株式会社サンテクノス

直行直帰で働く技術検査員の労働時間を適正に把握
打刻の徹底を実現するステップとは?

  • 人事・労務・総務​
  • 50〜99人
  • 技術サービス業
  • 勤怠管理
株式会社サンテクノス
常務取締役
槇原 敦夫氏
株式会社サンテクノス
給与担当
秦 有貴氏

検討のきっかけ

直行直帰で現場を移動する技術検査員の
労働時間把握が必須に

株式会社サンテクノスは1980年の設立。約40年にわたって鉄鋼溶接部や金属材料、コンクリートなどの「非破壊検査」を中心に室内空気の環境測定、人材派遣などを手がけてきた。ニッチな分野だが、インフラの長寿命化が声高に叫ばれるなかで同社への依頼は増加傾向にある。こうしたなかで、労働基準監督署の抜き打ち調査によって、「非破壊検査」を担当する技術検査員の長時間労働や休暇の未取得において指摘が入った。
指摘に至った原因は2つある。

ひとつは勤怠管理方法。技術検査員は建設業のように現場から現場を直行直帰で移動することが多く、タイムカードで勤怠を管理できる就業状態になかった。そのため、長時間労働の実態がつかめずにおり、是正が困難だったのである。

もうひとつが技術検査員の職務内容だ。技術検査員は検査後に調書の作成が義務付けられており、現場での検査を終えた後に対応をしなければならず、これが長時間労働につながっていた。

当時の勤怠管理方法を振り返って、常務取締役の槇原敦夫氏が語る。
「労働時間は自己申告制。タイムカードはなく、出勤簿のみで運用していました。労働時間の報告を月締めで受けており、リアルタイムに労働時間を把握できていない状態。本来は月中に労働時間の状況をつかみ、必要に応じて対策を講じるべきですが、出勤簿だとリアルタイムに労働時間を把握できないため手遅れになってしまう。特に繁忙期は大量の調書を作成しなければならず、気づいたときには長時間労働に陥っていることも珍しくありませんでした」

もちろん、長時間労働の実態をつかんだ段階で指導をしたり、問診票を送付して面接指導の必要性を判断したりするなど健康管理のための対策を講じていたが、これは対処療法に過ぎない。そこで「まずは出勤簿ではなくタイムレコーダなどで客観的に労働時間を記録しなければいけない」と槇原氏は考えた。しかし、リアルタイムに労働時間を記録することについて、技術検査員の働き方が障壁となって立ちふさがった。

「技術検査員はさまざまな現場を掛け持ち、国内外を飛び回っています。地理的に離れた場所で就業していることから、労働時間の状況をどのように把握するべきか悩んでいました」

導入の決め手

スマホでGPS打刻が可能なシステム
リアルタイムに労働時間を把握できる

技術検査員の労働時間の実態をつかむにはどうしたらいいか。槇原氏が途方に暮れていたときに出会ったのが奉行Edge勤怠管理クラウドだった。
「これならリアルタイムに労働時間を把握できると確信しました。スマホでGPS打刻が可能なシステムなので、たとえ地理的に離れた場所にいても就業実態を正確につかむことができます。また、残業抑制のためのアラート機能など、労働時間管理のための仕組みが充実していると感じました」

さらに、給与奉行との連携や「時間外労働等改善助成金(2018年度版)」を活用できることも導入の後押しになった。
「給与奉行と連携することで事務負担の減少が見込めます。また、時間外労働等改善助成金では、有給休暇の取得促進と時間外労働を削減することを目的にした『職場意識改善コース』に取り組むことに決めました。助成金を活用することでコストを抑えつつ導入が可能なこともプラスでした」

導入効果と次なるステップ

平均有休取得日数が4日以上増加し、
残業の平均時間は5時間以上減少
さらに打刻の定着に向けて技術員の働き方改革に乗り出す

奉行Edge勤怠管理クラウドの導入後約1年が経過。有休のWeb申請により有給休暇の年間平均取得日数が4日以上増加したほか、月間平均残業時間数を5時間以上削減することに成功し、助成金を無事に受け取ることができた。槇原氏は「特に残業時間について、短期間でここまで成果が出たのは驚き。システム導入が社会全体の働き方改革の時期に重なったことも影響しているのではないか」と語る。いったいどういうことか。

