導入事例
リスクモンスター株式会社
会計報告書の作成効率化、グループ連結決算の早期化を実現
- 所在地
- 東京都千代田区
- 従業員数
- 連結89名(2012年3月末現在)
- 売上高
- グループ連結24億円(2012年3月期)
同社では、当時利用していたERPのパフォーマンスに深刻な課題を抱えており、会計業務全般に支障をきたしていた。課題解決を目指し、新たな会計基盤として「奉行V ERP」を導入。日常業務をはじめ、月次や決算時の会計報告書作成を大幅に効率化した他、グループ連結決算の早期化、内部統制強化を実現した。
課題と効果
- 課題
- 日常業務の処理パフォーマンス改善。
- 月次決算・グループ連結決算の早期化。
- 会計報告書の作成業務の効率化。
- 効果
- 奉行V ERPの導入により、入力・検索・集計等のパフォーマンスを大幅改善。
- 決算業務を10営業日から6営業日に短縮し、決算早期化を実現。
- Excel加工を不要にし、従来と同一フォームの会計報告書をシステムから即時出力可能に。
導入前の課題と導入に至るまでの経緯
会計ERPの操作性やパフォーマンスの改善が急務に
- 管理ソリューション部
経理課 課長吉田 麻紀 氏 - 開発グループ
統括部長奥山 昌幸 氏
リスクモンスター株式会社は、インターネットを活用したASP方式による「与信管理アウトソーシングサービス企業」の先駆けとして2000年9月に誕生し、2005年3月にはJASDAQ(当時ヘラクレス)への株式上場を果たした。同社を親会社とするグループは現在6社を展開し、グループウェアの開発販売やBPOサービス、人材開発支援など、主に企業のバックオフィスに関連する数々の支援サービスを提供している。
同社には、当時、利用2年目となるERPシステムが導入されていたが、WEBベースであったためパフォーマンスや操作性に大きな課題があり、日常業務をはじめ、月次決算や会計報告書作成、グループ連結決算に至る会計業務全体に支障をきたしていた。
当時の状況について、管理ソリューション部 経理課 課長の吉田麻紀氏は次のように振り返る。
「当時のERPは、管理簿や勘定明細など様々な出力をそのまま使用できず、Excelによる加工と管理が必要な業務が多くありました。入力・検索・集計など全般的にパフォーマンスや操作性が非常に悪く、日常的にストレスを感じていました。決算を1日でも早く締めたいという思いがありましたが、システムがうまく機能せず、月次決算では報告資料を作り上げるところまでを含めると10営業日かかっている状況でした。」
このような中、システムの入れ替えを本格的に検討するきっかけが訪れる。開発グループ統括部長の奥山 昌幸氏は次のように語る。
「顧客会員を管理するため、当時のERPには桁数変更のカスタマイズを加えていました。2009年の税制改正時にシステムの対応が必要となりましたが、カスタマイズが原因でバージョンアップが行えないという問題が起こりました。結局、導入時とほぼ同等の費用が掛かることがわかり、それであれば、現状の問題も解決できる新しいシステムに入れ替えようということになったのです。」
こうして、パフォーマンス改善を中心とした会計業務の課題解決を目指し、新たな会計基盤の検討を開始することとなった。
選定ポイント
日本の経理業務のスタンダードである奉行V ERP
日常業務の効率性や安心感が決め手に
システムの選定に際しては、導入範囲を会計、債権債務管理、経費精算ワークフロー、固定資産管理とし、奉行V ERPの他に、海外大手ERPを含む3社で比較検討を行った。選定時のポイントについて、吉田氏は次のように語る。
「それぞれどのシステムも要件を満たしており、パフォーマンスの課題も解決ができました。1社はシステム要件として挙げていた未承認伝票の集計が追加オプションでの対応でしたのでコストが見合わず、最終的には2社で比較検討を行うことになりました。
将来的に、グループ企業の海外展開を見据えた時、海外製ERPの方が良いのではないかとも考えましたが、奉行V ERPは日本の経理業務のスタンダードですので、日々の業務の効率性や安心感を考えると、やはり一番使い易いと感じました。」
約3か月に及ぶ検討の結果、同社では新しい会計基盤として奉行V ERPの導入を決定した。
システム概要
