経理の畑

転職先で活躍するには事前準備が大切!経理担当者が押さえるべきこととは?

作成者: 月次決算|Jul 23, 2025 9:47:37 AM

経理担当者が同じ職種として転職する際、前職と業務内容が似ているからと安心していると、転職後に業務の進め方の違いなどによって悩みを抱えてしまうケースがあります。実際に転職を経験した経理担当者91名に「最も苦労を感じた業務は現在解決していますか?」と聞いたところ、「解決していない」と回答した人は34.1%との結果が出ました。

こちらでは、転職した経理担当者が悩みを解決するために実施したことを紹介しました。ここでは、経理担当者が転職時に押さえておくべき具体的なスキルやマナーなどを紹介します。

経理担当者は転職前の準備が大切

同職種の転職だとしても、経理担当者は転職後に悩みを抱える人が多いようです。転職を経験した200名の経理担当者に「転職した際に業務進行において苦労を感じたことはありますか?」と聞いたところ、51.5%の人が「ある」と回答しました。

また、上記の質問に対して「ある」と答えた103名に「転職して苦労を感じた具体的な業務内容を教えてください。」と聞いたところ、苦労を感じることの多い業務は次のようになりました。

上記の業務に続き、「小口現金/立替精算管理(24.3%)」「電子帳簿保存法/インボイス制度(23.3%)」「固定資産管理(19.4%)」も挙げられています。

これらは全て企業特有の業務ではなく、経理担当者が行う一般的な業務です。つまり、経理担当者は前職と業務内容が同じであっても、苦労を感じるケースが珍しくないといえるでしょう。

転職先での悩みは時間が解決するとは限らない

経理の転職経験者に「転職先にすぐに適応できるよう、押さえておくべきスキルやマナーがあれば教えてください。」と聞いたところ、「慣れるしかない」との回答が一定数見られました。

しかし、経理の転職経験者に「転職先の経理業務に慣れたと感じたのはどのくらいからですか?」と質問したところ、最も多かった回答は「1年以上」となりました。

そのため、転職後に「時間が解決してくれるだろう」と考えていると、想像以上に慣れるのに時間がかかってしまう可能性が考えられます。転職後に悩む期間を短縮するためにも、自発的に動き、少しでも早く転職先に慣れましょう。

経理担当者が転職先に適応するために押さえておくべきスキル・マナー

転職を経験した経理担当者に聞いた「転職先にすぐに適応できるよう、押さえておくべきスキルやマナーがあれば教えてください。」という質問に対する回答から見えた、具体的に転職時にすべきことは、大きく次の6つに分類できます。

●挨拶を徹底する
●転職先での業務の進め方を受け入れる
●基本を復習する
●メモをとる
●ダブルチェックを徹底する
●専門知識を深める

これから転職を考えている経理担当者や、転職後で悩んでいる経理担当者の人はぜひ参考にしてください。

挨拶を徹底する

まずは社会人の基本的なマナーとして「挨拶を徹底する」ことが挙げられました。

転職先の同僚と気持ちよく働くためにも、挨拶を徹底することは大切です。専門性の高い業務とは異なり、挨拶は意識すれば誰でも行えることなので、積極的に挨拶をし、コミュニケーションをとりましょう。

転職先での業務の進め方を受け入れる

たとえ同職種の転職だからといって業務の進め方が同じだとは限りません。実際に「転職先での業務の進め方を受け入れる」という声は多く挙げられていました。

転職先特有の業務の進め方がある場合、規定やマニュアルを読み込んで学ぶほか、過去の事例も参考にできます。もし業務でわからない内容があれば、早い段階で周囲に聞いておくのがよいでしょう。

基本を復習する

経理としての基本に加え、Excelやビジネスメールなど、社会人としての基本スキルを復習しておくことも大切です。

転職者は即戦力という期待のもとで採用されるケースもあります。経理業務以外の基本的なビジネススキルでつまずかないように、復習しておくことは悩みの軽減につながるでしょう。

メモをとる

転職後は、その会社の業務に慣れるため、新たに学んだ内容をメモにとっておくと安心です。

その場でメモをとるだけでなく、自分用のマニュアルを作成したり、自宅で復習したりするなど、定着させるための工夫を行っている人も見られました。

ダブルチェックを徹底する

転職後においてもケアレスミスは避けたいものです。改めて業務でダブルチェックを行う意識を持つケースも挙げられていました。

回答者の中には、ダブルチェックではなくトリプルチェックを行う人も見られました。また、ミスを発見したらすぐに上司へ報告することで、大きな事態に発展するのを防ぐことも大切です。

専門知識を深める

転職時にさらなる経理の専門性を深めるという声も挙げられていました。

企業によっては資格取得が推奨されているケースがあるかもしれません。また、資格取得が業務理解につながることも考えられるため、転職時に専門性を深めるのは効果が見込めるでしょう。

まとめ

たとえ同職種の転職であっても、経理担当者が転職後に苦労を感じた人は半数以上もいるとわかりました。人によっては「時間が解決してくれる」と考えるかもしれませんが、転職先の業務に慣れるには1年以上かかるケースが珍しくありません。

転職後の苦労を軽減するためにも、改めて挨拶やPC操作など社会人としての基本を意識しましょう。また、転職先の業務を理解するためにも、前職の常識に固執しないことや、メモをとって自分の中に落とし込むことなどが効果的です。

転職時に押さえておくべきスキルとマナーを参考にし、転職先でも活躍できる人材となりましょう。