★無料チェックリスト付き★働き方改革関連法をITで乗り切る!実務を行う上で押さえておきたいシステム要件とは?

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いよいよ施行が目前に迫った「働き方改革関連法」。対応策をまとめたコラム「<働き方改革関連法>タイムリミット間近!?今すぐ取りかかりたい実務対応とは」には、たくさんの反響が寄せられました。その中で多かったのが、「実務を行う上で、どのようなITシステムがよいか?」というご相談です。そこで今回は、ITを手法とした際に必要となるシステム要件についてご紹介します。

  • ※システム要件には代表的なシステム種類(「勤怠管理システム」など)を記載しています。
    お客様がご利用のシステムによって内容が異なる場合もありますのであらかじめご了承ください。

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コラムの最後に、「今使っているシステムで働き方改革関連法にどこまで対応できるのか?」を簡単に確認できるチェックリストをご用意しています。無料でダウンロードできますので、ぜひご活用ください。

5つの重要ポイントにおけるシステム要件

ここでも、「<働き方改革関連法>タイムリミット間近!?今すぐ取りかかりたい実務対応とは」と同じように、5つのポイントに沿って実務の概要とシステム要件を見ていきたいと思います。

1. 年次有給休暇の取得義務化

年10日以上の有給休暇が付与される労働者に対して、企業は必ず年に5日以上の有給休暇を取得させることと、「年休管理簿」の作成が義務付けられます。

有給休暇の取得日を決定する方法は3つあります。企業は現在の有給休暇の取得状況や業務特性によっていずれかの決定方法を採用することになります。

<有給休暇取得日が平均5日以上の場合>

① 従業員に取得日を自己申告させる

<有給休暇取得日が平均5日に満たない場合>

② 全社単位で一斉に休みを決定する
③ 従業員の意向を確認した上で責任者が取得日を指定する

すでに有給休暇の取得率が高ければ、個人単位で自由に有給休暇を取得させます。取得率が低い場合は、取得しやすい環境を整えるために、全社単位で一斉に休みを決定するか、従業員の意向を確認した上で責任者が取得日を指定します。24時間365日営業する必要がある場合などは、一斉の休暇取得が難しいため、③が向いていると考えられます。
また、「年休管理簿」では、勤続年数や有給休暇の付与日・付与日数、繰越日数、消化日数、残日数などを管理する必要があるため、それらの情報を抜け漏れなく管理した上で管理簿を作成することが必要になります。さらに、年間で5日間の有給休暇を取得することが難しそうな従業員に対して、取得を促すことも忘れてはいけません。

そこで、押さえておきたいシステム要件は以下の通りとなります。

勤怠管理システム

  • 有給休暇の申請・承認ワークフロー(①/③の場合)
  • 有休取得日のスケジュール管理
  • 勤続年数や自社の付与・繰越条件に応じた自動付与・繰越
  • 有給休暇の消化日数、残日数の自動計算
  • 管理簿の自動作成
  • 消化日が一定期間で目標日数に満たない従業員への自動アラート

①もしくは③の場合は、Web上で従業員から有給休暇の取得日を収集できることが望ましいでしょう。さらに、いずれかの方法で決定した有休取得日をスケジュールとして管理できる必要があります。また、年休管理簿で管理すべき項目は自動計算され、管理簿自体の作成も自動化される仕組みがあると安心です。また、有休消化の進捗が悪い従業員を自動監視し、有休消化を促すアラート通知が出せると、取得勧奨のマネジメントをスムーズに行うことができます。

2. 長時間労働を抑制するための措置

2-A.残業時間の罰則つき上限規制

36協定の原則である「月45時間、年間360時間」が上限として定められることになります。特別条項付きの36協定を締結した場合、45時間を超えてよい月数は1年について6カ月までとなり、残業時間は年720時間、単月では休日労働も含めて100時間未満までとなります。あわせて、複数月(2カ月から6カ月)の平均で、残業時間と休日労働の合計時間は80時間以内としなくてはいけません。

これにより、36協定で定めた残業時間に対して実態の残業時間が超えないように常に監視し、危険ラインに到達した従業員をチェックする実務が発生します。また、危険ラインに到達した従業員に対して残業抑制の指導をすることも重要です。

そこで、押さえておきたいシステム要件は以下の通りとなります。

勤怠管理システム

  • 企業が定めた残業時間の基準値の管理
  • 基準値を超えた従業員の自動リスト化
    (月間・年間累計/年間回数/複数月の平均)
  • 基準値を超えた従業員へ自動アラート

従業員の残業時間を監視するにあたり、企業はそれぞれの<危険ライン=基準値>を決める必要があります。そこで、システム要件としては、自社で決めた残業時間の基準値を管理することができるかどうかということが求められます。また、基準値を超えた従業員を自動的にリストアップできるとチェックが効率的に行えます。さらに、基準値を超えた従業員にアラート通知が出せることで、残業抑制のマネジメントまで自動化できるようになるのです。

