模事業者へのヒアリング例と仕入税額控除の有無 拡大表示

ただし、仕入税額控除不可には経過措置がある

インボイス制度開始後、免税事業者などの適格請求書発行事業者以外から行った課税仕入については、制度実施後3年間は仕入税額相当額の80%、その後の3年間は仕入税額相当額の50%を控除可能とする経過措置が設けられています。しかし、2029年10月1日からは、全額が控除不可となります。

経過措置のスケジュール 拡大表示

〈買い手〉2023年4月~

取引先に登録の状況、請求書の必要項目の記載を確認

各事業者の登録状況は公表サイトで確認できる

適格請求書発行事業者の登録申請は2023年3月31日までとなっているため、同年4月以降には取引先が登録済みかどうか、また取引先が発行する予定の適格請求書に必要な項目が記載されているかどうかを、確認することが重要となります。同年10月にインボイス制度がスタートした時に、取引先が登録していないことが発覚した場合、仕入税額控除ができないという実害を被ることになります。

各事業者の登録の状況は、国税庁が運営する「インボイス制度 適格請求者発行事業者公表サイト」で、検索して調べることができます。しかし、取引先が多い場合、一つひとつを毎回調べるのは、経理担当者の大きな負担となります。

状況の確認では、営業担当者が取引先に直接尋ねる方法もあります。ですが、これも手間が掛かるという意味では変わりません。さらに、適格請求書の記載事項に不備がないかは、直接現物を確認することが望ましいです。インボイス制度開始後に確認するのでは遅く、できる限り前倒しで行っておくことが肝心です。

インボイス制度開始後
(~2023年10月)

〈売り手〉2023年10月~

適格請求書を発行し、控えを保存する

紙では保存するスペースと手間が余計に必要

インボイス制度開始後、受注者となる売り手側は、取引ごとに適格請求書を発行し、取引先に提供していくことが重要となります。紙に印刷して手渡しや郵送で提供するか、「電子インボイス(請求書の電子化)」でメールやシステムを介して提供することになります。

注意しなければならないのが、発行した適格請求書の控えを自社で保存する必要があります。紙での保存を選んだ場合、従来よりも余計に保存するスペースや労力が割かれることになります。その点、電子インボイスであれば、電子データのままの保存も可能です。

取引先用と控用の2通が必要。電子インボイスなら手間にならない

〈買い手〉2023年10月~

受領した適格請求書を保存する

適格請求書に不備がないか必ず確認

インボイス制度開始後、発注者となる買い手側は、売り手が適格請求書発行事業者であれば、取引ごとに適格請求書を受領することになります。その際、「登録番号は正しいか」「記載事項に不備はないか」「消費税の税区分は正しく記載されているか」を確認する必要があります。その上で、仕入税額控除を受けるためには、受領した適格請求書を必ず保存しておく必要があります。しかし、登録番号が正しいかなどを毎回確認するのは、負担となることが予想されます。

さらに悩ましいのが、取引先からは適格請求書が紙で来る場合と電子インボイスで来る場合の2パターンが想定されることです。その場合、紙と電子(パソコン)の2か所で保存するのでは、混乱が生じるため、対策が必要です。

経理担当者の課題①受領した適格請求書の適格性の確認をどうするか②紙と電子で来る可能性がある適格請求書の保存をどうするか
インボイス制度開始前
〈システムを検討する〉
(~2023年9月)

〈売り手・買い手〉2022年7月~

電子インボイス(請求書電子化)に対応したシステムを検討する

電子インボイスなどのデジタル化で負荷を軽減

インボイス制度がスタートすると、やるべき業務が格段に増えることが理解できたかと思います。こうした状況に備えて行うべきなのが、電子インボイスの導入を含めた経理業務のデジタル化です。煩雑な業務が増える中、デジタル化を行えば、圧倒的に作業量が減ります。

