- イシン株式会社
- 管理本部 経理・財務室
幸村 巧氏
- イシン株式会社
- 管理本部 経理・財務室 リーダー
矢野 誠太郎氏
- イシン株式会社
- 執行役員 兼 経営企画室 室長
伊藤 史行氏
検討のきっかけ
決算早期化に向けた業務効率化がIPOの必須課題。
会計システムの機能だけでは固定資産管理業務に非効率な業務が残り続けた
当社は1999年創業、2005年4月設立。2024年3月東京証券取引所グロース市場に上場しました。個々の社会課題に着目し、メディアを起点としてソリューション及びプラットフォームを立ち上げる事業展開スタイルで自治体向けマーケティング支援や成長企業のブランディング、採用支援などを手がけています。
2019年秋の監査法人のショートレビューにおいて、財務のほかコーポレートガバナンスなど、多くの事項に指摘を受け、業務見直しが急務となりました。財務においては売上計上基準や会計方針のほか引当金や税効果の導入、連結決算などが焦点となり、上場のためには月次決算の早期化が必須条件でした。監査法人には月次決算を15営業日から7営業日に短縮するように求められましたが、当時の会計システム基盤では業務時間を約1/2まで短縮することは不可能だったため、会計システムを見直すことで業務効率化を目指しました。
IPOに向け、新たな会計システムを導入することで、会計処理の見直しを行ったところ、多くの業務で効率化を実現でき、月次決算の短縮ひいては上場に目処をつけることができました。しかし、固定資産管理業務については課題が残り続けていたのです。課題は大きく分けて2つ。1つ目は「手作業が残った」ことで、業務効率化が進みませんでした。具体的には固定資産の評価や減価償却方法が異なる場合に、新たな会計システムでは会計基準と税法を分けて処理できなかったため、税務は手作業で対応しなければなりませんでした。また、一部の固定資産の管理においてはExcelによる別管理が必要でした。導入した会計システムの固定資産管理機能だと一括償却資産の計算や台帳作成に対応できなかったからです。
2つ目は「固定資産税申告の内製化」です。当時は固定資産管理業務を顧問税理士に業務委託していましたが、内製化にあたり新しい会計システムだけでは償却資産税の申告にまでは対応できていませんでした。細かな計算業務から台帳の作成、申告業務までをトータルで内製化できる仕組みが必要だと感じました。
上場を見据えて新たな会計システムを導入して会計システム基盤の全体最適化を目指したものの、固定資産管理業務は言わば“浮いた状態”に。そこで全体最適化を図るために固定資産管理システムの導入を検討しました。


導入の決め手
IPOがゴールではない、『固定資産奉行 i クラウド』であれば上場後も長く安心して運用可能なシステム基盤となりうると感じた
導入したばかりの会計システムはそのままにIPOに向けた会計および税務処理への実務要件に対応した固定資産管理システムを探していました。固定資産奉行iクラウドでは会計と税務を分けて計算や管理ができるため、Excelによる別管理が必要ありません。従来Excelで加工する必要のあった資産種別ごとの合計金額も簡単に出力ができ、細かな管理項目や汎用性の高い固定資産台帳の作成機能によって、固定資産奉行iクラウドの台帳ひとつで必要な情報を漏らさずに細やかに一覧化できる点は非常に魅力だと感じました。
また、固定資産税の申告は知識と複雑な計算が必要で属人化しやすい業務です。内製化にあたり、属人化しない仕組みが構築できるかが重要なポイントでした。その点、固定資産奉行iクラウドであれば、直感的なインターフェースで簡単に税務申告が行え、業務の標準化を図ることができると考えました。
IPOを目指す場合、どうしても上場審査クリアに目線がいきがちですが、実際は上場後も業務を負担なく、正確かつスピーディーに遂行できるかどうかが重要です。弊社は上場のためのシステム導入ではなく、上場後も見越した会計システム基盤を構築できるかどうか?という視点をシステム検討する上で最も大事にしていました。そのような視点においても、固定資産奉行iクラウドであれば汎用性が高く、継続的な業務効率化も期待できるため、上場後のさらなる企業成長を目指していくなかでも、長く安心して利用し続けられるシステムであると確信したことが最大の決め手です。


