クラウド型ERPの導入で部分最適から全体最適へ。 上場経験者が奉行クラウドを選んだ理由とは?

上場を目指す建設テックのクラッソーネ。上場に耐えうるシステムとは?なぜクラウドERPを条件にしたのか?上場経験もある総務経理部CAO・森智也氏が奉行クラウド選定の理由を語る
更新:2022年6月30日
「豊かな暮らしで人々を笑顔に」をミッションに掲げ、解体工事・外構(エクステリア)工事のマッチングプラットフォームを提供するクラッソーネ。2011年に創業し、現在は数年先のIPOを目指して企業規模拡大と管理体制の構築を両輪で進めている。

そんな同社が上場を見据えて2021年に導入したシステムが「奉行クラウド」。
導入を指揮された同社の総務経理部CAO・森智也氏は、前職での上場体験からIPOに耐えうるシステムとして奉行クラウドを選定した。
森氏がIPOを見据えてシステムに期待したことは何か。導入により同社にどのような変化が起こっているのか。

株式会社クラッソ―ネ 総務経理部CAO・森 智也氏(写真左)と総務・林 幸恵氏に聞いた。(写真右)
・上場に向けての課題
①上場企業レベルの管理会計と予実管理
以前利用のクラウド会計システムにおける管理会計機能では上場企業レベルに足らなかった。過去の上場経験から、なるべく早いタイミングで管理会計体制を構築する必要があると感じていた。

②部分最適のクラウドシステムをクラウドERPで全体最適に
部署ごと、業務ごとにシステム選定を行なった結果、基幹システムがばらばらになっており、データ連携が煩雑だった。
以前利用していたクラウドシステムではシステム間でAPI連携してはいるが、完全でなくマスタの更新が必要なため抜け漏れの懸念があった。
  • ※本コラムは、2021年10月2日時点の記事です。2022年4月4日より新市場区分(東京証券取引所:プライム・スタンダード・グロース)に再編されています。旧市場名は新市場名に読み替えてご覧ください。

上場を目指すクラッソーネ、上場経験者が見る一番の魅力は “人”

-クラッソーネ様の事業内容を教えてください。
森様)当社は、“豊かな暮らしで人々を笑顔に”をミッションとし、解体・エクステリア(外構)工事の領域で、施主と工事会社を直接つなぐ、マッチングプラットフォームを展開しています。
建設業界では「情報の非対称性」(施主側に工事会社の情報や工事に関する知識が無く選択が困難)と「建設業界のデジタル化の遅れ」という2つの問題により、「どこに相談していいかわからない」というお悩みが存在します。
当社のマッチングプラットフォーム「クラッソーネ」及び「クラッソーネエクステリア」をご活用いただくことで、消費者と工事会社の双方にとって満足する出会いを創出しています。

▲クラッソーネが提供するサービスとターゲット(クラッソーネ・クラッソーネエクステリア)
▲クラッソーネが提供するサービスとターゲット(クラッソーネ・クラッソーネエクステリア)

-上場企業で上場フェーズを経験された森様がクラッソーネにジョインされた理由は?
森様)私は、2018年に当社にジョインし総務・経理周り全般を担当しています。
以前は東証一部上場企業で総務や人事労務を担当していまして、JASDAQ・東証2部・東証1部への上場を経験しました。人生の転機が訪れ、転職を考えていたところでタイミングよく出会ったのが当社です。ジョインした理由は、上場を目指しているということで自身の経験が活かせると考えたこともありますが、それ以上に「人が良かった」からです。また、未経験の経理を任せられるということで、いい意味でチャレンジングな社風にも好感をもちました。

前職は、いわゆる昭和社風の会社で、他部署との利害関係や立場などWETな関係があるなかで仕事をしていくために苦労しました。そのなかで、自分が判断に困るときでも、経営理念(ビジョン)に立ち返ることで、皆が納得感を持ち仕事を進めることができるという経験をなんども経験しました。特に、全社施策を実施する間接部門では、なぜその施策を実施するのかを他部門に理解して進める必要がありますので、社内の共通理念で一本筋が通ることは非常に大事です。

