コロナ禍のインド
~インドの現状と企業体制維持及びガバナンス強化の秘訣~

開催情報
2020年6月10日(月) 14:00~15:00/Web
セミナー概要
新型コロナウイルス感染拡大でロックダウンが続くインド。現状と今後を現地駐在の会計士が語る
新型コロナウイルスとの激しい戦いが続くインド。モディ政権はロックダウンを延長していますが、いまだ収束の兆しは見えません。現地法人は今、どのような状況なのでしょうか?
最新状況と現地企業への影響、救済措置の詳細、さらに企業活動維持・ガバナンス強化手法をインド現地から語りました。
セミナー総括
1.コロナ禍のインド、現状は?
インドでは2020年3月25日に感染者469名、死者10名の状況でロックダウンを開始しました。比較的早い段階でロックダウンに踏み切ったのですが、2020年6月8日現在も感染者数は増え続けています。当社の事務所があるGurugram市でも、5月下旬から陽性者数が急増し、収束の兆しは見えていません。

しかし、6月8日にはレストランやショッピングモールが再開するなど規制緩和が始まり、経済は動き出しています。インドではこのような状況が続く可能性がありますので、フェースシールドやマスクで自分の身を守りつつ、withコロナに適応していかなければなりません。

フェースシールドで登場・フェアコンサルティングインド岩瀬氏
▲フェースシールドで登場したフェアコンサルティング インド 岩瀬氏
2.インド政府による経済支援策
中央政府による経済支援策や会社法・税制関連での対策などが講じられています。
たとえば、日系企業に関係のあるところでは以下があります。

<中央政府による経済支援策-中小企業の定義拡大と融資枠拡大>
・MSME(Micro, Small and Medium Enterprise)と呼ばれる「中小企業」の定義を拡大
・MSMEへ3兆ルピー貸付、別途2,000億ルピーの貸付、及び、5,000億ルピー拡充支援

一番のメリットはMSMEの定義が拡大されたことでです。MSMEに含まれる企業は会社法や他の法令上メリットが大きいのですが、定義が狭く恩恵を受けることができる日系企業は多くありませんでした。しかしこの度の定義拡大にともない、対象となる日系企業は増えるでしょう。
貸付枠も拡大されているので、資金繰りの懸念がある場合は、融資を受けることができる可能性があります。ただし、貸付を受けるということは利息の支払いが発生するので、おすすめは親会社に増資してもらい、定期預金に入れておくことです。

<会社法関連-従業員給与の減額>
インドのロックダウンは3月末から突然始まりました。多くの企業ではテレワークの準備ができておらず、従業員が自宅待機せざるを得ない状況になっています。仕事ができない従業員の給与は、2020年5月18日以降の発生分は減額が認められると解されています。しかし3月24日以降から5月18日以前の給与減額は現在係争中の事案がありますので、減額には注意が必要です。

インドにおける会社法関連の緩和策
▲インドにおける会社法関連の緩和策
3.インドにおける今後の課題
徐々に経済が動き始めたインドですが、今後は以下の課題と向き合っていかなければなりません。

①キャッシュや売上の課題
②グループ管理の課題

このような危機的状況では、キャッシュがなければ何もできません。まずキャッシュを確保して売上のダウンをどこまでリカバーするかということ、そして日本本社からすると、子会社から会計データ等がタイムリーに上がってこないという従来からの課題にも向き合う時がきています。
課題解決のためには、自社内でしかできないことに注力し、外部でもできることはアウトソースするというように、これまで以上に生産性向上を加速していくことが重要です。

インド子会社における今後の課題
▲インド子会社における今後の課題。コロナ禍以前からの課題にも向き合う時が来ている。
4.コロナ禍がもたらす環境変化にどう対処していくべきか
世界27の直営拠点を持つ当社・フェアコンサルティンググループには以下のようなお問い合わせが全世界から寄せられます。

・各国補助金/救済措置
・外出制約下での労務、就業規則の見直し等
・内部監査等ガバナンス維持施策
・2020年3月期決算及び記帳業務の遅延
・撤退を含むリストラ施策

本セミナーのテーマであるように、コロナ禍ではっきりしたことは、「生産性の高い管理(ガバナンス・決算)体制の再構築」が急務となっているということです。
本日ご参加の方々も、現地に内部監査に行くことが出来なくて困っているという方が多くいらしゃいました。国外への移動は、年内は難しいとすでに判断している企業もいらっしゃいます。そのような状況で、ガバナンス体制を維持するためにはどうすべきでしょうか?
それには、以下2点が必要です。

・人が移動できないことを前提としたガバナンス体制の構築
・ボーダーレスな情報基盤の整備(デジタルトランスフォーメーション:DX)

