導入事例
BBソフトサービス株式会社
- 所在地
- 東京都港区
- 従業員数
- 145名
課題と効果
- 課題
- 事業ごとの月次損益管理の早期化と効率化を実現し、スピードある事業採算性把握に活かしたい。
- 将来的な会社の成長を見据え、内部統制の強化が必要であった。
- 固定資産管理において、会計と税務の両基準での管理を実現したい。
- 効果
- 「勘定奉行V ERP」の導入により、月次数字の確定からレポート作成までがシステム機能で完結できるようになり、事業別の月次損益集計の大幅な効率化とリアルタイムな採算性把握を実現。
- 利用者別に、仕訳の登録や承認(転記)の権限設定ができ、また、システムログの確認が可能となるなど内部統制の強化を実現できた。
- 固定資産奉行V ERPの導入により、会計と税務の各台帳管理が可能となった。
導入前の課題と導入に至るまでの経緯
事業採算性に関する迅速且つ正確な判断を実現できるシステムへ
- 事業管理統括部
統括部長山本 成勝 氏
BBソフトサービス株式会社様は2001年に設立され、現在はPC・モバイルの2つのプラットフォーム上で、セキュリティ、アプリケーションなどの事業を個人消費者ならびに法人向けに展開している。セキュリティソフトの月額サービス提供など、特に最近はスマートフォンを中心としたモバイル上のアプリケーションが好調だ。
同社の強みはスピード感ある事業創出にある。急速に変化し続けるネットビジネスの中で、ソフトバンクグループのシナジーを活かしながら、既存の事業から派生する新たなサービスを市場に投下し続けることで、創業以来常に成長を続けてきた。
「そのため、当社では各事業についての採算性はとてもシビアに見ています。」そう語るのは、BBソフトサービス株式会社 事業管理統括部 統括部長の山本 成勝氏である。各事業の成長性を判断するために、同社では月次で事業部ごとの損益計算書を作成し、営業利益までを正確に算出している。
しかし、以前のシステムでは月次集計には業務上の課題があったと山本氏は次のように振り返る。
「事業部別の損益を正確に把握するために、間接費については勘定科目別の配賦計数に応じて細かく配賦を行う必要がありますが、これらの作業は出力したデータを基にExcelを使って手作業で行っていました。これでは手間や時間がかかる上、算出結果についても間違っていないかという不安がありました。また、手作業であること自体に統制上の問題も感じていました。」
月次レポートの作成をシステム化したいという思いを抱えていた同社に大きなきっかけが訪れる。2010年4月、同社は法人向けサービスを強化するために合併を果たし、個人消費者向けの事業に加え、法人向けの新たな事業が加わることとなった。今までとは異なる業務フローや経理処理に対応するため、会計システムについても見直しが必要となった。これを機に新たな会計基盤の検討を本格的に開始することとなった。
選定ポイント
管理会計機能の他、内部統制やセグメント管理を実現するシステムとして「奉行V ERP」の導入を決定
- 財務経理統括部
経理部 ディレクタ兒嶋 弘亮 氏
システムを選定するにあたり、重要視したポイントについて、経理業務を担当している財務経理統括部 ディレクタの兒嶋 弘亮氏は次のように語る。
「新たなシステムを検討するために4社のパッケージを比較検討しました。将来、会社が大きく成長していくことも視野に入れ、事業部別の損益管理を効率化するための機能だけではなく、内部統制上の対応やセグメント別の財務諸表の作成・開示ができる点、また将来的にIFRSへの対応が可能であるかという点も、システム機能としては重視しました。特に当社は柱となる事業セグメントの中に細かく事業単位が分かれており、また、各事業の入れ替わりも多いため、セグメント管理の実現性は重要でした。その他にも、スムーズなデータ移行の実現性や、コスト面などもシステムを選定する上でのポイントとなりました。」
こうして比較検討の結果、同社の要件を網羅的に満たす会計基盤として「勘定奉行V ERP」の導入が決定した。
システム概要
「勘定奉行V ERP」で部門別損益集計の効率化を実現
勘定奉行V ERPでは、豊富な管理会計機能により、部門別(事業部別)の月次損益把握を効率化・迅速化することができる。ここでは勘定奉行V ERPの機能をご紹介する。
