IPO塾 IPOのための事業計画書作成

開催情報
2020年7月20日(月) 13:30~15:00/Web
セミナー概要
IPO審査に求められる、中期経営計画のつくり方を徹底解説!
3~5年先のIPOを見据え、IPOに必須のテーマを体系的に学ぶ場所「IPO塾」。
今回はその第2回目、「IPOのための事業計画書作成」をテーマに、株式会社タスク 河野氏に解説いただきました。

【※本イベントレポートの最新コラムはこちら※】
セミナー総括
1.IPOできる経営計画のカギは「積み上げ方式」
事業計画は、会社の目標達成までの道のりを経営者・従業員が把握するとともに、銀行や投資家、証券会社などのステークホルダーに自社の状況を把握してもらうために必要となります。
そしてIPOにおいては、本当に達成できる目標なのか・会社が確かに成長していけるのかどうか判断するために「事業計画が合理的かどうか」が問われます。

しかし、初期の事業計画は「トップダウン方式」、つまり社長が自分だけで考えた、理想値の計画になっていることが多いのが実情です。
自社について客観的な視点を持たない状態で構成された経営計画は合理的とは言えず、高すぎる目標値に従業員がついていけないというケースも見受けられます。
IPOを意識し始めたら、自社の過去の変遷から未来を予測し、現場の意見も取り入れた「積み上げ方式」へシフトすることが重要です。
2.中期経営計画策定のポイント
では具体的に、どういった事業計画が「合理的」と判断されるのでしょうか?
上場審査では、事業計画の中でも3~5年計画である「中期経営計画」が審査対象となりますので、中期経営計画を策定する上でのポイントをお話ししていきます。

まず、中期経営計画策定の基本的な流れは以下です。
  • (1)会社概要/沿革・設立経緯/経営理念・方針/目標
  • (2)数値計画①
  • (3)事業、製商品及びサービスの特徴
  • (4)外部環境分析
  • (5)SWOT分析
  • (6)戦略策定(事業/全社)
  • (7)数値計画②
  • (8)資金調達計画


事業計画は、「過去の事業の変遷」「現在の事業の特徴」「今後の計画」の3つから合理性を審査されますので、上記の(1)~(8)もその流れで策定を行っていきます。

本セミナーレポートでは、上記の流れのうち、定性的な情報に絞り、策定する上でのポイントをご紹介します。
各項目の具体例や、予算など数値計画の定量的なポイントはぜひセミナーもしくは講師企業へご相談いただきご確認ください。
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(1)会社概要/沿革・設立経緯/経営理念・方針/目標
「沿革・設立経緯」は合理性を審査する3つのポイントのうちの「過去の事業の変遷」です。
「○○とアライアンスを組んだ」「新製品を開発した」など、自社が大きく変遷した契機を記載しましょう。
目標については定性的な表現だけではなく、「○年後に国内シェアNo.1」など定量的な記載があると、定量的な計画に繋がっていき合理性を判断しやすくなります。

次項目(3)~(5)は、合理性を審査する3つのポイントのうちの「現在の事業の特徴」の分析です。

(3)事業、製商品及びサービスの特徴
この項目を省略しているケースも見受けられますが、経営計画は外部の方に自社のことをわかってもらうためのものであり、東証の本則市場・マザーズの申請書類にも記載することがあるため、経営計画には織り込んでおくとよいでしょう。
また、事業の特徴は4P分析を意識して記載すると具体的になり、読む側にとってもわかりやすくなります。

(4)外部環境分析
外部環境となる業界をどう特定するか、は自社の捉え方で問題ありません。
同じ業界だからといってすべての競合他社を含めて分析してしまうと自社が小さく見えてしまうため、ある程度特定の領域に絞って分析してみるのもおすすめです。
また、競合他社のSWOT分析を行うことで自社の勝ち筋が見えてくることもありますので、このタイミングで実施しておくのもよいでしょう。

(5)SWOT分析
自社の強み、弱み、機会、驚異といったオーソドックスな分析である「SWOT分析」ですが、上場審査質問の中で、「SWOT分析をしてください」という質問はかなり多いので入れておくとよいでしょう。
弱みに対しては、今後どう対応していくのかが今後の事業戦略で重要になってきますので、きちんと分析し、聞かれた際に回答できるようにしておいてください。