リスクモンスター株式会社では、展開する事業ごとの正確な原価管理と採算性把握を実現するため、会計のコアシステムにはプロジェクト原価管理が可能な「勘定奉行V ERP[個別原価管理編]」を導入。債権債務管理の実現に「債権管理オプション」「債務管理オプション」を、会計報告書作成の効率化実現に「管理会計オプション」を追加。また、経費精算ワークフローシステムや業務システムからは仕訳データを自動連携している。
- 奉行V ERPの導入により日常業務の処理パフォーマンスを大幅に改善
- 事業サービスごとに異なる複数の業務システムとの仕訳データ自動連携を実現
- 経費精算ワークフローとの経費情報・回収異常情報の自動データ連携を実現
- 業務処理パフォーマンスの改善と、「管理会計オプション」による会計報告書作成の効率化により、決算締め業務が10営業日から6営業日に短縮し、大幅な決算早期化を実現
- 「管理会計オプション」を利用することで、会計報告書作成のためのExcel加工業務を無くし、以前と同一フォームの報告書を即時出力可能に
- 部署別の予算実績管理の実現により進捗管理や採算性把握が可能に
- 取り出しやすく見やすいログ管理の実現により、監査法人へのIT統制報告作成業務を効率化させ、内部統制の強化を実現
導入効果と今後の展望
月次の会計報告書作成スピードを大幅に短縮
決算早期化を実現し、会議の開催日も前倒しに
- 開発ソリューション部
開発第1課 課長有井 次郎 氏
決算早期化を実現し、会議の開催日も前倒しに
導入決定から半年後の3月、全てのシステムが本稼働を開始した。課題であった処理パフォーマンスや操作性については大幅に改善できた。
「奉行V ERPは操作性や検索性が良いので、担当者がシステムに慣れるのも早かったと思います。なによりレスポンスが非常に良くなったので、システムへのストレスが無くなりました。」(吉田氏)
また、導入後は、特に月次の会計報告書作成にかかるスピードが大幅に短縮し、月次決算の早期化を実現した。その効果について吉田氏は次のように評価する。
「奉行V ERPを導入したことで、レポーティング周りが非常に早くなりました。奉行V ERPから出るレポートは一切Excel加工することなく、そのまま使用して取締役会に報告を行っています。 現在では、決算の速報値であれば6営業日以内で出せるようになりました。様々なレポートの作成と出力までを含めても7営業日には必ず終わります。
実は、レポート自体は今までExcelで加工していたものを奉行V ERPで自動出力できるようにしただけなので、見た目そのものは以前から全く変わってはいないのですが、報告に至る日数が全く違うのです。実際、会議を行う日程が3日も早くなりました。」
また、開発ソリューション部 開発第1課 課長の有井次郎氏は、グループにおける連結決算早期化への効果について次のように続ける。
「拠点やグループ企業をネットワークでつないだことで、リアルタイムに子会社の数字が確認できるようになり、連結決算の業務が大きく変わり非常に効率化されました。今は、多角化のための拡張に対してもスムーズに対応できる基盤ができています。」
今後はサービス毎の管理性を高めていく
最後に同社の今後の展望について奥山氏に伺った。
「これまで当社のサービスは、ひとつのサーバー上で動く同一プログラムをマルチテナントとして提供していましたが、今期からは新たな取り組みとして、お客様ごとのニーズ合わせ、カスタマイズを加えたサービスを提供しはじめています。今後は、基本的なサービスの付加価値を高め、より顧客満足度の高いものを提供していこうと考えています。
そうなると個別の収益性がより重要となってきます。 今回、奉行V ERPの導入によって会計基盤が整いましたので、次はプロジェクトごとの管理性を高めていきたいと考えています。」
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会社概要
- 会社名
- リスクモンスター株式会社
- 従業員数
- 連結89名(2012年3月末現在)
- 資本金
- 1,107,428,191円(2012年3月末日現在)
- 事業内容
- 与信管理ASPサービス事業 および 関連コンサルティング事業
営業支援、人事・総務系サービス、デジタルデータ化サービス等の各種BPO事業 - 売上高
- グループ連結24億円(2012年3月期)
- 上場市場
- 大阪証券取引所「JASDAQ」(証券コード:3768)
- 本社住所
- 東京都千代田区大手町
- URL
- http://www.riskmonster.co.jp/