「労基法改正や人手不足など、社会環境の変化に応じて取引先も働き方を変えています。労働時間を適正化することが社会的な潮流になっており、その流れに乗れたことで残業時間を削減できたのでしょう」(槇原氏)

導入後の効果は事務負担軽減にも及ぶ。勤怠集計から給与計算を担当する秦有貴氏は「これまで勤怠の入力作業に4日かかっていましたが、今では1日で済んでいます」と笑顔で語る。さらに有休のWeb申請によってペーパーレス化が進展し「承認業務が円滑になりました」(槇原氏)

約1年間の運用で効果が出た一方で課題が見てきた。一部の技術検査員において、労働時間把握の肝となる打刻が徹底されていないのだ。「出勤簿を併用していることが一因。システムを使わずに、従来通りに出勤簿を提出する従業員がいる状況」(槇原氏)だという。

また、槇原氏は、長時間労働の原因であった「調書の作成」が、打刻が定着しない原因にもなっていると考えた。
「日中行えない検査の場合は、深夜に現場へ向かい、その後眠い目をこすりながら調書を作成するわけです。そんな中で、打刻まで気が回らない状態にあるのでしょう。忙殺されるあまり、“後でまとめてやろう”と考え、最終的に出勤簿での勤怠報告になっているのではないでしょうか」(槇原氏)

そこで、槇原氏は技術検査員の負担減に乗り出した。
「調書作成を担当する事務員を複数人採用し、分業体制を構築することで技術検査員の負担減に努める方針です」
長時間労働の原因になっていただけでなく、労働時間の適正把握をも阻害していた調書作成業務の負担を見直すことで、技術検査員の働き方を根本から改善しようとしたのだ。出勤簿が廃止される来年4月に向けて、着々と準備を進めている。

導入効果のダイジェスト

スマホによるGPS打刻で技術検査員の打刻管理が可能に。勤怠管理クラウドの導入で見えてきた働き方の課題を改善し、従業員にとって働きやすい職場環境を構築し、法令遵守をしつつ成長を目指せる会社へ。
スマホによるGPS打刻で直行直帰、出張が多い技術検査員の打刻管理ができるようになった
労働時間の適正把握で月間平均残業時間数を5時間以上削減できた
有休申請のWeb化で有休を取得しやすくなり年間平均取得日数が4日以上増加した
有休申請のWeb化で承認作業の手間を削減できるようになった
給与奉行との連携により、4日かかっていた勤怠データの入力作業が1日になった
システム導入がきっかけで技術検査員の働き方を見直し業務の負荷分散に踏み切ることができた

目指す未来

マネージャーの労務管理への意識を向上
させて現場単位で労務問題を未然に防止

労働時間を適正に把握することが長時間労働是正のための第一歩。しかし、システムを導入しても打刻が定着せずに、結局、労働時間管理がおざなりになってしまう例は少なくない。

同社は打刻が定着しない状況からその原因を見出し、働き方の改善にまで踏み切り、現状を変えようと動き出した。同社の姿勢には、多くの企業が見習うべき点があるのではないか。
「これから目指すのは“法令を遵守した職場環境を構築したうえでのさらなる企業成長”です。今後は技術検査員の職務内容の見直しや労働時間管理に対するマネージャーの意識変革も同時に行う必要があるでしょう。事務員の採用のほか、マネージャー向けの労務管理教育も徹底していきます。彼らの意識を高めることで、現場単位で労務問題を未然に防止できる体制を整えていきます」(槇原氏)

高い技術力を駆使してニッチな分野で事業を拡大する同社。奉行Edge勤怠管理クラウドの導入によって働き方改革と企業成長を同時に実現すべく奔走中だ。

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株式会社サンテクノス

鉄鋼溶接部や金属材料、コンクリートなどの「非破壊検査」を中心に室内空気の環境測定、人材派遣なども手がける。「非破壊検査」とは、対象物を壊すことなく欠陥や損傷の有無などを検査する手法のこと。人材教育に注力し、高い技術力を背景に商圏を全国に拡大中。

  • 会社名
    株式会社サンテクノス
  • URL
    https://sut.co.jp/
  • 業種
    技術サービス業
  • エリア
    島根県松江市
  • 従業員数
    72名(2018年4月現在)