トランスニュークリア株式会社

独自業務に合わせてカスタマイズしたERPシステムからクラウドERPへのリプレイスを実現!クラウドERP×ノーコード開発ツールで業務を“標準化”するDX時代に合わせた基幹システムを構築

  • 経理・会計・財務​
  • キャスク関連
  • 輸送サービス
  • 勘定奉行V ERPクラウド[個別原価管理編]
トランスニュークリア株式会社
企画管理部 部長
沖川 英雄氏
トランスニュークリア株式会社
企画管理部
関 あかね氏

検討のきっかけ

10年以上利用したERPシステムがいよいよサポート終了へ
標準化を目指すが、カスタマイズをどう継承するかが難題に

トランスニュークリアは、原子力燃料リサイクルを担う製造・エンジニアリング会社です。放射性物質を輸送・貯蔵する際に使うキャスク(容器)の設計・安全解析・研究開発や調達・販売・製造管理・品質管理などを行う一方で、国際間輸送業務や放射性物質輸送のコンサルティング業務を提供しています。株主構成は日本の神戸製鋼が50%、米仏に拠点を置くOrano NPSが50%となっており、経営権は Orano NPSが所有しています。

主要業務であるキャスクの製造関連業務は、原子力発電所の運営会社などからのオーダーに応じて個別に設計や製造管理を進めるため、会計上はプロジェクトごとに個別原価計算を行うことが必須です。常時、約50案件が同時並行で推進され、日次・月次・年次の会計業務は、10年以上前に導入したERPパッケージで対応していました。

ただし、当社はニッチな領域に特化したものづくりを行っているため、自社ならではの独自業務に合わせて、ERPシステムを個別開発してカスタマイズする必要がありました。実際、旧システムは、各オーダーに応じたオーダー番号を含むプロジェクトマスター登録、調達契約情報入力、労務費管理、プロジェクト別管理帳票、親会社への報告のため英語にも対応した決算資料作成など、数多くの機能を追加開発・実装していました。

そんな中、伝えられたのが、ERPシステムのサポート終了です。同時に販売代理店から提案されたのが、「従来のようにオンプレミス型ではなく、クラウド型のシステムを導入すること」でした。当社でも、これを機にカスタマイズの必要性や今後のシステムのあり方について考え、導入・運用コストの削減や利便性の向上が将来に渡り期待できるクラウド型は非常に魅力的に感じました。

しかし、懸念点は、果たしてクラウド型で当社の数多くの個別開発で追加した機能を再現できるかということです。当初、「当社のような特殊な業務をクラウドで行うことは難しいのでは」というのが第一印象でした。そうした疑問も抱えながら、当社はオンプレミス型か、クラウド型かの2者択一で検討を進めていったのです。

トランスニュークリア株式会社 企画管理部 部長 沖川 英雄氏

導入の決め手

将来的な運用管理、更改のリスクを回避するため勘定奉行クラウドを選択カスタマイズ機能はノーコード開発ツール「CELF」による標準化で対応

特殊な業務に応じてカスタマイズしている基幹システムを今後どうしてくのか。検討した結果、当社が選んだ答えが勘定奉行クラウドを導入することでした。導入の決め手となった理由は以下の3点です。

1つ目は、未来の潜在的リスクがクラウドなら回避でき、日進月歩で進化する最新機能を使えることに期待できることです。

当社のバックオフィス業務を一手に担う企画管理部は経理、総務、一般事務など様々な業務を4人という少人数体制で対応しています。そのため、旧システムのカスタマイズ機能のメンテナンスや、オンプレミスであるがゆえに社内に設置しているサーバーの保守や管理は自社では手が回りません。そこで、販売代理店に委託していますが、当然のことながら毎月一定のコストがかかります。クラウド化を行えば、メンテナンス費用やサーバー管理費用がゼロになるため、ランニングコストの低減が可能になります。

また、オンプレミスとなると、またいずれ今回と同じようにサポート終了を迎え、再度システムを入れ替える必要が出てきます。一方、クラウドであればそうした未来の潜在的リスクを回避できます。

