OBC 360° |【勘定奉行のOBC】

中小企業は勤怠管理システムをどう選ぶべき?失敗しないシステム選びの秘訣と導入の考え方|勤怠管理|OBC360°|勤怠管理システムの奉行Edge 勤怠管理クラウド|人事・労務クラウドのOBC

作成者: 人事給与|2026年03月12日

働き方改革関連法の施行以降、企業規模を問わず、勤怠管理の正確性や客観性はこれまで以上に厳しく求められるようになりました。一方で、勤怠管理システムを導入しても課題が残るケースは少なくありません。中には、より使い勝手の良さを求めて、システムの入れ替えを繰り返している企業も見受けられます。
勤怠管理の課題は、「システムを導入すれば解決する」わけではなく、システムの選び方が肝心です。
そこで今回は、中小企業が抱えがちな勤怠管理の課題を整理し、勤怠管理システム導入のメリットや失敗しないための選び方について解説します。

目次

中小企業の担当者を悩ませる勤怠管理4つの課題

勤怠管理は、法令遵守や労務リスクと直結する重要な業務です。働き方改革関連法の施行以降、その重要性は一層高まり、より正確で客観的な労働時間管理が求められています。

一方、多くの中小企業では勤怠管理に大きな課題を抱えています。人事労務担当者が少人数で複数業務を兼務しているケースも多く、勤怠管理の見直しが後回しになりがちです。その結果、長年続けてきた運用に課題を抱えたまま対応せざるを得ない企業も少なくありません。
例えば、現在中小企業が直面している勤怠管理の課題には、次のようなものが挙げられます。

課題1.依然としてアナログ・属人管理

様々な業務のデジタル化が進み、勤怠管理もシステム導入が進んでいるように見えますが、中小企業ではまだ紙のタイムカードとExcelを組み合わせた運用も多く見られます。タイムカードの打刻結果をExcelに転記し、月末に集計するといった流れは、転記ミスや計算ミスが起こりやすく、確認にも多くの時間を取られます。
また、こうした手作業による業務は属人化の温床になります。締め作業や修正ルールを把握しているのが「一人だけ」という状況では、担当者が休暇取得や退職などをした途端に業務が回らなくなります。
勤怠をアナログ方法で管理することは、業務効率の低下だけでなく、引き継ぎリスクや内部統制上の課題にもつながります。中小企業では人事労務業務に携わる人材も限られているため、働き方の多様化や法令対応の厳格化が進む近年は、担当者の負担も特に大きくなっています。

課題2.法令対応が「形だけ」になりがち

現在、時間外労働の上限規制や年5日の年次有給休暇取得義務など、勤怠管理に関する法令は年々厳格になっています。そして、その対応は企業規模を問わず求められるものです。しかし多くの中小企業では、人材不足とアナログ管理も相まって、「帳簿上は管理しているが、実態を即座に把握できない」という状態に陥っています。残業時間が上限に近づいているかどうかを月末の集計で初めて確認したり、有給休暇の取得状況を問い合わせがあってから慌てて調べたりする、といったことも少なくありません。
法令対応が形式的なものに留まっていると、是正が必要な状況であると気づいた時には手遅れになっている可能性もあります。労働基準監督署の調査(労基署調査)や従業員からの指摘をきっかけに問題が表面化すると、企業への信頼度にも影響しかねません。
法令対応を「問題が起きなければよい」という考え方のまま続けると、今後ますますこのようなリスクが高まり、担当者の心理的負担も増え続けることになるでしょう。

課題3.給与計算への反映時にミスが起こりやすい

給与計算にシステムを導入していても、勤怠管理をExcelで行っていると、勤怠データを手作業で反映することになります。勤怠管理システムを導入していても、簡易的なシステムでは給与システムに連携できず、手作業の負担が発生します。
給与計算時に転記作業が発生するケースでは、入力ミスのリスクも伴い、確認作業による手間や業務の遅れも考慮しなければなりません。特に、残業代や割増賃金の誤りは、従業員からの問い合わせや修正対応につながるため、ミスが起こらないような体制強化も求められます。
そもそも、月末や給与締め前には何かと業務が集中するため、勤怠データのチェックに時間を割けなくなることもあります。給与計算への連携ミスが繰り返されると、従業員の間で企業への不信感が生まれてしまうケースも考えられます。

