DX成功事例 株式会社ぶどうの木

株式会社ぶどうの木
業種:製造業(食料・飲料・飼料)、小売業(飲料・食料品)、飲食店/
従業員数:310人(2022年11月時点)

人事労務

私たち総務がDXで目指すのは、
従業員全員が“本業”に集中できる職場と
今まで以上に従業員に寄り添える時間の創出です

導入パートナー:富士フイルムビジネスイノベーション株式会社

DXのきっかけ

企業成長に耐えうる業務体制を構築するための手段として
DXへの取り組みを開始

売上100億円に向けてさらなる成長を目指す中、総務の業務体制は売上5億円だった時と変わっておらず、人の手による紙の処理が中心でした。総務の人員数を増やして対応する方法もありましたが、会社のコストアップ要因になり成長の重荷になることは避けたいと考えました。そこで目指したのが、「成長し続けても現有の人員で対応できる業務体制の構築」です。人員を増やさず、業務量の増加に対応するためには生産性向上が必要不可欠です。その有効な手段がDXでした。

DXで目指したこと

「従業員全員が、“本業”に集中できる職場環境」を目指して

社内を見渡してみると、今営業に行くべき従業員が事務作業(無駄な仕事)をやってるんです。無駄な仕事に時間を取られ、稼ぎにつながる“本業”に集中できていないわけです。私たち総務も同様に、日常の業務に追われてしまい、従業員をサポートするという“本業”ができていませんでした。DXによって、ひとりひとりの無駄な仕事をなくし、“本業”に集中できる環境を目指しました。

実際の取り組み

「奉行クラウド」を導入し、人事労務業務をDX!
従業員への丁寧な周知と個別対応で、新しいやり方に対するアレルギーを除去

奉行シリーズだけで人事労務業務を完結でき、従業員にとっても使いやすいと感じ、「奉行クラウド」を導入しました。給与、人事管理のほか、勤怠管理、給与明細配付、労務管理、年末調整申告など網羅的に業務をDX化でき、スムーズな情報連携で業務を行えるようになりました。
しかし、どんなに優れたシステムでも、従業員に使ってもらえなければ効果は得られません。重要なのは導入後の運用です。当社における運用のポイントはシステム変更の際に発生する「アレルギー(拒否反応)」への対処でした。たとえ自分自身にとって利益のあるやり方でも、新しい仕組みでの運用イメージがつかず、不安が先立って、新しいやり方を受け入れられないのです。
「アレルギー(拒否反応)」を取り除くため、第一に周知方法を工夫しました。勤怠管理や年末調整申告のログイン画面のURLをQRコードにして、毎日全社日報に掲載し、「とりあえず読み込んでほしい」と、マニュアルと一緒に配信したら、みんな素直にやってくれました。
第二に個別対応を行いました。問い合わせのあった従業員ひとりひとりに個別で教えて回ったんです。そうするとやる気が出るようで、すぐに覚えてくれますね。個別対応を行ったことで、従業員には「そこまでしてやりたいのね」と、こちらの“熱”が伝わったみたいです。特に力を入れたのは従業員自身による年末調整申告の情報入力でした。年末調整は1年目の情報入力が鍵となります。というのも、2年目以降は情報が複写されるため、従業員自身の入力作業がグンと楽になるからです。「頼むから入れてくれ!」と何度もお願いして回りましたね。こうした取り組みが功を奏して、想定よりも少ない手間と時間で社内へ展開できました。
私はフランクな存在なのか、従業員の不満受付窓口として定着しています(笑)。普段から会社の不満が集まってきますが、今回のシステム導入について従業員が不満を言ってくることはほとんどなかったですね。すっと受け入れられたようで安堵しました。

DX化の効果

人事労務のDXで従業員の無駄を削減
大幅に業務時間を削減でき、総務も人事業務に集中できるように

導入後、総務では手作業がなくなり、生産性が向上しています。また、”稼ぎ”につながらない無駄な仕事の削減にも成功しました。
勤怠管理では、Webによる打刻と勤怠申請で手入力がなくなり、以前の10分の1に業務時間を削減できています。導入前は、約300人分の紙の出勤簿を集めてきて2人がかりでExcelに手入力しており、それだけで1週間かかっていました。正直に言って、手入力が嫌で嫌で仕方がなかったので、解放感でいっぱいですね。従業員の出勤簿へ手書きする作業もなくなりました。
給与明細配付では、メール配信にすることで、1人が2日間かけて行っていた印刷、封入、発送などの業務を削減できました。現在は給与明細の配信予約だけで済んでいます。最初は「業務がゼロになった」と喜んでいましたが、今は喜びを通り越して、それが当たり前になっています。 労務管理では、Web上で申請書をやりとりできるようになり、業務時間を半分以下に削減できています。導入前は、各店舗から紙の申請書を郵送で受領し、誤りがあれば差し戻していました。必要に応じて、従業員に事務所に来てもらい、説明しながら一緒に作業していました。現在では従業員の書類作成や郵送、事務所への移動といった無駄な時間も削減できています。
年末調整申告では導入2年目で業務時間を8割削減できました。導入の翌年以降は従業員の入力情報が自動複写されるため、大幅な時間削減を実現できています。導入前は、申告書を書き方マニュアルとともに従業員へ郵送していましたが、それでも間違いが多く、差し戻しが頻繁に起きていました。結局、証明書をもらって代筆することが多かったですね。今ではそれがなくなり、画面を確認するだけで済んでいます。
奉行を導入して丸2年が経過し、無駄な仕事をずいぶん排除できたと思います。総務においても人事業務など、“本業”に集中できるようになってきています。

これからの展望

人事データベースを構築して人材の適材適所を実現
“得意”を伸ばし、100億円企業へ成長

近年、当社では奉行クラウドの導入をはじめ、AIやRPAなどを用いたDXを積極的に推進しています。DXを手段として「何ができるか」を従業員が積極的に検討するようになっています。こうしたなか、依然として紙で残っている請求書や見積書、契約書などを順次電子化していきます。そして、全員がもっと“本業”に集中できる環境を作りたいですね。総務としては、従業員に会う時間をより多く作り、従業員ひとりひとりに寄り添っていきたいと考えています。みんなが会社のことを好きになってくれてひとりも辞めない。そんな状況を実現できたらすごいと思うんです。
今回のDX化で、売上100億のイメージが湧いてきました。以前は「100億なんて絶対無理だ」と思っていましたが、今では「100億になってこのメンバーでできたらすごい高い生産性だよね」というポジティブな会話が総務で日常的に交されるようになっています。
今後、100億円企業へ成長するためにはDXはもちろん、人材活用も必要不可欠です。現在、人事データベースを構築しており、将来的にはエンゲージメントとひもづけながら適材適所の人材配置を目指しています。当社は人材の“得意”を伸ばすことで成長してきた企業です。人材の“得意”を伸ばせる組織を構築し、持続的成長を実現します。


導入ソリューション・サービス

・ 奉行クラウドHR DX Suite
・ 法定調書奉行クラウド
・ 奉行Edge 勤怠管理クラウド

この事例の導入パートナー
富士フイルムビジネスイノベーション株式会社