さらに、期待できるのが、日進月歩でアップデートされ、最新の機能使えることです。旧システムではカスタマイズがネックとなり、更新の適用が即時にできないために古い機能を使わざるを得ず、日常業務で不便さを感じる場面も多々ありました。

2つ目は、勘定奉行クラウドとノーコード開発ツール「CELF」を連携することによって独自業務もノンカスタマイズで実現できることです。

クラウド化は大きなメリットが期待できますが、課題は前述の通り、旧システムをカスタマイズすることで実現していた独自業務を、今と同様に実施できるかどうかです。その点において、販売代理店から提案されたのが、SCSK株式会社が提供するノーコード開発のクラウドサービス「CELF(セルフ)」によって、それらのカスタマイズ機能を置き換えることです。

CELFは、使い慣れたExcelと同等の操作性で入力できる点が特徴で、このツールを使って旧システムの独自機能を代替的に作成するという提案でした。CELFでは、奉行で実施できないあらゆる業務をノンカスタマイズでカバーすることができます。CELFと勘定奉行クラウドをAPI連携することによって、クラウド基盤において自社の基幹システムの標準化を図れる仕組みが構築できるのです。「カスタマイズをせずに、ノーコード開発ツールとパッケージシステムで同じ機能を継承できるのか」という不安はありましたが、「実現可能」という販売代理店の言葉を信頼して託すことにしました。

ポイントとなるのが、現在の実態に即して必要な独自機能だけを選び、CELFで作成することです。個別開発で10年以上前に実装し、当時は有用だったものの今では全く使われなくなった機能もあります。長い年月が経つと、組織や仕事のやり方も変わり、システムが実態にそぐわなくなるケースはあり得ることです。例えば、当社では、調達契約情報入力というカスタマイズ機能が不使用状態だったため、今回のリプレイスのタイミングで除く決定をしています。

3つ目は、在宅ワークを推進する経営サイドの後押しです。

当社がテレワークを推奨していることもクラウド化を後押ししました。従来、バックオフィス業務に携わるメンバーも自宅で会計業務の作業を行うことがありましたが、VPNにアクセスして操作すると業務スピードが遅くなることがネックでした。例えば、月次決算のデータをダウンロードするのに30分以上かかることもあったほどです。クラウド化すれば、そうした遅延問題も解消が期待できます。

実は、当社の社長もテレワーク推進の旗振り役を担っている関係で、「バックオフィス業務で会社を支えている企画管理部もクラウド化によって在宅ワークを円滑にして働き方改革を行うべき」という考えを表明していました。そうした社長の一声もあり、最終的に勘定奉行クラウドの導入が決まったのです。

導入の決め手となった3つの理由
  1. 未来の潜在的リスクがクラウドなら回避でき、日進月歩で進化する最新機能を使えることに期待
  2. 勘定奉行クラウドとノーコード開発ツール「CELF」を連携することによって独自業務もノンカスタマイズで実現
  3. 在宅ワークを推進する経営サイドの後押しも決定打に
cs_fig04

導入効果

業務の標準化と、勘定奉行クラウドのきめ細やかな機能で
業務スピードが大幅アップ

販売代理店とベンダーは綿密に連携し、結果、勘定奉行クラウドとCELFによる基幹システムのリプレイスに成功しました。今回のクラウド化の案件では、特に以下の3つの点を高く評価しています。

クラウドで標準化しても運用プロセスは変わらず操作もよりスピーディに行えるように

今回の基幹システムのクラウド化で、第一の成果として挙げられるのが、勘定奉行クラウドとCELFをAPI連携させる構成にも関わらず、従来のカスタマイズされた旧システムと画面のみならず、運用プロセスも変わらず、以前と同様にスムーズに業務を行えている点です。例えば、旧システムでは、プロジェクトマスター登録、労務費管理、プロジェクト別管理帳票作成などを個別開発によってカスタマイズしていましたが、それらを勘定奉行クラウド+CELFの組み合わせですべて標準機能として構築を実現しています。

また、システム間の連携がうまく行われており、CELFにデータを入力するとリアルタイムで勘定奉行クラウドに反映されていきます。こうした操作性や連携性には非常に満足しております。