課題4.勤務実態の把握が難しいため柔軟な働き方を採用しづらい

昨今は、テレワークや直行・直帰など柔軟な働き方が増え、企業の勤怠管理の難易度は確実に上がっています。始業・終業時刻も、在宅勤務や外出先での業務では自己申告になり、実際の労働時間と申告内容にズレが生じるリスクも高まっています。また、業務の合間に発生する休憩時間も、記録漏れが積み重なるケースが増え、労働時間が長くなっているケースも見られます。
労働時間の客観的把握が難しくなると、管理者が適切な指導や業務改善が行いにくいため、テレワークや在宅勤務などの勤務形態から原則出社体制に戻す企業も現れています。
採用活動で「柔軟な働き方」が就活者の重視ポイントに挙げられる時代に、人材不足に悩む中小企業にとっては大きな痛手になる可能性もあります。

中小企業が勤怠管理システムを導入するメリット

法令が求める勤怠管理には、勤怠管理システムの導入が有効な解決手段であることは間違いありません。しかも、中小企業が導入すると、単に管理の精度に留まらず、業務負担の軽減や業務全体の安定性を高めることも期待できます。
特に、クラウドサービスで提供されている勤怠管理システムなら、人材不足に悩みがちな中小企業にとっては多くのメリットを生み出すことが可能です。
では、具体的に中小企業にとってどのようなメリットがあるか、先述した課題を元に整理してみましょう。

メリット1.勤怠管理業務を標準化できる

紙やExcelでの勤怠管理は、手作業が多く、作業手順が属人化したり確認や修正に時間がかかったりと担当者の経験や注意力に依存しがちです。
勤怠管理システムを導入すれば、打刻から集計までの流れをシステム上で自動化できます。打刻データを一元管理することで、紙やExcelへの転記作業は不要になり、入力ミスが発生しにくくなります。集計もボタン操作で行えるため、計算にかかる時間を大幅に削減できます。
また、集計や確認の手順をあらかじめシステム上で統一できるため、担当者によって作業方法や判断が異なるといった属人的な運用を抑えます。業務が標準化されることで、引き継ぎや体制変更にも対応し、特定の担当者に依存しない勤怠管理体制を整えられます。
さらに、クラウドサービスの場合は勤怠データをクラウド上で管理するため、場所や端末を選ばずに作業を進められます。日々の勤怠処理を安定して回せる仕組みを整えることが、業務効率化の第一歩となります。

メリット2.法令対応を「後追い」ではなく「日常管理」に変えられる

中小企業では、人事労務業務を1人で担っているケースも多く、対応が後手に回りやすく、気づいたときには是正が必要な状態になっていることもあります。特に近年は、時間外労働の上限規制や年次有給休暇の取得義務化などにより、労働時間管理や休暇管理がこれまで以上に重要になっています。
クラウド勤怠管理システムなら、法改正に合わせ自動でプログラムがアップデートされるため、常に最新の法令を前提とした勤怠管理の体制を整えることができます。法令対応が求められる残業時間や有給休暇の取得状況も、日々の状況を把握しながら管理できるため、問題を早期に把握・対策することが可能です。

メリット3.給与計算への反映を仕組み化でき、転記ミスを減らせる

給与計算への反映工程でミスが起こるのは、勤怠データの集計や転記、突合といった手作業が介在することが主な要因です。
勤怠管理システムを導入すれば、打刻データをもとに勤怠情報を一定のルールで集計できるため、給与計算のために勤怠データをまとめ直す手間を減らせます。また、給与システムとの連携を前提としたシステムなら、勤怠データを給与計算で使いやすい形に整えて出力できるため、給与反映までの作業を運用として組み込めます。二重入力や転記作業がなくなることで、入力ミスや反映漏れといったリスクを抑え、確認や修正にかかる手間も減らせます。
これまで手作業で行っていた突合作業が減ることで、給与計算業務全体の効率も高まります。特に月末や給与締め前など業務が集中する時期でも、作業の属人化を防ぎ、締め業務を安定して回せるようになります。