(6)戦略策定(事業/全社)
合理性を審査する3つのポイントのうち「今後の計画」にあたります。
内部環境分析(事業、製商品及びサービスの特徴の分析)、外部環境分析を踏まえて、自社がどう成長していくのかという戦略を考えます。
KPIがあると計画達成に必要なプロセスが具体化されますので、設定できるものは設定しておくことをおすすめします。
なお重点戦略として、会社の売上のうち数%しかないような新規事業を柱にしたい会社も多く見受けられますが、 上場できるか否かが新規事業の伸び率に依拠するため戦略の蓋然性が見えづらく、慎重な審査になる傾向があるため注意が必要です。

各項目のポイントは以上ですが、全体を通して過去の自社の成果と現在の状況から未来の計画を導き出しているのがわかるかと思います。
今回は基本的な流れとして上記をご案内していますが、自社の事業計画に必要であればその他の項目も追加いただくなど、合理的な事業計画になるよう工夫してみてください。
3.IPOのためだけではない、上場後を見据えた策定を!
合理性のある事業計画の策定は、各項目で根拠のある説明やデータを必要とするため一朝一夕で成せるものではありません。
事業計画に関する上場審査の不備事例でも、「予算の作成根拠が明確でない」「努力目標的な予算になっている」といったケースは多くあります。

しかし、合理的な事業計画の作成は、上場審査のみならず上場後のIRにも繋がるものです。
上場準備のタイミングで合理性のある事業計画策定に慣れておくことは、上場後も関係者に信頼してもらえる会社づくりの基礎とも言えます。
迷ったときやうまく進まないときは、専門家の力も借りることを視野に入れ、一歩ずつ策定を進めていきましょう。

◆セミナーでは上記のほか、以下のテーマについても取り上げました。
・数値計画、設備投資計画、人員計画の策定
・予算管理フローと予実差異分析
・上場準備、上場審査における不備事例・改善事例の一覧
・中期経営計画策定に関するよくある質問と回答
・ご参加者様からのQ&A

◆ご参加者様からのQでは以下のようなご質問をいただきました。
Q.社内用と社外用で予算を二重に作成してもよいか?
Q.「合理性のある事業計画書」は頭ではわかるが、自社のリソースでは形にしづらい。
  実際にIPO実現した会社の具体的な事業計画を見ることはできるか?
Q.事業計画書についての相談はどこにしたらよいか?

回答はぜひ講師企業にご確認ください!



◆ 講師:株式会社タスク執筆のコラムはこちら
経営計画の大きなビジョンは鳥の眼で!足元の予算は虫の眼で! 2つの眼でIPO後を見据え、 社長の想いを叶えることが重要!


講師紹介
株式会社タスク<br>専務執行役員<br>河野 真宏氏
株式会社タスク
専務執行役員
河野 真宏氏
2006年に(株)タスクに参画後、IPO関連のコンサルティングに実務家として幅広く従事。大型IPO案件や特設注意市場銘柄解除コンサルティングのプロジェクトリーダーを歴任。また宝印刷主催のIPOセミナーを始めとして各種セミナーの講師を務める。2017年に常務執行役員に、2018年に専務執行役員に就任。現在では、IPO支援事業、内部統制構築支援事業、人材流動化支援事業の3つの事業を管掌。
株式会社タスク ホームページ

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IPOを目指す経営者や企業をワンストップでサポートする、IPOの専門家によるネットワーク組織。
2014年発足。 事業計画書作成支援、内部統制構築支援などの実務サポートのほか、 IPOの審査トレンドを解説する「IPO Forum」を半期に1度開催し、 資本政策、労務管理など、IPOに必須の論点を解説する「IPO塾」を年間を通して開催している。 メンバーによるコラムも定評がある。


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著書「この1冊ですべてがわかる 経営者のためのIPOバイブル 第2版」(中央経済社)

監査法人内研修でも活用される、プロが認めたIPO指南書。
株式公開を行うために必要となる前提知識・資本政策・人員体制・ IPO準備で絶対にやってはいけないことまで、Q&Aで優しく解説。
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