旧システムでは個別開発していた独自業務をノンカスタマイズで標準化 財務会計システム勘定奉行V ERPクラウド[個別原価管理編]とCELFで運用プロセスを変えずにスムーズに業務を行える
原価管理に不可欠なプロジェクト単位の仕掛残高一覧表示により業務の正確性と生産性が向上

プロジェクト単位で原価管理を行っている場合、プロジェクトごとの仕掛残高の確認は必須で、残高の有無を把握して管理していくことは経理にとって非常に重要な業務の一つです。旧システムでは、プロジェクト別で個別原価管理を行う中、各案件の製造途中の製品(キャスク)である仕掛品の製造原価を計上する仕掛勘定を確認するには、オーダー番号を一つひとつ打ち込んで会計データを呼び出す必要がありました。それが、新システムでは仕掛勘定が一覧で確認でき、いちいちオーダー番号を入力しなくても、一目で仕掛残高が確認できるようになっています。この仕掛勘定の一覧機能によって、見落としや抜け漏れを防ぐことができ、業務スピードも格段に向上しています。

さらに、月1回、月次決算を行うために必要な仕掛勘定データのダウンロード作業も飛躍的に速くなっています。旧システムでは30分以上かかることもあったため、昼休みの間に落とすなど工夫して何とか乗り切っていました。それが今では事前設定不要でボタン一つで行うことができ、ダウンロード自体も即時に完了します。経理にとって忙しい月末こそ、こうしたデータは一刻でも早く入手したいものです。それが勘定奉行クラウドによって実現しているため、月末締めの作業も円滑に行うことができています。

仕掛残高一覧表示:導入前はオーダー番号を
一つひとつ入力→導入後は一目で仕掛残高が確認できる。見落としや抜け・漏れを防ぎ業務スピードが向上
導入効果
プロジェクト管理や原価管理における独自業務をノンカスタマイズで標準化
原価管理のきめ細やかな機能により会計の業務スピードが大幅にアップ
将来的なシステム更新が不要になり長期的観点で手間と費用を削減
クラウド化によって会計業務のリモートワークもスムーズに実現

今後の展望

勘定奉行クラウドを使いこなし、
月次決算のさらなる早期化に挑む
CELFを使って“素人”が作成する業務アプリで効率化を推進も

現在、会計業務では月次決算のスピードアップを目指しています。親会社からは月次決算書を前月締め日から4営業日以内に提出するように求められており、今回、勘定奉行クラウドの導入で業務スピードが上がることが業務改善に大きく寄与するでしょう。まだ使い切れていない機能も多くあるため、まずは色々なメニューを触って、効率化に結び付けたいと考えています。

その際、活用したいと考えているのがOBCのサポートセンターです。同センターは支援が非常に手厚く、オンラインで問い合わせると、即座に電話などで対応していただけます。電話中にリモートで当社の画面にログインし、どのように操作するか、見本を見せながら説明していただけるので非常に分かりやすいです。

また、CELFは、ITエンジニアでない我々のような素人でも勉強すれば業務アプリを開発できるユニークなツールです。より業務効率アップを図るためにも、自ら業務アプリを作成し、基幹システムを補強できればと思っております。

この事例での導入製品はこちら

製品をご検討中の方へ

ご購入される方が安心して製品をお選びいただくため、無料体験や、導入相談を行っています。
下記の専用フォームまたはお電話にてお問い合わせください。


お急ぎの際には専用フリーダイヤルにおかけください

0120-121-250

10:00~12:00∕13:00~17:00
(⼟・⽇・祝⽇を除く)

企業情報

原子力燃料リサイクルを担う製造・エンジニアリング会社です。放射性物質を輸送・貯蔵する際に使うキャスク(容器)の設計・安全解析・研究開発や調達・販売・製造管理・品質管理などを行う一方で、国際間輸送業務や放射性物質輸送のコンサルティング業務を提供しています。株主構成は日本の神戸製鋼が50%、米仏に拠点を置くOrano NPSが50%となっており、経営権は Orano NPSが所有しています。

  • 会社名
    トランスニュークリア株式会社
  • 所在地
    東京都港区新橋1丁目18番16号 日本生命新橋ビル5階
  • URL
    https://www.tntokyo.co.jp/