IPO Forum ― 2018年、46社が上場承認に至らず。IPO審査で、何が起きているのか? -

開催日時
2019年11月11日(月) 14:00~17:00/東京
レポート資料
セミナー概要
IPO審査の現状と“N-4期からのRoadmapで示すIPO準備”とは。
公認会計士・税理士・IPOコンサルタント・弁護士・社会保険労務士・証券印刷会社など、IPO支援のプロフェッショナルが一堂に会し、パネルディスカッション形式で解説します。
セミナー総括
第1部 【Talk Session1】    
「審査の厳格化」の真相に迫る!
IPO Forum 第一部写真
[セッション講師]
株式会社タスク 代表取締役社長 竹山 徹弥氏
宝印刷株式会社 常務執行役員/企業成長支援部長 大村 法生氏
株式会社タスク 専務執行役員 河野 真宏氏


“内部管理体制”ひと口にいっても実態は様々。審査ストップの事例を基に解説。


社長の暴走、止められますか?
昨今注目のテーマ。「社長の一存」で重要な事項が決まってしまうような状態になっていないか?
まずは稟議規程、職務権限規程などの体制構築を行い、たとえ経営者であっても、その規程に則るよう、実質的な牽制が機能するようにする必要がある。

子会社も「内部」管理の対象。
審査上、内部管理体制が問われる大きな論点の一つである、子会社管理。多くの企業で、買ってきた会社だから、と「内部」という意識がないことがある。特に、海外子会社が問題になるケースがある。
地理的な距離や言語の壁、現地の慣習に対する遠慮などにより、ガバナンスが行き届いていないと、表向きの業績がよくても、思わぬタイミングで不適切会計などの不祥事が明るみに出ることがある。

◆ 監査等委員会では常勤監査役を設置しなくてもよいが、IPO審査への影響は?
2019年上場会社では、監査役会を設置している会社が75% 監査等委員会設置会社が25%であった。
常勤の監査等委員の設置は会社法において義務ではないが、常勤の監査等委員がいない会社は無かった。(2019年11月11日セミナー時点)
監査等委員会だからということで、審査上問題となることはないが、日ごろの監査をどのような人員配置で行うのか、構成を考える必要がある。

◆ その他のトピック
・反社会的勢力排除規程
・監査法人が契約を嫌がる企業とは?
・事業ごとの予実が乖離したが、全社ベースでは一致。予算の修正は必要?
ほか

Talk Sessionを一部公開!

社長がスポーツカーはNG?注目高まる「オーナー経営者に対する牽制」 

承認が下りなかった理由として、内部管理体制にかかる事案が多かったと記載があるが、気になるのが「オーナー経営者に対する牽制体制」というところです。
言うこと聞きたくないからこそ経営者、という方もいそうですが?
 
竹山氏
宝印刷株式会社 常務執行役員/企業成長支援部長 大村 法生氏大村氏
実は去年から今年にかけて、注目が高まっているのは、オーナー経営者に対する牽制体制についてなんです。
これで承認が下りなかったケースは一定数あります。
河野さん聞いたことありますか?
 
株式会社タスク 代表取締役社長 竹山 徹弥氏竹山氏
株式会社タスク 専務執行役員 河野 真宏氏河野氏
オーナー経営者の問題で審査が止まってしまった事例はあるようです。一口に言っても内容は会社によってかなり多様です。
たとえば、交際費の事前承認が徹底されていなかったり、通常の決裁ルートと異なる決裁がされていたりということです。
宝印刷株式会社 常務執行役員/企業成長支援部長 大村 法生氏大村氏
これまであまり、そういったことが問題になるケースはありませんでしたが、創業者を含めたオーナー経営者に対する牽制を、取引所が強く意識しているということが背景にあります。
センチュリーはダメだけどレクサスはいいとかありますか?(笑)
 
株式会社タスク 代表取締役社長 竹山 徹弥氏竹山氏
宝印刷株式会社 常務執行役員/企業成長支援部長 大村 法生氏大村氏
プライベートマネーであればどんな車でも問題ないと思いますが、会社のお金で購入した車場合、車種まで聞かれることはあるようですね。ツーシーターのスポーツカーなどは相応しくないと判断されるでしょう。
取締役会の議事録などから、監査役が社長を牽制するよう機能しているか、見られたりすることもあると聞きました。
 