メリット4.多様な働き方でも勤務実態を把握できる

テレワークや直行・直帰など柔軟な働き方が増えるほど、始業・終業時刻や休憩時間の記録が自己申告に頼ることになり、勤務実態の把握が難しくなりがちです。
勤怠管理システムは、働き方にあわせてルールを設定することで、それぞれのルールに従って勤怠を自動で集計できます。また、クラウド勤怠管理システムの中には、スマートフォンを利用した打刻や位置情報を活用できるタイプもあり、外出や直行直帰が多いケースでも無理なく勤怠管理が行えます。
勤務実態をリアルタイムに把握できるようになると、管理者側も常に状況を把握できるようになり、適切なフォローや業務改善につなげられます。勤怠が見えないことを理由に柔軟な働き方をあきらめ、出社中心の運用へ戻すのではなく、働き方を継続しながら管理の精度を保てる点は大きなメリットです。

勤怠管理システムの選び方でつまずきやすい原因

勤怠管理システムの導入は、中小企業にとって業務の効率化と法令対応の安定化を両立させる最適な手段と言えます。しかし、一方で「導入したのに結局使いこなせなかった」「自社の運用に合わず元の管理方法に戻った」「数年で入れ替えを繰り返している」といった声も後を絶ちません。

こうした失敗は、製品の良し悪しによって起こるものではなく、多くの場合、導入前の考え方や選定プロセスに原因があります。自社の勤務ルールや管理体制を充分に整理しないまま導入を進め、運用とのズレが生じることで、システムの効果を充分に発揮できていない可能性があります。

ここでは、システム選定時のつまずきやすいポイントについて整理してみましょう。

●「多機能そう」「安そう」で選び、運用とのズレが表面化する

勤怠管理システムを選ぶ際、比較サイトのランキングや価格、機能一覧など分かりやすい情報を基準に判断するケースは少なくありません。しかし、勤怠管理で本当に重要なのは、「自社の勤務ルールや例外処理を無理なく運用に落とし込めるかどうか」です。
休暇の種類や取得単位、残業の扱い、シフトの組み方、締め処理の流れといった運用上の違いは、導入後に実際の運用を回し始めてから表面化します。選定時に「だいたい対応できそう」と安易に判断して導入すると、運用開始後に細かな部分が合わず、手作業での補完やルール変更が常態化してしまいます。結果として、効率化を期待して導入したはずのシステムが、現場の負担を減らすどころか、かえって業務を煩雑にしてしまうことにつながります。

●自社ルールの棚卸し不足で、設定が複雑化・ブラックボックス化する

勤怠管理システムは、導入すれば自動的に最適化されるものではありません。前提として、自社の勤務ルールを整理し、それをシステム上で設定・運用できる形に落とし込む必要があります。
しかし、中小企業では就業規則に明文化されていない運用が存在したり、担当者の判断で例外対応を積み重ねてきた経緯があったりと、暗黙の了解のもとで勤怠管理が成り立っていることも多くあります。この状態で導入を進めると、設定段階で例外対応が次々と追加され、設定が複雑化しやすくなります。
その結果、何がどのように設定されているのか分からない“ブラックボックス”状態となり、担当者の異動や退職をきっかけに運用が立ち行かなくなります。
また、システムに合わせるために現場ルールを無理に変更すると、現場の反発を招き、結果的に定着しない原因になる場合もあります。

●導入支援・運用支援を軽視し、導入後に「走りながら直す」状態になる

勤怠管理システムの失敗は、導入後の運用フェーズで顕在化するケースが大半です。選定時に機能や価格ばかりに目が向き、導入支援や運用支援の有無や内容を充分に確認していないと、稼働開始後に「想定と違う」「設定変更が必要」といった問題が頻発します。
勤務形態の追加や法令対応、就業規則の改定、拠点増加など、導入後も運用は変化していくものです。その際に、相談窓口が不明瞭だったり、設定変更のハードルが高かったりすると、担当者は手作業で回避策を作らざるを得ません。結果として、システムを導入したにもかかわらず、「Excel管理が復活する」「入力や確認が二重化する」といった“逆戻り”が起こります。

勤怠管理システム選びで押さえておくべき4つのチェックポイント

勤怠管理システム導入で失敗しないためには、機能や価格を比較する前に、自社にとって何を重視すべきかを整理する必要があります。
中小企業が勤怠管理システムを選ぶ際は、以下の4つのポイントを押さえておくとよいでしょう。