クラッソーネはベンチャー企業ながらもMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)がしっかりと言語化されており、社内でのプライオリティも高く位置付けられています。そしてそのMVVがしっかりと社内に浸透しています。
社内に浸透している一つの要因が「Good and New」という制度です。
これは神田昌典氏の著書「成功者の告白」に「チームづくりの土台をつくる手法」として紹介されていた方法で、週に2回・15分ほど、社長や役員、全てのクルー(当社では社員のことをクルーと呼びます)が参加して雑談をします(現在はオンライン開催)。
当社社長の川口が創業時から信念をもって続けており、オープンでフラットな人間関係と互いに助け合う社風が醸成されていると感じます。

Good and Newの様子(現在はオンライン開催)
▲Good and Newの様子(現在はオンライン開催)

私はこれまでに複数社を経験していますが、クラッソーネが最もセクショナリズムを感じない会社です。フラットで風通しが良い、つまり人が良い、これが参画の最も大きな理由ですね。

上場を見据えてシステムリプレイスを検討、クラウドERPのカテゴリでは奉行クラウドが最先端だった

-上場に向けて解決すべき課題は?
森様)管理会計と予実管理ですね。
上場準備も上場してからも、求められるのは正確で迅速な業績開示です。
そのためには、ただ決算書が固まるということではなく、管理会計で自社に必要なKPIを常に追っていくこと、予実管理で進捗状況を細かく管理し、問題や解決すべき課題を、数字上からタイムリーに探り出すことが求められます。

前職で上場を経験し、その後上場企業として適時開示をしてきた経験から、以前利用していたクラウドシステムでは、必要なパラメータが設定できない、そもそもIPOを見据えたシステムになっていない等、上場企業として必要な要素が実現できないと感じていました。

-クラウドERPが絶対条件だったと聞いています。その理由は?
森様)まずクラウドという条件についてですが、私自身が過去、複数社で人事労務、会計、ERPシステムの導入に関わる機会があったのですが、近年は様々なサービスがクラウド化されており、クラウド化が時代の流れと感じていました。イニシャルコスト、ランニングコストを勘案するとやはり、オンプレミスやホスティングは合理的でないと考えていたことが大きいです。例えば過去ホスティングサービスを利用していた際は、サーバー再起動を都度管理会社に依頼したり、メンテナンスのために大阪から東京に出張したりしており、非常に面倒だったことを今でも覚えています。また資産管理の面でも今後サーバーを所有するという考えはなかったことからクラウドを希望していました。

ERPについては各部署が、部分最適で自部署が使いやすいシステム選定をした結果、システム間でのデータ連携の際に様々な非合理的な問題を経験しており全体最適を考えるとERPでの導入が必須だと考えていました。
最近の人事労務や会計のSaaSサービスは、一つ一つのシステムは非常に使い勝手が良かったのですが、あるシステムのマスタを変更すると他のシステムのマスタも変更しなければならないなど、自動的に連携しないことによる手間は相当なものでした。

株式会社クラッソ―ネ 総務経理部CAO・森 智也氏
▲株式会社クラッソ―ネ 総務経理部CAO・森 智也氏

林様)特に給与・人事系のシステムはマスタ情報が多く複雑ですが、給与と勤怠、人事システムがすべてバラバラで、マスタの更新作業には非常に時間がかかっていました。必要な書類も各システム上にあるので、Google Driveにまとめて管理しており、各システムからGoogle Driveに保存することもかなり面倒でした。

森様)内部統制上もERPでの導入は必要だと考えていたところ、目に留まったのが「奉行クラウド」でした。ERPと言えばオンプレミス製品というイメージがまだありますが、早い段階でクラウドERPを実現していたこと、管理会計と予実管理についてもかゆいところに手が届く細やかな機能で課題を解決することができると感じました。他社システムとも比較しましたが、最先端だと思いましたね。
会社がベンチャーということもあり、資金調達後に、全社システムを導入する予定で事前にリサーチし準備していましたが、OBC営業担当の山田様のご尽力とクラウドERPのため想定よりも費用は押さえられ、コストパフォーマンスの良さも決め手の一つとなりました。

2021年1月、奉行クラウド導入。その効果は?

