導入事例
株式会社サッポロドラッグストアー
- 所在地
- 北海道札幌市北区
- 従業員数
- 2,387名(2015年2月)
- 売上高
- 537億6,385万円(2015年2月期)
課題と効果
- 課題
- 組織の成長計画を支える、人事労務情報のシステム基盤がなく、人材や人件費など総合的な情報の把握・提供には多くの労力が必要だった。
- 情報管理が担当ごとの属人的な業務となっており、業務の重複、情報の食い違いなどムダやミスが発生しており、業務の効率化・情報の正確性向上が急務であった。
- 汎用性に乏しく、同時実行も不可能なシステムであったため、給与計算時に時間のロス、登録ミスが起きていて残業の発生源となっていた。
- 効果
- 人事奉行V ERPの導入により人事労務情報の一元管理が実現。タイムリーかつ様々な角度からの情報提供が容易になった。
- システム導入により、業務の標準化が実現。業務効率が大幅に改善され、余った時間を確認作業に回すことで情報の正確性もアップした。
- 給与奉行V ERPを併せて導入することで、人事労務情報と給与情報が連動。給与計算業務は奉行シリーズを中心として業務の定型化・効率化が進み、残業ゼロを実現した。
- 汎用性が高く、勤怠システムとの連携もスムーズ。経営指標となる月次の人件費見通しの作成がいつでも可能になった。
- 奉行V ERPによる仕事のパターン化と改善を繰り返すことで年々効率が向上。使用年数が経つほどに、生産性が上がっていることを実感した。
導入前の課題
成長する組織の中でエクセルによる情報管理が限界に給与計算では残業が多発
北海道内にドラッグストアと調剤薬局を展開する株式会社サッポロドラッグストアーは、2009年11月に人事奉行V ERPと給与奉行V ERPを導入した。当時は成長計画を進めている最中であり、すでに1,500人以上の従業員を管理していた。導入前は人事労務情報をエクセルで管理していたが、属人的な管理となっていたため情報が点在していた。また、管理方法も統一されておらず、作業が重複していたり、入力内容が食い違っていたりと、情報の整合性を確保するため時間がかかり、ある従業員の情報を抜き出したいと思ってもすぐにはできない状態だった。当時の管理方法の主体はエクセルであり、履歴や参照の柔軟性が極めて低く、ドラッグストアにとって重要な資格情報や、従業員の配属履歴や研修の受講歴などが確認しづらく、経営陣からの「詳細な従業員情報が今見たい」という要望にも即座に対応できなかったという実態があった。一方、給与システムはデータの出し入れができないだけでなく、同時に処理が実行できないため、給与計算時は毎月残業が頻繁に発生していた。
システム選定のポイント
成長計画を支える人事労務システムには使いやすい操作性と情報活用の柔軟性を評価
高い導入実績も選定の決め手に
人事部マネジャー柏井 隆男 氏
自社の成長計画を支えるためには、店舗数や従業員の継続的な成長に対応できる人事労務システムは必要不可欠であった。成長計画を実現していく過程では、第1フェーズとして人事労務情報の管理と整備を実現すること、第2フェーズでは勤怠管理の現場負担の軽減と法令順守、そして第3フェーズでは教育の実施と人員の適性配置を実現するという戦略的な目標を掲げていた。これらの仕組みを成長に合わせて実現するためには、仕事の標準化に対応でき、情報の出し入れや自由度の高い枠組みを構築できることをシステム選定で重視した。導入に尽力した人事部マネジャーの柏井隆男氏は当時のシステムの選定についてこう振り返る。
「パッケージシステムに的を絞ったのは、使いやすくて業務が標準化され、データの出し入れが容易にできるなど柔軟性に優れているためです。選定に際しては、奉行V ERPともう1社の計2社のシステムを比較しましたが、奉行シリーズは業界内でも高い導入実績があり、それだけ多くの企業から支持される優れたシステムであると認識していました。また、説明を聞いて、標準化された機能と操作がしやすそうだと感じたからです。ちょうど社内に奉行シリーズを使った経験のある社員もいて、使い勝手の良さを評価しており、それも選定の決め手になりました。」