人の移動を伴わないことは、今後は必然といえるでしょう。そして現地に管理人材がいなくともガバナンス強化を実現するためには「見られている意識」を現地に持ってもらうことが重要です。
上記2つのポイントを実現した事例を紹介します。
5.インドのガバナンス強化事例①アウトソースで管理人材不足解消と本社との連携を実現
自動車部品メーカーが販路拡大のためにインドに進出、現地に駐在したのは営業責任者だったため、管理人材が不足していました。しかし、現地採用での適切な管理人材確保は困難ということで当社で支援することになりました。
結果、管理人材不足の解消とともに、記帳業務から予実管理、分析など現地での管理機能の向上、そして言語の壁の解消も実現しました。

インド子会社におけるアウトソーシング事例
▲インド子会社におけるアウトソーシング事例

これまで当社では、管理業務全般をアウトソースしていただき、数年たつとノウハウを落とし込むために、そろそろ自計化しませんか?と提案してきました。しかし、今回のコロナ禍を機に自計化はもう古い価値観になったのではないかと感じています。

インドは他のアジア諸国に比べても不正・横領などのリスクが高く、管理機能も整っていません。距離が遠く、言語の壁もあるため、ガバナンスが効いていないにも関わらず、日本本社に関心を寄せてもらえないといった矛盾が発生することがあります。そのようなインド子会社においては、未曽有の危機に直面しても業務を止めないために、アウトソーシングがもっとも有効です。
6.インドのガバナンス強化事例②クラウド会計システム導入で業績と債権回収状況をタイムリーに把握
インドに進出して10年、管理系はインド人材に任せていましたが、本社への会計報告が遅い、報告されてくるデータがわかりにくいなどの問題を抱えていました。また、利益は出ているのに、資金不足に陥っており債権回収に課題がある可能性がありました。

そこで、クラウド会計システムである「勘定奉行クラウドGlobal Edition」を導入。
結果、現地の会計システム「タリー」では実現できなかった、子会社の会計情報を勘定科目別、部門別、取引先別にタイムリーに把握し、分析することが可能になりました。また、子会社の債権回収状況を本社から可視化、インドの資金回収状況が明確になりグループで対策を練ることもできるようになったのです。

勘定奉行クラウドGlobal Edition
▲Translate(翻訳)ボタンをスライドすると、摘要欄等が翻訳される。これにより言語の壁もクリアする。(勘定奉行クラウドGlobal Edition)
7.生産性の高い、管理体制再構築の実現は、今
2020年6月現在、アフターコロナに向けて経済活動を再開した国もありますが、第二波・第三波の懸念はいまだぬぐうことができません。国境が開かれる時期はまだ先になるでしょう。そして国境が開かれたとしても、これまで通り人が移動するガバナンスが前提ではなく、移動せずとも実現できるガバナンス体制を構築することが求められます。

インドにおいては、特に他のアジア諸国よりも管理機能が脆弱であることから、より一層ガバナンス強化が求められますので、本日のテーマである、生産性の高い、管理(ガバナンス・決算)体制の再構築に向けて、今こそ一歩踏み出してください。
※本セミナーの内容は2020年6月8日時点の情報です。最新情報はフェアコンサルティングにご確認ください。

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講師紹介
フェアコンサルティング インド 取締役社長/日本国公認会計士/税理士 岩瀬 雄一氏
フェアコンサルティング インド 取締役社長/日本国公認会計士/税理士 岩瀬 雄一氏
2000年に監査法人太田昭和センチュリー(現あずさ監査法人)東京事務所国際部に入所。製造業を中心に、米国会計基準、国際財務報告基準、日本会計基準の会計監査業務を手掛ける。 2005年にあずさ監査法人大阪事務所に転部し、株式公開業務に従事。2007年10月よりKPMGインド事務所に赴任し、2010年11月に日本に帰任後、あずさ監査法人を退所。 現在はインド進出日系企業へのコンサルティング業務を手掛け多くの現地法人設立・駐在員事務所設立をはじめ現地法定監査・税務業務及びM&A業務のサポートを行っている。
株式会社フェアコンサルティング 玉村 健氏
株式会社フェアコンサルティング 玉村 健氏
大手外資系コンサルティングファームを経て、日本トップシェアの連結会計システムベンダーで製品企画や中西日本地域コンサルティング部門責任者として従事。 フェアコンサルティングでは、日本企業にグローバルソリューションを提案する部門の責任者を務めるとともに、 システムソリューション事業責任者としてグループマネジメントシステムやクラウド型グローバル会計システムのソリューション提供を行っている。
※掲載している情報は記事更新時点のものです。
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