-管理会計・予実管理の課題に効果、マスタ更新作業からの解放
森様)導入して数か月が経ちましたが、管理会計・予実管理の課題に関しては目に見える効果が出ています。
勘定奉行クラウドは部門単位だけでなく、部門を集約する部門グループの作成が出来ます。今まではExcelにいったん出力し集計作業を行っていましたが、それをシステム上で完結させることが出来るようになりました。分析したい角度で月次推移や昨対の資料をボタン一つで出力することができるため、迅速な意思決定に役立っています。

林様)マスタが統合されたことで、これまでの各システムのマスタ更新作業から解放されました。ワークフローがしっかりしているので、決められたとおりに業務を進めていけば労務手続きも一発でできます。
電子申請など、今までは各システムから必要な書類を集めてe-Gov経由で申請していましたが、奉行クラウドにデータが集約されているので、奉行クラウド経由で簡単に申請が出来るようになりました。

森様)上場に向けて事業が拡大していく中で、やることは山ほどあります。クルーの数も増えています。そんな中でも奉行クラウドを使えば、バックオフィス業務の人数や時間を増やさずに対応ができ、生産的な活動に費やせると考えています。

-導入から運用まで各システム当たり実質1か月で完了
森様)勘定奉行クラウドをはじめ6製品を同時期に導入しましたが、勘定奉行クラウドと給与奉行クラウドは私一人でデータ移行から導入処理を完了させることができました。
奉行Edge勤怠管理クラウドに関しても、OBCのインストラクターにご指導いただき移行することができました。
過去システムの入れ替えを何度も経験しているため、各システム当たりで、実質1か月で運用することができ、導入は想定よりも簡単だったと言えますね。

-手厚いサポート体制、困ったときはやはり電話
森様)導入後に不明点があった場合、OBCでは電話・リモートサポート・メール・Web・チャットといった複数の種類のサポート体制を整えてくれていますので、緊急度に応じて活用することができます。緊急性が高いときはやはり電話ですね。

林様)丁寧なサポートに導入当初は本当に助けられました。希望通りの運用が実現できない場合でも必ず代替案を検討してくださるなど、真摯な姿勢もありがたかったです。またリモートサポートでは私の画面を一緒に見て、操作方法を案内してもらうこともできます。これはわかりやすいですし、解決までが早くてとても助かります。こういったきめ細かいサポートには感謝しています。

クラッソーネ執務スペース、現在はフルリモート
▲クラッソーネ執務スペース、現在はフルリモート

上場を目指して急成長するクラッソーネ、生産性の高いバックオフィスと全体最適を実現

-上場に向けての展望、システムの活用について教えてください
森様)当社は数年先に上場を目指しています。当社のCTO松本もよく言っていますが、上場を実現して世の中のボトルネックを無くし、スループットを上げて非合理を合理化したいと考えています。

私の立場としては、会計をゴールとした全体最適を引き続き考えていきたいですね。上場企業は業績の適時開示が求められ、決算情報が期間内に固まり有価証券報告書の形で提出できなければなりません。つまり、会計をゴールにすべてのデータがスムーズに正確に連携してこなければならないのです。
現時点ではまだシステムが部分最適になってしまっているところがあります。全体最適を実現できるよう奉行シリーズのシリーズ拡充にも期待したいですね。
【導入モジュール】
勘定奉行クラウドi/総務人事奉行クラウドi/給与奉行クラウドi/労務管理電子化クラウド/給与明細電子化クラウド/勤怠管理クラウド/年末調整申告書クラウド

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導入企業情報
株式会社クラッソーネ
株式会社クラッソーネ
「豊かな暮らしで人々を笑顔に」をミッションに掲げ、解体工事・外構(エクステリア)工事に特化し、全国約3,000社の専門工事会社と施主をマッチングする一括見積もりWebサービス「くらそうね」「くらそうねエクステリア」を運営。株式会社クラッソーネ ホームページ

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