社会福祉法人福角会

社会福祉法人のDX化は難しくない高齢職員でも簡単に使いこなせる奉行クラウドで心身ともに健康で生き生きと働ける環境に

  • 人事・労務・総務​
  • 300〜499人
  • 社会福祉事業
  • 奉行クラウド HR DX Suite
社会福祉法人福角会
法人本部事務局 事務局長/西山 裕一 氏
 
法人本部事務局
久保 幸恵 氏
 
法人本部事務局
課長補佐/長野 恵理香 氏

検討のきっかけ

心身ともに健康で
生き生きと働ける環境を構築しなければならない

時代が変化するなかで、人手不足を解消し、より良いサービスを提供するためには心身ともに健康で生き生きと働ける環境の整備が必要不可欠だと考えています。
例えば時間外労働ゼロや在宅勤務が当たり前の労働環境です。

福祉業界は深刻な人手不足に直面しており、人材確保が年々困難になっています。第一に採用難。労働人口減少のなかで人材の獲得争奪戦が起きていることに加えて、福祉を目指す学生が年々減少しているという変化も起きています。今後もこの傾向は変わらないと予想され、採用難はより深刻化するでしょう。第二に高止まりしている離職率。せっかく採用できても、2~3年で離職してしまうケースも多く、定着が進んでいません。第三に高齢化。若手の採用が思うように進まないなかで、職員の高齢化が年々進行しています。このような人材面の課題は、2040年に団塊世代ジュニアが高齢者を迎えるにあたり、社会福祉サービスの持続的提供の大きな障害となっています。

上記のような人手不足の課題は当法人にもあてはまるものです。採用については、新規学卒者の採用はほとんどできていない状況。採用は人材紹介業者に頼っているため多大な経費がかかってしまっています。離職率については、3~5年目の中堅職員で上昇傾向を示しています。一連の業務を習得し、これからの活躍が期待される中堅職員が離職してしまうのは本当に痛く、戦力ダウンは避けられません。全職員の平均年齢は46歳となっており、年々高齢化が進行しています。

こうしたなかで、人手不足の解決についてさまざまな検討を重ねてたどり着いた答えのひとつがDXでした。バックオフィスのペーパーレス化で業務時間を削減し、時間外労働ゼロを実現する。さらに、いつでもどこでもアクセス可能な環境を用意することで、遠慮なく有休などの申請ができて、在宅勤務も選べるようにする。このように、DX化で「心身ともに健康で生き生きと働ける環境」の土台を構築しようとしたわけです。

● 心身ともに健康で生き生きと働ける環境を構築
心身ともに健康で生き生きと働ける環境を構築
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DX化の進め方

奉行の指示に従うだけで手続きを終えることが可能
運用イメージが鮮明に湧いたのは奉行だけ

奉行を知ったきっかけはテレビCM。そうです、あの「お任せあれ」という奉行さんのCMです。
「“お任せあれ”とはすごい自信だ」と思い(笑)、期待してコンタクトを取ってみました。

導入の決め手は2つ。一つ目はわかりやすい画面を備えており、操作が簡単なこと。総務担当者はシステムに従うだけで手続きを終えることが可能です。さらに、汎用データが容易に取り出せ、行政からの調査依頼に対して迅速に対応できることも高く評価しました。

二つ目は高齢の職員でも苦労せずに使えることです。どこに何を入れるべきかがすぐにわかる単純明快な画面設計ならばストレスなく使えるのではないか。デモを確認するなか、運用イメージが鮮明に湧いたのは奉行だけでした。さらに将来的なシステム拡張に対する柔軟性や専門家ライセンスの存在も導入の後押しになりました。

社会福祉法人福角会 法人本部事務局 久保 幸恵 氏

DX化による従業員の反応・変化

高齢職員も簡単、便利に使えている

スマートフォンの操作が不得手の職員が一定数いるとわかっていましたので、DX化がスムーズに進むのか不安を感じていました。そこで、職員向け説明会を行い、DX化に対する事前同意を得てから始めました。当初は、紙とデジタルのハイブリッド対応を取り入れ、紙での申請を一部残したほか代理入力を総務で行い、職員に寄り添った対応に務めました。給与明細配付については各事業所の管理者に協力を仰ぎ、紙で印刷してもらうこともありました。各事業所に極力負担をかけないように配慮しながら、置いてきぼりを出さないようにしました。そうすることで、高齢職員でも簡単かつ便利に使えています。

DX化を進めるなかで、意外な発見がありました。それは事業所における人間関係が浮き上がって見えてきたことです。変化に直面して、職員同士の結束が高まる。そんな姿を目にすることになったのです。

導入効果

年408時間削減、時間外労働ゼロで生産性向上を実現

今まで紙やExcel、Word、システムで行ってきたバックオフィス業務を奉行でDX化することで年間合計408.1時間の業務時間を削減できました。人事労務業務において、特に大きな時間削減効果を得られた業務は「入職手続き」「給与明細配付」「年末調整申告」です。「入職手続き」では129時間を削減。入職書類の確認から職員情報登録、労働条件通知、辞令交付までをすべてDX化し、入職者一人当たりの業務時間を3時間から1時間へ削減できました。