仮想組織体系の実現まずは、組織体系の設定であるが、勘定奉行V ERPでは、制度会計上の組織体系とは別に管理会計用の仮想組織体系を自由に作成することができる。そのため、BBソフトサービス株式会社様のように事業単位での財務数字を把握したい場合にも、事業別の組織体系を作成することができ、また、構造の変化速度が早い企業においても、新たな組織体系を柔軟に作成することが可能だ。また、仮想組織体系は期中の変化にも対応でき、過去の組織体系での集計も正確に行える。これにより、損益の集計単位を迅速に変化させながらも、正確な数字の把握が実現できる。
勘定奉行V ERPでは、部門への共通費配賦を標準機能で実現している。勘定科目単位で配賦の有無や配賦計数を設定できるため、Excel等で行っている細かな配賦もシステム機能で自動化することができる。
また、部門ごとの売上実績を基に経費を配賦するなど、実績値を基準とすることや、社員数・時間数などを基準値に設定することも可能だ。
配賦後の結果は、配賦を加味した集計と配賦を加味しない集計とに切り替えることもでき、これらの配賦後の損益結果は合計残高試算表や部門別集計表をはじめ、様々な帳票で集計することができる。
- 配賦基準ごとに、部門別の配賦計数を細かく設定することができ、実績数字を基にした配賦や、数値型、時間型での計数設定が可能。また、小数点第2位まで指定できる
- 勘定科目ごとに配賦基準を設定することが可能
同社の兒嶋氏は配賦機能について次のように評価する。
「月次の配賦作業をシステムで自動化できたのは業務効率化に非常に大きな効果がありました。当社は事業が細かく分かれていますので、費用項目ごとに各事業への按分計数が異なりますが、全て対応することができました。按分の方法を柔軟に設定できるので、非常に自由度のある配賦が実現できています。」
導入効果と今後の展望
財務会計と管理会計がシームレスに連動したことで決算早期化を実現
- 財務経理統括部
経理部 マネージャ代行土井 龍生 氏 - 財務経理統括部
経理部新藤 浩太郎 氏 - 財務経理統括部
経理部藤 綾乃 様
奉行V ERPの導入を決定してから約3か月後の4月、財務会計システムが本稼働を迎えた。
経理のオペレーションを担当する財務経理統括部 経理部の皆様は奉行V ERPの操作性を評価する。
「奉行V ERPは以前の奉行シリーズと比較すると項目が充実しているので少し入力が増えましたが、操作性については全く迷うこともありませんし問題無く使えています。」
また、奉行V ERPの導入により、事業部別月次損益の正確性と把握スピードが向上した。その導入後の効果について山本氏は次のように語る。
「以前は経理部が月次決算数字を確定した後、事業管理統括部にて管理会計を行っていたのですが、奉行V ERPを導入したことで、財務会計と管理会計とのシームレスな連動が実現しました。事業別の損益を把握するため、毎月Excelを使い、数字の分解や経費の配賦など3日間を掛けて加工を行っていましたが、この作業が全く無くなり、且つ、数字がより正確になったというのは非常に大きな効果です。今は奉行V ERPからデータ出力した結果をもらうだけで、事業別の損益が把握できます。今まで3日掛かっていた作業が即日で完了するようになりました。月次決算の早期化にもつながっています。」
BBソフトサービス株式会社様では、すでに、事業単位での損益把握を実現しているが、今後はさらに、予算実績管理や損益分岐点分析など、複数の視点から経営分析を行っていきたいと考える。
「まだ、奉行V ERPの機能を活用しきれていない部分があるのでそれを是非役立てたいと考えています。当社CFOから経理部は単に数値を作るのではなく、経営層に対し迅速に数値を提供することで会社の羅針盤のような機能を持つ部門として活躍すべきだと常々言われています。進むべき方向を検討する上での指標となる数値を、奉行V ERPを活用することで提供していきたいと考えています。そのために、予算実績管理機能や損益分岐点分析、原価管理機能など、奉行V ERPに搭載されている機能をもっと活用していきたいですね。また、奉行V ERPの持つ機能の成長性や今後のIFRS対応についても期待しています。」(兒嶋様)
同社は、今後も事業の拡大と成長を目指し、モバイル分野にも力を注ぎながら、さらなるサービス提供を行っていく予定だ。
本例での導入製品はこちら
- 勘定奉行V ERP[個別原価管理編]
- セグメント管理オプション
- 固定資産奉行V ERP
- BACKUPオプション
会社概要
- 会社名
- BBソフトサービス株式会社
- 従業員数
- 145名
- 事業内容
- ブロードバンドを利用したコンシューマ・SOHO用アプリケーションサービス、オリジナルアプリケーションサービスの企画・開発、法人向けソフトウェアライセンス・アプリケーションサービス販売