各部門が組んだ予算を、経理部が確認・修正・管理。80名規模の保険会社の経理に聞く「予実管理」の進め方

「予実管理」は、会社の経営状況を把握し、必要に応じて早期にテコ入れするためにも必要な業務です。どのように管理し、どこを重視しているのか、今回は社員数80名ほどの保険会社で経理を務めるHさん・Nさん・Yさんに、予実管理法についてお聞きしました。

各部門から連携されたデータを元に、経理部が修正、確定。
実績は会計システムで毎月確認

――まずは、御社の経理体制について教えていただけますか?

経理部長を含めて4人体制、うち3人で実務を担当し、部長が伝票の承認などを行っています。実務に関しては、3人がほぼ同レベルの業務を担当しています。

――ありがとうございます!今回のテーマは「予実管理」です。御社では、どのような方法で管理されていらっしゃいますか?

予算については、毎期各部門から来期の保険料収入・保険金支払いの見込み額や事業費の希望金額を提出してもらっています。その情報を我々、経理部でいったん取りまとめたのち、保険料収入や最終利益が中期の経営計画に沿っているかを確認します。必要に応じて各部門と相談しながら調整し予算確定を行っています。その後、会計システムに予算額を登録し、その後は毎月実績と比較しています。

――各部門からはどのように予算が提出されてくるのでしょうか。

毎年、4クォーターの前半に予算の編成方針が定まるため、そこに合わせて経理部で過去12か月間の科目ごとに分けた月次実績をExcelファイルで作成し、各部門にお渡ししています。各部門はそれを参考に翌期の希望予算を組んでいただき、それを回収するという流れです。

――そして、経理部で確認、調整をしてから確定させると。一般的な経理部門より幅広な領域も少しやられている感じですね。

そうですね。できるだけ会社の数字が出る部分には関連するようにしています。

――確かに。毎月の予実管理はどのようにされているのでしょうか。

会計システムに月次の予算額を登録しているので、その中で予実対比表を毎月出力して内容を確認しています。

――報告用の資料は作成をされるのでしょうか?

はい。主に「各部門用」と「社内会議用」の2つを月次で作成しています。
各部門に向けては、事業費の予算比を作成したものです。社内会議用の資料は、損益計算書の月次、累計ベースを記載し、そこに予算比、前年比などを加えて作成したものです。

――ありがとうございます。まずは、各部門に報告される資料について詳しく教えてください。

各部門が計画した事業費の予算に対し、経過月累計ベースで実績がどのぐらいかをわかるようにしたものです。これは各科目を部門ごとに分けています。

――事業費の中身は、どういった科目になるんですか?

主に営業費及び一般管理費です。広告宣伝費や営業活動に伴う旅費などは営業部門、お客様へのご案内などを発送する郵送費はカスタマー部門、採用フィーは人事部門が予算立てしており、当初の計画と乖離していないかを見てもらっています。あと金額の大きいところでは保険金の支払査定に関する費用を損害サービス部門が予算立てしています。最近はあまりないですが予算と乖離しすぎていたら原因を確認してもらっています。

――では続いて、社内会議用の資料について教えてください。

各部門用の資料は、使用した事業費の予算比を認識してもらうことが目的でしたが、社内会議用はやはり会議に参加する方達が収支の状況やそれに対する課題などを共有することが報告の目的になります。先ほど申し上げた月次・累計ベースの収支状況を予算比、前年比ごとにわかるようにし、主要科目のトピックス、限界利益率や損益分岐点などの指標も一緒に記載しています。また、過去3期分の主要数値も記載し、進行期と比較できるように作成しています。

――ありがとうございます。BS科目はどのようにご確認されているのでしょうか。

BSに関しては月次予算ではなく、年度計画を作成し、期末に振り返りをしています。月次では前期比を社内会議資料として作成しています。
また、キャッシュフローの健全性は毎月見ていまして、月末の現預金残高が将来発生する保険金や取引先への支払を十分にできるかを判定しています。また、ストレスシナリオを設けて、もし翌月以降に不測の事態がおきてキャッシュインが滞ったとしても十分に支払いができる余力があるかを社内で基準を設けて判定しています。

――具体的な基準があるんですね。最終的な報告についても教えてください。

予実管理という点では自社の取締役会と親会社、両方に向けた予実報告の資料を作り、月次報告が終わるという流れです。

――なるほど、よくわかりました。本日はありがとうございました!