<勤怠管理システム選定に押さえておくべきチェックポイント>

  1. ①⾃社の勤務ルールに無理なく対応できるか
  2. ②⽬指す勤怠管理の「管理レベル」に合っているか
  3. ③設定や運⽤が過度に複雑にならないか
  4. ④⽀援体制が整っているか

① 自社の勤務ルールに無理なく対応できるか

勤怠管理システムは、たとえ多機能であっても、全ての企業の運用にそのまま当てはまるわけではありません。勤務形態や管理の前提条件は企業ごとに異なり、その違いが運用のしやすさを大きく左右します。
固定勤務かシフト制か、変形労働時間制やフレックスタイム制を採用しているか、日をまたぐ勤務や複数回勤務があるかなど、前提となる条件が企業ごとに異なります。システムに合わせてルールを変更すると、現場の混乱や例外対応が増え、結果として運用が形骸化してしまうことも少なくありません。そのため、システム選びの際は「現行の運用をどこまで自然に設定・運用できるか」という視点を持つことが重要です。
特に、次のようなポイントは初期段階で確認しておきましょう。

チェックポイント 勤務ルール例
勤務パターン
  • 勤務時間では、出勤時間や休憩時間、残業 時間の数え方やルールも明らかにする。
    「交代勤務がある」
    「1日複数回勤務がある」
    「日をまたぐ勤務がある」等
  • 業種特有の勤務パターンがある場合も、どのようなシフトが組まれているか整理する。
正社員の勤務時間
AM9時~PM18時までなど始業・終業が固定

パート・アルバイトの勤務時間
従業員ごとにシフトが異なるため、各シフトがどのようにパターン化されているのかが分かるようパターンを整理する
採用している労働時間制度の種類
  • 採用している労働時間制度の内容まできちんと整理する。
  • 採用している制度の呼び名が実際に運用している内容と異なる場合もあるため注意。
法定労働時間どおり(基本ルール)
1か月単位の変形労働時間制
1年単位の変形労働時間制
フレックスタイム制
裁量労働制
勤務間インターバル制 など
休日・休暇
  • 付与している休日・休暇の種類、条件、 日数、取得権利が発生するタイミング、取得単 位、消化期限などを洗い出す。
  • 明文化されていないルールは運用方法をしっかり決める。
有給休暇
公休
代休
振替休暇
積立休暇
リフレッシュ休暇
勤続年休
結婚休暇 など

② 目指す勤怠管理の「管理レベル」に合っているか

勤怠管理システムは「打刻と集計ができれば充分」なのか、「残業時間や有給休暇の取得状況まで把握・管理したい」のかによって、求められる機能や使い方が大きく変わります。
例えば、客観的な打刻と集計を重視する場合は、勤怠管理システムは「記録のためのツール」としての機能が必要です。しかし、時間外労働の抑制や働き方の見直しまで踏み込みたい場合は、管理・改善のための機能も必要になります。
自社がどのレベルまで管理したいのかを整理しないまま導入すると、機能を持て余したり、逆に必要な機能が不足していると感じたりすることがあります。そのため、自社ではどこまでの業務をシステム化し、どのレベルまで管理したいのかを整理したうえで、システム選定を進めましょう。
次の管理レベル表を参考に、自社が目指す水準を整理するのもおすすめです。

③ 設定や運用が過度に複雑にならないか

クラウド勤怠管理システムの多くは、設定のサポートサービスがある場合でも、基本的に自社スタッフが作業を行うことになります。自社の勤務形態が複数ある場合や例外ルールがある場合は、設定が複雑になり、システムの予備知識がないと「難しい」と感じることがあります。
特に中小企業では、IT専門のスタッフをつねに配置することは難しく、人事労務担当者が自ら設定するケースもよく見られます。そのため、「導入時にどのような設定が必要か」「自分たちで設定できるか」といった視点で見極めることが大切です。また、運用開始後にルール変更が発生した場合も想定し、「自分たちで運用できるか」「無理なく使い続けられるか」も確認しておきましょう。
勤怠管理システムの設定難易度は、次のように概ね3段階に分類できます。自社の働き方に合ったシステムの設定レベルを知ることで、自社にとって必要な勤怠管理システムのタイプを絞り込むことができます。