同社では2009年11月に運用を開始したが、なんと約3か月の短期稼動を実現した。その年の年末調整に間に合わせたかったこと、稼働をそれ以上遅らせてしまうと年度の初めと重なり人事部門が忙しくなることが背景にあった。短期稼動ではあったが、導入のパートナー企業が作成した導入から稼働・運用までの綿密なスケジューリングや指導のおかげもあって大きなトラブルなく運用を開始できた。そして、システムの問題は今まで一度も起こっていないという。

導入効果
情報のデータベース化を実現し人事労務業務の標準化と効率化に成功
入力の時間、労力、ミスも激減
現在、奉行V ERPの導入から5年以上が経過しているが、習熟度・活用度が上がり、導入前の課題はほぼ解決したという。人事労務部門では、まず生産性が上がった。「パッケージシステムでは作業をパターン化できるため、初めにルールを決めてしまえば、あとはそれに従って作業を進めていくだけです。業務の標準化にも貢献しており、ボタンを押せば誰でも同じ結果となるため、情報に違いが発生することもなくなりました。こうして従業員の情報を一元管理することで、異動、配置転換、教育や研修実施等の指標にもなっています。また経営陣からの店舗を巡回する際に従業員の情報を詳細に見たいという要望にも即座に応えられるようになりました。」(柏井氏)
給与計算でも給与奉行V ERPの導入による好結果が出ている。以前は、給与計算に費やした残業は3日もあったが、今では残業時間は一切ない。入力ミスが減りデータ照合にかかる時間が減ったこと、手待ち時間が減ったことで業務が円滑に進むようになった。さらに人事奉行V ERP、給与奉行V ERP、勤怠システムを連携させることで、人件費の推移、人時生産性や残業状況の把握も可能となり、現時点での進捗具合や月次の見通しが立てられるようになり、経営指標に役立っている。「奉行V ERPは汎用データを自由にたくさん設定できるので、様々なデータと組み合わせることで活用方法が無限に広がります。改善を繰り返すことで使用年数が経つほど仕事のパターン化が進み、毎年効率が上がっていることを実感しています。法改正にもタイムリーに対応してくれますので安心して使うことができます。」(柏井氏)
今後の展望
蓄積した情報を活用してタイムリーな人件費の算出・報告や従業員のES向上を目指す
今後、マイナンバー制度やストレスチェック制度の対応で新たに業務が発生する人事労務部門。同社では中長期計画で出店数を300店舗に増やす予定もあり、人事労務のさらなる強化が求められている。このような状況下、奉行V ERPに対する期待について柏井氏は次のように話す。
「基礎情報の入力作業がひと段落し、従業員のデータベースが着々とでき上がっています。次のステップはその情報を活用することです。人件費や人時生産性をタイムリーに計算して、経営陣や現場の店長へリアルタイムで報告したり、教育研修を蓄積して、従業員一人ひとりのスキルを図ったり、様々な活用シーンを想定しています。人事部としては、教育制度や労働環境を充実させて、従業員が安心して働けるようなきめ細やかなサービスを提供し、生産性の向上につなげていきたいと思っています。今は人事部と経営陣・人事部と店舗という関係が主ですが、これからは人事部と従業員とのパイプも太くしていきたいと考えています。」奉行V ERPを導入し、従業員の情報を一元管理するという人事労務の土台を構築した同社。奉行シリーズをベースに、蓄積したデータをどう効果的に活用していくかという段階にシフトしているようだ。
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- 給与奉行V ERP
- 人事奉行V ERP
- 固定資産奉行V ERP
- 顧客奉行21Ver.5
会社概要
- 会社名
- 株式会社サッポロドラッグストアー
- 売上高
- 537億6,385万円(2015年2月期)
- 従業員数
- 2,387名(2015年2月)
- 店舗数
- 153店舗(ドラッグストア143店舗、調剤薬局10店舗)
- URL
- http://www.sapporo-drug.co.jp/