「給与明細配付」では印刷や封入、配付などの業務を一掃し、57時間を削減。現在は給与明細配付の予約をするだけで済んでいます。「年末調整申告」では、紙での差し戻しがなくなりました。これにより業務時間を42時間削減できています。奉行導入以前はシフト制勤務のため、職員と連絡を取りにくく、遅れが生じていましたが、そういう心配もなくなりました。

入職手続き:入職に関する手続きをすべてDX化/給与明細配付:給与明細配付をDX化し、配信予約のみに/年末調整申告:神の差し戻しがなくなりシフト制勤務でも遅れなくなった

DX化によってさらに嬉しい変化が。各事業所から紙をかき集める頻度が減ったのです。以前は毎日2時間以上かけて各事業所を車で回り、紙を回収していました。集めてきた紙を手入力するだけで一日が終わっていることもあり、生産性低下を招く要因のひとつでもありました。現在、回収は週2回程度で済んでおり、個人情報に関する重要書類の漏えいや紛失を心配することもなくなりました。さらに、データをExcelやCSVで容易に取り出せるため、勤労統計調査ほか、月1ペースで依頼のある平均年齢や勤続年数、人員配置などの調査にも迅速に対応できています。

上記のように、紙による煩雑な業務が減少したことで、職員の働き方は大きく変わりました。総務においては、業務時間の削減で時間外労働ゼロを実現したほか、本来注力すべき業務(求人など)に取り組めています。導入後にパート従業員が減ったものの、以前より迅速に業務を行えており、生産性向上を実感しています。今後は、他部署も含めた業務分担の見直しも実行できそうです。

職員は、総務へ書類を持参する手間が省け、いつでもどこでも申請、確認できる環境になり、喜んでいます。若手職員のなかには、上司に紙を持っていき決裁を仰ぐことに遠慮があった者もいたようですが、現在はスマートフォンで気軽に申請できるので助かっているようです。さらに、労務に関する書類に割く時間が減ったことで、福祉施設の利用者へ向き合う時間が増えたようです。 また、ハンコリレーによる書類の停滞がなくなったことで、スピーディーな申請、承認を実現できています。当法人の77歳の理事長自身もDX化の威力を実感。現在、ipadで決裁、承認を行っており「もうハンコを一日中押すことはないね」と笑顔でいますね。

導入効果のダイジェスト

人事労務業務を奉行でDX化し、担当者の業務時間を年間408時間削減
・「入職手続き」・・・・年間129時間削減
・「給与明細配付」・・・年間57時間削減
・「年末調整申告」・・・年間42時間削減
高齢職員もかんたん、便利に使えている
紙による煩雑な業務の削減で、総務部門の時間外労働ゼロを実現
ハンコリレーによる書類の停滞がなくなり、スマートフォンでスピーディーな申請・承認を実現
社会福祉法人福角会 法人本部事務局 課長補佐 長野 恵理香氏

今後の展望

DX化を理念実現と連携・協働の力に

2022年4月に「社会福祉連携推進法人制度」が施行されました。「社会福祉連携推進法人制度」とは、複数の社会福祉法人等が社員となり、各法人が相互に連携・協働して多様化する福祉ニーズに対応するための新たな法人制度です。当法人においては高知県、徳島県、愛媛県の社会福祉法人と連携を進めています。各法人でDX化の進み方は異なるものの、県をまたいで業務を行うえで紙のやり取りは非効率的であり、DX化は必要不可欠。今後はDX化を促進し、連携を加速させていく方針です。また、新規施設の立ち上げも予定しており、さらなるDX化で、現行の職員数でも対応できるようにしたいと考えています。

当法人においては、3年前に記録システムのDX化を行いました。その際に得た知見と自信があったからこそ、今回の人事労務DXも「やればできる」と思えた面があります。多くの社会福祉法人でDX化の遅れが指摘されていますが、2040年に向けた準備を進めるうえでDX化は待ったなし。これからDX化に取り組むならば、「まずはやってみる」の精神で、取り組みやすい部分から着手し、徐々に広げていくとよいと考えます。

当法人は、これから契約やインボイスのDX化にも着手し、社会福祉法人におけるDXのモデルケースと言われるようになりたい。そして、DX化を基本理念(「この子らを世の光に」の心を心として、全ての人たちが地域の中で安全で安心して暮らせる豊かな生活の実現を目指します)の実現の有効な手段として活用し、地域福祉に貢献し続けて参ります。

企業情報

1954年事業所開設、1972年社会福祉法人設立。福祉や保育、障がいなどの社会福祉事業を手がける。松山市内で11事業所を展開。基本理念は「『この子らを世の光に』の心を心として、全ての人たちが地域の中で安全で安心して暮らせる豊かな生活の実現を目指します」。直近10年間で職員数は280名から375名に、サービス活動収入は9億8千万円から19億1千万円に増加。

  • 会社名
    社会福祉法人福角会
  • URL
    https://hukuzumikai.com/
  • 住所
    愛媛県松山市福角町甲1829番地
  • 業種
    社会福祉事業
  • エリア
    愛媛県
  • 従業員数
    375名

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