<管理レベル・設定難易度別に見る勤怠管理システムの導入ランク>

④ 支援体制が整っているか

勤怠管理システムを選ぶ際には、機能や価格に目が向きがちですが、導入前・導入後にどの程度の支援が必要になるかを見極めることも重要です。
例えば、自社には導入支援や運用相談の体制が必要であるにもかかわらず、自社のみで対応すると、設定段階でつまずいたり、運用開始後に想定外の手修正が増えたりします。その結果、担当者が手作業で回避策を講じる状態が続き、システム導入の効果を充分に活かせなくなるケースもあります。
自社の勤務状況や管理レベルに応じた支援を受けられるかどうかを事前に把握しておくことで、安心して運用することができます。
次のようなポイントを参考に、勤怠管理システムの支援体制をチェックしておくと良いでしょう。

<⽀援体制チェックポイント>

・導入前

  • 実際の操作や設定を試しながら確認できる環境があるか
  • 試用・検証の段階で、設定や判断について相談できる支援があるか

・導入時

  • 自社の勤務状況を前提とした初期設定の支援を受けられるか
  • 設定内容や考え方を、担当者が理解できる形で説明してもらえるか

・導入後・運用

  • 勤務形態やルール変更があった際に、設定の相談・サポートを受けられるか
  • 法令改正や働き方の変化に対して、専門的なサポート体制があるか

勤務形態・条件から考える勤怠管理システムの選び方

勤怠管理は、勤務実態や管理条件によって求められる機能が変わります。また、建設業や運送業、タクシー業など、業界特有の勤務条件や制度によっても大きく左右されます。
特に、次のようなケースは勤怠管理が複雑になりやすいため、見極めポイントを整理しておきましょう。

●現場業務が中心のケース(建設業、営業など)

建設業など現場業務が中心の企業では、直行直帰や現場ごとに異なる勤務時間が発生しやすく、勤怠管理が複雑になりがちです。オフィスに出社してから業務を開始する前提ではないため、始業・終業時刻の把握方法や、移動時間・作業時間の扱いをどう整理するかが課題となります。
このようなケースでは、場所に依存せず打刻できるか、現場ごとの勤務実態を無理なく管理できるか、といった点が重要です。また、現場任せの申告に偏らず、管理側が全体状況を把握できるかも、システム選定時の見極めポイントになります。

●長時間・変則勤務が発生するケース(運送業・タクシー業など)

運送業やタクシー業など、日をまたぐ勤務や長時間の拘束、休憩時間の取り扱いなど、一般的なオフィス勤務とは異なる前提条件が数多く存在します。法令上の管理要件も複雑で、勤怠管理の正確性が強く求められます。
このようなケースでは、単純な打刻や集計だけでなく、変則的な勤務を前提とした集計・確認ができるかが重要です。管理が煩雑になるほど、手作業や属人的な対応が残りやすいため、どこまでシステムでカバーできるか、導入時・運用時の支援体制も含めて検討する必要があります。

●シフト勤務が複雑なケース(店舗・サービス業・医療機関・工場など)

店舗やサービス業など、シフト勤務や短時間勤務、パート・アルバイトの混在などにより、勤怠管理が複雑化するという問題があります。拠点や店舗ごとにシフトパターンが異なり、現場の裁量で調整されるケースも多く、管理ルールが曖昧になりがちです。医療機関や工場など、3交替制や夜間勤務が発生する場合も、シフトに応じた勤怠管理が必要になります。
このような環境では、シフト管理を前提とした勤怠管理ができるか、拠点ごとの運用を整理できるか、本部側で全体状況を把握できる仕組みがあるかなど、現場任せにしすぎない運用設計が求められます。

●複数の勤務形態が混在するケース

勤怠管理がシンプルに見えるオフィス勤務中心の企業でも、変形労働時間制やフレックスタイム制などを導入している場合、日ごとの勤務時間に加え、一定期間での労働時間管理もしなければならず、管理の難易度は高くなります。
このようなケースでは、「自社の労働時間制に対応できるか」だけでなく、それぞれの設定や運用を無理なく継続できるかが重要になります。勤怠管理システムを選ぶ際は、導入時の設定負担だけでなく、将来就業規則を変更・追加する際の柔軟性も確認しておくことが大切です。