導入効果
電子申告をはじめ、固定資産奉行iクラウドでIPO後の会計・税務業務の効率化を同時に実現
固定資産奉行iクラウドを導入して固定資産管理業務の部分最適化を図った結果、月次決算の短縮や業務効率化、税務申告の内製化を実現でき、上場審査をクリアできました。もちろん、上場後も固定資産奉行iクラウドで問題なく業務ができています。現在、月次決算については7営業日から5営業日へ短縮を目指しています。
固定資産奉行iクラウドでは一括償却資産が管理できるため、Excelで別表を作る手間が減りました。償却資産税の申告も郵送から電子申告へ切り替えましたが、奉行の示す通りに直感的なイメージで簡単に申告ができ、税務申告のための出社の手間が省け、リモートワークで対応できる点はとても助かっています。固定資産奉行iクラウドが提供する標準的な業務プロセスをスタンダードとし、ジョブローテーションを併せて行うことで属人化の防止につながっています。現在では業務の効率化だけでなく、より情報共有が密になることで、人員が半分程度に減ったとしても月次決算をスムーズに行えています。
また、固定資産の管理は効率的に情報を検索・確認するための仕組みがないと情報が散在してしまい、非効率な業務を生んでしまいます。例えば、これまでは固定資産に係る契約書や見積書などを紙で管理していましたが、固定資産奉行iクラウド内で資産と関連書類を一元管理することで、確認作業の効率化にもつながっています。

- 導入効果
- 固定資産奉行iクラウドで月次決算の短縮や業務効率化や税務申告の内製化を実現でき、上場審査をクリア
- 電子申告で税務申告のための出社の手間が省けリモートワークが可能に
- 会計と税務を分けて計算や管理ができExcelによる別管理が0に
- 関連書類を一元管理でき確認作業の効率化が実現
- 業務の標準化で属人化しない仕組みを構築

今後の展望
M&A戦略を実施しながら更なる企業成長が目標。
企業成長にあわせた会計システム基盤の最適化を目指す
IPOを目指す場合、会計システム基盤を上場前に整えることが肝要です。上場審査のためにやることがたくさんあると思いますが、上場のタイミングで会計システム基盤を整備しておけば次の成長にスムーズにつなげられると思います。もちろん、会計システム基盤の全体最適化に終わりはありません。当社の場合、例えば会計システム内で予実管理ができるものを検討中です。今後は企業成長を目指してM&Aが増えてくる可能性もあります。それに伴い、のれんの処理などが必要となるため、企業成長に応じて、固定資産奉行 i クラウドの活躍する場面ももっと増えていきそうです。まずは現物の写真を画像データとして固定資産奉行 i クラウドへ取込み、現物写真を見比べながら資産棚卸に活用していきたいです。
また、2027年4月には強制適用を控える新リース会計基準への対応も問題視されています。弊社の場合は賃貸借契約を危惧しており、オンバランス後の影響を見極めている途中です。OBCが定期的にセミナーやコンテンツを通して情報を提供してくれているため、自社内でも今後の対応方針の参考としていきたいです。
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企業情報
1999年創業、2005年4月設立。2024年3月東京証券取引所グロース市場に上場。
個々の社会課題に着目し、メディアを起点としてソリューション及びプラットフォームを立ち上げる事業展開スタイルと、それを実現するためのノウハウや組織能力をコアコンピタンスとする。事業分野は公民共創事業、グローバルイノベーション事業、メディアPR事業の3つ。
自治体向けマーケティング支援や日系大手企業のグローバルオープンイノベーション支援事業、成長企業のブランディング及び採用支援事業などを手がけている。
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- 会社名
- 株式会社玉置
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- 所在地
- 東京都新宿区新宿6-28-7 新宿イーストコート7F
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- 従業員数
- 99名(2024年12月末時点)