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「健康経営」とは?
ー真の意味からその必要性を考えるー

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株式会社workup人事コンサルティング
社会保険労務士内野光明事務所
代表・特定社会保険労務士内野 光明

「健康経営」とは、何か。まだ、この言葉を耳にしたことがない経営者、ご担当者様も多いのではないでしょうか。
健康経営とは、特定非営利活動法人健康経営研究会によると、「企業が従業員の健康に配慮することによって、経営面においても 大きな成果が期待できる」との基盤に立って、「健康管理を経営的視点から考え、 戦略的に実践すること」と定義しています。しかしながら、言葉の定義だけを聞いて、「よし、それでは健康経営に取り組もう!」と思う方は少ないでしょう。実は、健康経営は、これからの労務管理の充実と成長において避けては通れないキーになるものと考えております。そのため、特に中小企業において、今のうちに健康経営の真の意味について、しっかりと向き合う必要があるのです。それは、なぜか・・・。労働力人口が毎年約50万人も減少している我が国では、企業は生き残りをかけて「資産として優れた人材の確保(※)」を求めるようになっているからです。

※「健康推進ガイドブック」経団連出版 岡田邦夫著P47(コラム:樋口毅著)

「健康」と聞くと私たちは、「成人病予防」「生活習慣病」「早期発見」などを想起し、またメタボ対策のために腹部にメジャーを当て計測するような印象を受けます。それはそれでとても大切なことですが、私たちがテーマとする人事労務分野における「健康」、つまり「健康経営」における「健康」は、もっと広範な意味をもっております。
「企業は人なり」とは普遍的な言葉ではありますが、会社は、社長だけでは成立しません。資産として優れた人材を確保し、その人材が安心して末永く勤務できる会社を作らなくてはなりません。そして、それを支える基盤こそが、ここでいう「健康」なのです。

私たちの職場では、次のようなことが起こっていませんか?

・メンタル不全で、休職者が次々と現れている。
・優秀な方が入社したのに、すぐに辞めてしまう。離職率も高まっている。
・欠勤率が高くなってきた。
・長時間労働により体調不良者が散見されるようになってきた。
・従業員同士であいさつをしなくなってきた。

などなど、思い当たる節があるかもしれません。一見、「あいさつをしなくなってきた」という現象は、健康とは無関係と思えるかもしれません。しかしながら、「あいさつをしない」ということは、メンタルヘルス不調の代表的な兆候であり、また、会社の風土をマイナス方向に導く負のサインです。このような状態では、生涯にわたって、わが社で働こうとは思わないでしょう。まして社員が経営理念に共感し、志をもって毎日を活き活きと過ごしているなどとはあまり想像ができません。

では、理想的な職場とは、どのような状態なのでしょうか。たとえば、次のような内容が思い浮かびます。

・各人が活き活きと働いている。笑顔がある。
・人材が定着している。
・社員が、各人の役割を認識していて、自然に仕事が遂行できている。
・女性が働きながら育児も家事も実施し輝いている。両親の介護をしながら、会社内でも活躍している。
・つらいときに「つらい」と言える。

いかがでしょうか。このように、活気がありモチベーションが高く、生産性が高い状態は、ストレスなく健康であるからこそ実現できる状態です。
このような状態へ導くためには労働時間に対する意識改革、人事賃金制度の改革等の取り組みが、必須のテーマとなってきます。実は、この取り組みこそ今話題となっている企業版働き方改革であり、働き方改革は、まさに健康経営に包含されている概念であると私は考えております。

企業版働き方改革を推進した結果、会社は、労働力の高まりにより生産性が向上し、社員の皆さんが、末永く安心して勤められる会社となり、会社が未来へ前進していくのです。換言すると、企業版働き方改革は健康経営を実現し、会社と社員にWIN-WINの関係を築き、100年企業、ヘルシーカンパニー、企業の持続的な成長へと導いていきます。
中小企業は、経営者の情熱、少数精鋭の連帯感がある一方で、人手不足、健康維持増進の取り組みが行われにくい等が特徴として挙げられます。だからこそ企業版働き方改革によって健康経営を推進し、「資産として優れた人材の確保」へと導いていきたいものです。

次回は、「わが社の働き方改革を急げ 働き方改革を推進し、健康経営を実現するための方法」と題しまして、健康経営を実現する働き方改革の方法について説明をしてまいります。

内野光明

内野 光明 株式会社workup人事コンサルティング/社会保険労務士内野光明事務所代表・特定社会保険労務士

大学卒業後、大手メーカーでの人事部、人事コンサルティング事務所を経て2009年にworkup人事コンサルティングを設立。『会社に安定と発展を 社員にいきがいと成長を』をモットーに“社外の人事部長”として労使間の様々な労務問題を解決に導く。リスクを回避した「就業規則」、課題解決型の「賃金制度」、会社の業績向上と人材育成に軸足を置いた「人事考課制度」等の策定を中心に総合的な労務相談を得意とする。各種セミナーは、ほぼ毎月開催し、実務に直結する内容が毎回好評を博している。1972年生まれ。神奈川県平塚市出身。

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