まず、前提として、適格請求書は、その記載事項について、電磁的記録(いわゆる電子インボイス)による提供も可能となっています。この際、売り手が提供、あるいは買い手が提供を受けた電磁的記録については、改正電子帳簿保存法に準じた方法による保存が必要となります。

適格請求書等の電磁的記録による提供 拡大表示

改正電帳法に向け、電子インボイス導入が加速

今後、電子インボイスを導入する事業者は増えてくることが予測されます。その背景にあるのが、インボイス制度が導入される翌年の2024年1月に、改正電子帳簿保存法によって電子取引での電子保存の義務化がスタートすることです。

この改正電帳法によって、電子データで受領した電子インボイスを紙で保存することができなくなります。したがって、適格請求書が紙と電子の両方で来る場合、一カ所で保存するには、基本的に保存先は電子に一本化せざるを得えなくなるわけです。そこで、経理担当者は紙の適格請求書はスキャンして電子化し、保存することになります。

ただ、紙をスキャンして電子化する作業は手間を要します。そのため、電子インボイスを導入している企業は取引先に対して、「請求書は電子インボイスで送るように」とリクエストすることが考えられます。あるいは、電子インボイスに対応している事業者との取引を、優先する可能性もあるでしょう。こうして、電子インボイスの普及が加速することが予想されるのです。

電子インボイスの利用が促進される背景 拡大表示

〈電子帳簿保存法について知りたい方はこちら〉

制度概要や実務対策など、どのように備えていくべきかをご紹介します

〈電子帳簿保存法に最適なシステムの選び方はこちら〉

改正対応に最適なシステムとは?
失敗しないポイントを解説します

電子インボイスをきっかけに取引全体もデジタル化へ

電子インボイスを導入することにより、経理担当者を中心に事業者は下の図に示した5つのメリットを享受できます。

さらに、電子インボイスの導入によるメリットは、こうした経理業務の負荷が減ることにとどまりません。これを機に他の業務も連携させ、一気にデジタル化を広げることも視野に入ります。請求から支払、そして、その後のプロセスである入金消込といった経理業務をデジタルデータでつなげることで、バックオフィス業務が効率化できます。また、その前のプロセスである見積・契約・受発注のデジタル化を促進することで、「取引全体のデジタル化」も可能になります。

電子インボイス導入のメリット 拡大表示

〈今ならIT導入補助金活用でお得に導入のチャンス〉
奉行クラウドはインボイス制度・電子インボイスに完全対応

奉行クラウドはインボイス制度・電子インボイスに「完全対応」します。

適格請求書対応はもちろん、電子インボイスへの対応、さらには企業の経理・販売管理DX化を支援します。

効率性

伝票起票での税率や、適格請求書発行事業者以外の判定を自動化でき、消費税の計上後のチェック業務もスムーズに

効率性:チェックがスムーズ

柔軟性

請求書や納品書などの項目を自由に変更し、適格請求書(インボイス)の要件に柔軟に対応

柔軟性:税率表示+自由設計

将来性

電子インボイスへの切替、Peppol(※)対応など、将来にわたりインボイスへ対応

将来性:電子インボイス+Peppol対応

※「Peppol(ぺポル)」とは、受発注や請求などの電子文書をネットワーク上でやり取りするための「文書仕様」「ネットワーク」「運用ルール」の国際規格。電子インボイスがPeppolに準拠することで、海外企業との取引でも国内と同様の電子インボイスでやり取りすることが可能になります。

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今とこれからすべきことを解説!インボイス制度徹底対策

インボイス制度徹底対策ガイドブック

専門家監修のガイドブックです。インボイス対策にお役立てください。

<主な内容>

  • インボイス制度の概要
  • インボイス制度開始前後でやるべきこと(売り手側・買い手側)
  • インボイス制度・電子インボイス対応システム「奉行クラウド」
  • 請求業務のペーパレス化「奉行Edge 請求管理電子化クラウド」

【監修】辻・本郷 税理士法人 DX事業推進室 税理士/辻・本郷 ITコンサルティング株式会社 取締役
菊池 典明