株式会社タスク 代表取締役社長 竹山 徹弥氏竹山氏
株式会社タスク 専務執行役員 河野 真宏氏河野氏
きっかけは交際費でも、経営者としての資質に疑いをもたれると、様々な点を厳しくみられることになります。
稟議規程や職務権限規程で事前に申請すると定めたのなら、社長もその規程に従うということを徹底すべきですね。
宝印刷株式会社 常務執行役員/企業成長支援部長 大村 法生氏大村氏
昨今の審査では、形式よりも実質を見る向きがあります。監査役会を設置すればいいというものではなく、あり方はどうあれ、実質的にきちんと監査などの牽制が機能していることが重要です。

第2部 【Talk Session2】IPO Roadmap で解説!
IPOを実現するために今何をすべきか
IPO Forum 第二部写真

[セッション講師]
宝印刷株式会社 常務執行役員/企業成長支援部長 大村 法生氏
TMI総合法律事務所 パートナー弁護士 高野 大滋郎氏
アイ社会保険労務士法人 代表社員/社会保険労務士 土屋 信彦氏
あいわ税理士法人 パートナー/公認会計士/税理士 土屋 憲氏


対処すべき事項も、外部関係者も多いIPO準備。どのタイミングで何をすべきか。IPO Roadmapに沿って解説!


期越え上場も多数。業績確認慎重に
申請期の期末付近に上場が集中したり、期を越えた「期越え上場」が多くなっている。理由は、上場直後の下方修正などが過去あったことなどから、予算に対しての業績を慎重にチェックされるようになったためである。 重要なのは、予算にぴったり合わせるということではなく、合理的根拠に基づいて予算の修正を行うことができることである。 IPO Roadmapでは、N-3期初から、体系的な経営計画に基づく予算策定などを行うとしている。

◆ 変わらず重視される労務コンプライアンス対策
近年、審査の中で特に重要さを増している労務項目。未払い賃金の精算が最重要であることは変わりないが、近年、労働時間管理については過重労働対策という意味合いも加わり、いっそう厳しく。IPO準備において、7割程度の企業で労務関連の問題が見つかる。
そのほか、
・定額残業代を採用している場合も労働時間管理が必要?
・民法改正で消滅時効が5年になることによる影響は?等。

景表法、下請法 etc… 思わぬところで抵触も
幅広い企業が関わる景品表示法は、インターネット上の広告などで抵触してしまうケースがある。これ以外にも、下請法で審査がストップする事例も。資本金規模で対象となるかどうかが変わるため、資金調達などで気づかぬうちに親事業者になっている場合がある。 ただし、特定の法令ではなく、法務コンプライアンス全体への意識への高まりが背景であるため、ビジネスそのものの法規制についても厳格に見られる。
資金移動を扱うアプリなどの事業では資金決済法、個人情報を多く扱う事業であれば、個人情報保護法など。法律に違反すると、社名が公表され、課徴金が課されることもある。 また、上場準備中に法令順守状況の調査が入り、結果が出るまでの間には、上場申請を行うことが困難になる。
まずは関係のある法令の洗い出しを早めに行う必要がある。

監査法人・証券会社の契約は厳しい目線
監査不祥事に対する金融庁からの厳しい指摘が増えたことや、監査法人の人手不足などにより、IPOの確度が高く、手間のかからない、リスクの少ない企業を監査法人が選ぶ時代に。 一時に比べれば、監査法人も新規の契約を行うようになってきているが、一方で内部管理体制が構築されていなかったり、上場の確度が低い場合には、契約を解除されてしまうことも。

景表法、下請法 etc… 思わぬところで抵触も
・証券審査に通らなかった場合、理由は教えてもらえる?
・反社会的勢力等・反市場勢力等への対策
・関連当事者“等”の範囲、どこまでかわかりますか?
ほか
ご来場特典
(1)「IPO Roadmap」

IPOまでに必要な事項を細かく、タイムスケジュール形式で記載されており、IPO準備にかかる費用についても項目ごとに記載があり、詳細ながら一目でIPOへの道筋がすべて把握可能な表。
「IPOへの時間軸が理解できた」
「現段階の自社の位置がある程度つかめた」
などのお声多数!

(2)審査質問事例集サンプル版

今回から特典となった、審査質問事例集サンプル版。内部通報相談窓口の利用実績から、勤怠管理情報まで、テーマも粒度も異なる質問が多数。
開催結果
200名以上の方がご来場、99%の方にご好評いただきました!