長く効率的に使い続けられる勤怠管理システムを選ぼう

市場には、特定の業界や業態に特化した勤怠管理システムも多く存在し、それぞれの分野に最適化された機能が充実しています。しかし、勤怠管理システム選びにおいてもっとも重要なのは、「業界特化型か汎用型か」といった分類よりも、自社の勤務条件や目指す管理レベルに合わせて、どこまで無理なく設定・運用を続けられるかという視点です。
勤務形態や管理レベル、設定難易度、支援体制の視点から、自社にとって必要な勤怠管理システムの要件を洗い出すことが、長く、効果的に使い続けられるシステムに出会う一歩と言えるでしょう。

例えば、奉行Edge 勤怠管理クラウドの場合、様々な業界で利用されている汎用型のクラウド勤怠管理システムでありながら、残業時間の抑制や企業全体の生産性向上につながる高水準の勤怠管理を実現できる設計となっています。業種・業態にかかわらず、時間外労働や有給休暇の取得状況を可視化し、企業全体の勤怠管理水準を引き上げる運用にも対応可能です。
一方で、こうした高度な管理を実現するうえで課題となりやすい「初期設定の負担」を軽減するため、ナビゲーションに沿って設定を進められる仕組みが用意されています。案内に従って入力を進めることで、自社の就業規則に沿った勤務体系を構築できるため、初めての導入でも簡単に自社にあった勤怠管理の仕組みを整えることができます。

雇用形態ごとの勤務条件に応じて柔軟に設定でき、労働時間や休憩時間を設定した条件に従って自動計算します。勤務情報はリアルタイムに集約されて、いつでも勤務状況を把握できるため、集計作業や検算作業は一切不要になります。
打刻方法も、勤務環境に合わせて選択でき、従業員自身がスマートフォンなどから打刻状況を確認できるため、管理側・従業員側双方の負担軽減にもつながります。

また、休暇届や残業申請など勤怠関係の届出や承認をシステム上で完結できるほか、シフト管理や工数管理にも対応しているため、オフィス勤務を中心とした企業から店舗・サービス業、建設現場など、幅広い勤務形態で活用されています。

※工数管理は別途オプション契約が必要です。

電話サポートやリモートサポートなど支援体制も用意されており、導入時の不安から運用開始後の改善案まで勤怠管理の運用を幅広く支援します。
このように、汎用型の勤怠管理システムでも、設定や使い方次第で自社の条件に合わせたきめ細かな運用が可能です。

おわりに

勤怠管理システム選びで重要なのは、導入そのものではなく、自社の勤務実態や管理レベルに合った形で、無理なく使い続けられる仕組みを整えることにあります。特にクラウド型の勤怠管理システムであれば、法令改正や働き方の変化にも対応し、コンプライアンスを日常業務の中で自然に守り続けることができます。
労働基準法の改正も検討されている今こそ、自社に合った勤怠管理の仕組みを見直し、奉行Edge 勤怠管理クラウドのようにきめ細やかな運用が可能なサービスを活用して、長く安定して運用できる環境づくりを進めてはいかがでしょうか。

よくある質問

勤怠管理システムは価格や機能数で選べばよい?

価格や機能の多さは比較しやすい一方で、導入後の使いやすさを保証するものではありません。自社の勤務ルールや例外対応を無理なく回せるか、手作業の補完が増えないかという観点で適合性を見極めることが重要です。

勤怠管理システム選びで必ず確認すべきポイントは?

まずは自社の勤務ルールを前提に、無理なく設定・運用できるかを確認しましょう。あわせて、目指す管理レベル(記録中心か、管理・改善まで踏み込むか)に合っているか、設定難易度や導入後の支援体制まで含めて判断することが大切です。

勤怠管理と給与計算は連携したほうがよい?

勤怠データを給与計算に反映する工程に手作業が残ると、二重入力や転記ミスが起こりやすくなります。勤怠集計の結果を給与計算へスムーズに反映できる仕組みがあると、確認・修正の負担を減らし、締め業務を安定させられます。

関連リンク

こちらの記事もおすすめ