導入事例
福井県民生活協同組合
多様な業種業態・雇用区分に対応し、勤怠管理のスピード化を実現
- 所在地
- 福井県福井市
- 従業員数
- 837人(正規218人、定時619人)
- 売上高
- 208億3,921万円
課題と効果
- 課題
- 業種業態ごと、雇用区分ごとに異なる勤務体系が管理できないため、勤怠管理に手間と負担がかかっていた
- 管理資料の集計や加工に手間がかかっていた
- 効果
- 奉行V ERPの導入により勤怠管理の効率化とスピード化を実現
- 奉行V ERPから出力できる帳票をそのまま利用できるため、帳票の加工業務全体を無くすことができた
導入前の課題と導入に至るまでの経緯
多様な業種業態、雇用区分で異なる
勤務体系や手当計算の効率化を目指す
- 管理部
人財教育 係長清水 貢 氏
福井県民生活協同組合様は、宅配サービス「たんぽぽ便」の他、生協のお店「ハーツ」の店舗や、高齢者介護施設、子育て支援施設運営など、地域に根付いた事業展開により成長を続けてきた。現在、配送センターや店舗施設、本部センターを合わせると事業所は30拠点、従業員は1400名にのぼる。
創立35年を迎えた2013年には県内世帯加入率は50%を超え、益々地域に欠かせない存在となっている。
新たに人事給与システムの刷新に取り掛かったのが2010年、事業の拡大により多様化する勤務形態に対応し、就業管理業務を効率化することを目的にプロジェクトが開始した。
当時抱えていた就業管理の課題について、管理部 係長の清水氏は次のように振り返る。
「事業ごとに多様な職種があり、その中でも雇用区分が細かく分かれています。具体的には、正規職員の他に、有期雇用契約のキャリア職員、パート職員、高齢者職員、アルバイト職員、その他に福祉施設ではヘルパー職員がいます。
これらの職種と雇用区分の組み合わせによって、勤務形態や付与する手当が全て異なるのですが、従来のシステムでは多様化する勤務形態に対応しきれない為、各自が勤怠を入力した後、正しい勤務時間になるように所属長が都度手修正を行う必要がありました。」
例えば、夜間に加工品をつくり、朝に店舗に納品する仕事(パックセンター機能)が新たに増えたものの、従来の仕組みでは日付変更(勤務時間が日をまたぐ)に対応しておらず、勤怠管理に支障をきたしていた。
また、福祉事業においても事業が拡大し、日付変更等の修正業務が管理者の大きな負担となっていた。
そのような日常的なシステム課題を抱える中、就業管理システムのセミナーに参加したことがきっかけとなり、同社の複雑な勤務形態にも対応できる、新たなシステム基盤構築の検討を開始することとなった。
選定ポイント
勤怠管理の効率化だけに留まらない、導入後の人事労務基盤の活用展開が決め手に
プロジェクトの開始にあたっては、所属長など各部門の代表者を集め、まずは就業管理の仕組みの改善に向けた取り組みから着手した。
新たな人事労務システムの選定に際しては、5社に対して合同の説明会を行い、要件定義書を提供。そこから候補を絞り込みながら、約1年半の検討を行った。
最終的に奉行V ERPを選定したポイントについて清水氏は次のように振り返る。
「5社から2社へと候補を絞る段階では、問題点を解消できるかどうかの機能面や、操作性、コストがポイントとなりました。最終的に、奉行V ERPに決める判断の決め手となったのは、人事労務管理全体に対する将来の展開提案でした。
当初、就業管理に特化して検討を行っていましたが、奉行シリーズであれば、単に勤怠を給与計算に反映させるだけではなく、システムを利用したさらなる人事情報活用も可能だという提案をもらい、導入後の展開についても意識するようになりました。
現在、プロジェクトでは、職員版CRMシステムの構築に向けた論議を進めています。教育履歴や異動歴などの職員情報を、WEBインターフェースを通じて管理者等が把握し、人財育成などに活用していきたいという展望があります。
実際のところ、機能的な差は最終の2社ではほとんどありませんでしたが、このような将来の展望や展開を含めた提案が、システムを選定する上での大きな決め手となりました。」
システム概要
- 業種業態と雇用区分ごとに分かれる複雑な勤務体系の管理を実現
- 夜間勤務や連続勤務、複雑な日替わりについても正確な就業管理を実現
- 15分単位で分かれる勤務体系の管理を実現
- 勤怠に関する各種管理帳票の出力を効率化
- 現場での勤怠申請や確認業務のスピード化を実現
- 休日出勤の振替取得状況が確認できる集計を一部カスタマイズで追加
導入効果と今後の展望
勤怠確定までのスピード化を実現
導入決定から約半年後の10月、現場のテスト入力など1か月間の並行稼働を行った後、奉行V ERPが本稼働を迎えた。従来のシステムから一部入力規則を変更した部分はあったが、現場の混乱もなくスムーズに利用を開始することができた。
奉行V ERPの導入効果について清水氏は次にように話す。
「現場では、勤怠集計や確認の負担が減り、勤怠確定までのスピード化も実現できました。本社で行う業務面では、月次や週次で現場にお知らせするための管理資料がそのまま出力できるようになりましたので、業務の効率化が進み、情報を出すスピードが向上しています。今まではいくつもの資料を収集し、加工を行った上で公開する必要がありましたが、これらの加工業務全てを無くすことができています。」
清水氏に、同社の今後の展望を次のようにお話しいただいた。
「当社は、部署名にも『人財教育』と表記しているように、人を大切な財産として捉えて活動しています。職員一人一人が、資格取得や研修の受講など、自己成長のための取り組みを自発的に考えて欲しいという想いがありますし、また、現場の所属長が、部下の資格情報や研修履歴を把握し、成長のための取り組みを進めていけるような環境を構築したいと考えています。それが、職員版CRMシステムの構想でもあります。そのためにも、今回導入した奉行V ERPを、さらなる人事管理の仕組みへと展開していきたいと考えています。」
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会社概要
- 企業名
- 福井県民生活協同組合
- 所在地
- 福井県福井市
- 職員数
- 837人(正規218人、定時619人)
- 事業高
- 208億3,921万円
- 事業内容
- 宅配・店舗等による物販事業、介護サービス、子育てサービス
- 事業所
- 無店舗配送センター4、店舗7、高齢者介護施設12、子育て支援施設6、本部センター(2014年4月末現在)