▼ご来場いただいた企業様の売上高分布

60%の方が、売上高 20億円未満
売上高は「5億円以上~20億円未満」との回答が最多でした。ベンチャー企業やスタートアップ企業の方に多くお越しいただきました。

▼ご来場いただいた企業様のIPO準備状況分布

3年以上先のIPOを見据えた企業の方が8割超
IPO準備状況は、「3年内」が最も多く、「5年内」が続く形となりました。


◎ アンケートでいただいたご意見・ご感想
「審査ストップの具体的事例が多数あり、非常に参考になった。」
「IPOの全体像が見えた。様々な専門家の意見が聞けてよかった。」
「オフレコな話、体験談などが勉強になった。
 詳細な情報にまで踏み込んだセミナーでした」

スタッフ後記
4月以来の開催でしたが、前回を100名ほど上回るお申し込みをいただきました。お申し込みが絶えることがなく、当日は会場に椅子を一生懸命追加しました。 実際に審査に直接かかわっている方々ならではの、生々しいお話が多数ありました。内部管理体制が重要であることは変わりませんが、前回からの半年間でも、審査上論点になる箇所には変化があることを感じました。今後もIPO審査の「今」を発信していきます。(記 IPO Compass編集部)
講師紹介
宝印刷株式会社 常務執行役員/企業成長支援部長 大村 法生氏
宝印刷株式会社 常務執行役員/企業成長支援部長 大村 法生氏
1986年に東京大学法学部を卒業後、野村證券株式会社に入社。20年以上にわたりIPO関連業務に携わる。2005年に公開引受部次長、2011年から同部東京エリアヘッドを歴任。2018年に宝印刷株式会社に入社。常勤顧問に就任。同年7月より現職。
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株式会社タスク 代表取締役社長 竹山 徹弥氏
株式会社タスク 代表取締役社長 竹山 徹弥氏
1973年、アメリカ・ニューヨーク州生まれ。2003年に㈱タスクに参加し、2008年に取締役事業部長、2010年に常務取締役、2011年に専務取締役を経て2014年より現職。現在ではAIプロファイリング事業など新たな情報社会に向けたサービス展開を軸に7つの事業を統括する。著書に「経営者のためのIPOバイブル」等。
株式会社タスク ホームページ
あいわ税理士法人 パートナー/公認会計士/税理士 土屋 憲氏
あいわ税理士法人 パートナー/公認会計士/税理士 土屋 憲氏
1999年より、監査法人業界にて上場会社の監査や株式上場支援業務に従事。金融機関への出向なども経験し、2015年にあいわ税理士法人に入所し現在に至る。株式上場に関連するセミナー講師多数。「株式上場マニュアル」(税務研究会)、「ケーススタディ・データ分析による資本政策の実務」(税務研究会)などを執筆。
あいわ税理士法人 ホームページ
あいわ税理士法人 代表社員 杉山 康弘氏
あいわ税理士法人 代表社員 杉山 康弘氏
1995年大手会計事務所入社。2000年税理士登録。2005年あいわ税理士法人入社。
現在、上場準備企業への資本政策立案コンサルティングや各種上場準備支援業務に多数従事するほか、M&A関連業務や海外進出企業への税務コンサルティング業務にも精通。
2018年約100社の資本政策立案に関与。
あいわ税理士法人 ホームページ
株式会社タスク 専務執行役員 河野 真宏氏
株式会社タスク 専務執行役員 河野 真宏氏
2006年に(株)タスクに参画後、IPO関連のコンサルティングに実務家として幅広く従事。大型IPO案件や特設注意市場銘柄解除コンサルティングのプロジェクトリーダーを歴任。また宝印刷主催のIPOセミナーを始めとして各種セミナーの講師を務める。2017年に常務執行役員に、2018年に専務執行役員に就任。現在では、IPO支援事業、内部統制構築支援事業、人材流動化支援事業の3つの事業を管掌。
株式会社タスク ホームページ
TMI総合法律事務所 パートナー弁護士 高野 大滋郎氏
TMI総合法律事務所 パートナー弁護士 高野 大滋郎氏
2005年弁護士登録。2015年ニューヨーク州弁護士資格を取得。主な取扱分野は訴訟、上場会社法務、IPO、事業再生等。現在、大手証券会社の引受審査部門に対して法的アドバイスを提供するほか、上場申請会社の法務顧問を務めるなど、IPO実務に従事している。
TMI総合法律事務所 ホームページ
アイ社会保険労務士法人 代表社員/社会保険労務士 土屋 信彦氏
アイ社会保険労務士法人 代表社員/社会保険労務士 土屋 信彦氏
得意分野はIPOやM&A及びリスク対応にかかわる労務監査や就業規則整備。
証券会社、税理士会、宅建業協会、異業種交流会等でのセミナー多数。
埼玉県社会保険労務士会理事、社会保険労務士会川口支部副支部長等を歴任。名南経営LCG会員。上場実務研究士業会会員。
人事担当者向け情報が充実!詳しくはホームページをご覧ください。
アイ社会保険労務士法人 ホームページ
※掲載している情報は記事更新時点のものです。
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