2-B.中小企業の60時間超の残業代引き上げ

月60時間を超えた残業時間に対する割増賃金の引き上げについて、これまで中小企業には猶予措置が取られてきましたが、2023年に廃止されることになりました。60時間を超えた残業時間については、すべての企業が割増賃金を50%以上にして計算することになります。

これにより、通常管理している残業時間とは別に、月60時間超過分の残業時間を分けて集計する必要があります。また、超過した分の時間については、50%以上の割増賃金率で給与計算をしなくてはいけません。

そこで、押さえておきたいシステム要件は以下の通りとなります。

勤怠管理システム

  • 月60時間超の残業時間の自動集計
  • 給与システムへのデータ連携

給与システム

  • 月60時間超の残業時間に対する割増率の設定

月60時間を超過する残業時間は自動集計されることが望ましいでしょう。また、計算した時間項目を給与システムに自動連携できると手作業を削減することができます。もちろん、連携された時間項目に対して、50%以上の割増賃金率で手当計算できることも必要になります。

3. 「労働時間の適正把握」義務化

これまでガイドラインでしか明記されていなかった「労働時間の適正把握」が法律で義務付けられることとなります。あわせて、部長や課長などといった「管理監督者」においても、労働時間の管理対象となります。

これにより、タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等、客観的な記録による労働時間管理が求められることになります。尚、出勤簿などによる自己申告制は原則として認められないことになりますので注意が必要です。

そこで、押さえておきたいシステム要件は以下の通りとなります。

勤怠管理システム

  • 作業開始と終了のタイミングで打刻できる打刻機
    • 業務に使用するツールで打刻
    • 作業開始・終了の場所で打刻
    • 業務時に身に付けるもので打刻
  • 不正打刻を防止できる認証方法

労働時間を適正に把握するための基本は打刻です。そこで重要なのが、従業員が作業を開始・終了するタイミングで打刻しやすいような環境を整えるということです。
例えば、オフィスなど屋内でパソコンを使って業務をする従業員がいれば、パソコンで打刻できるのが望ましいでしょう。また、作業を開始する場所が狭いからと言って、別の建屋やフロアに打刻機を置くのではなく、省スペースで打刻ができるような打刻機を導入する必要があります。さらに、制服の着用を義務付けている場合は、着替えの時間も含めて労働時間とする必要があるため、着替えるときに身に付けるもの等で打刻ができるようにできるとよいでしょう。最後に、アルバイトなどが大半で人の入れ替わりが多い場合は、不正打刻を防止するために、生体認証などの仕組みを組み合わせる必要があります。

4. 同一労働同一賃金の制度化

正規・非正規の雇用形態の違いによって、使用者が不合理な待遇差を設けることが禁止されます。また、正社員と非正規労働者の待遇差の説明も義務付けられます。

これにより、企業は、基本給や手当など、一つ一つの賃金項目ごとに待遇差が合理的かどうかをチェックする実務が発生します。また、支給基準や評価制度の見直しを行い、従業員へ待遇差を説明できる制度作りが求められます。

そこで、押さえておきたいシステム要件は以下の通りとなります。

給与システム

  • 同じ目的で支給している手当について同一軸で比較できる帳票の自動作成

人事管理システム、目標管理システム

  • 定量値、定性値を組み合わせた考課表の設計
  • 考課表の自動作成

正社員や非正規労働者において給与体系が一致しているというケースはまれでしょう。支給している手当の名称、数や順番が異なることもあるか思います。このとき、同じ目的で支給している手当については同じ軸で確認ができると、一つ一つの賃金の見直しが効率的に行えます。また、従業員に説明を求められたときにすぐ対応できるよう、システムから考課表を出力できるようにしておく必要があります。

5. 高度プロフェッショナル制度の創設

「高度プロフェッショナル制度」は、金融ディーラーやアナリスト、コンサルタントなど一定の専門知識を持った職種で年収1,075万円以上の労働者について、残業代の支払義務等がなくなる制度です。

この制度を採用した場合、企業は健康確保措置として、年間104日以上かつ4週4日以上の休日付与に加え、以下の4つの中から1つを選択して実行しなくてはいけません。

  • 勤務間インターバル制度と深夜労働の回数制限制度の導入
  • 1ヵ月または3ヵ月の健康管理時間の上限措置
  • 2週間連続の休日を年に1回以上与える
  • 臨時の健康診断

また、時間を基準に報酬を決定することができないため、目標の達成度合いや成果の大きさによって報酬を決定する必要があります。そのため、目標管理制度の運用も実務として含まれます。

そこで、押さえておきたいシステム要件は以下の通りとなります。

勤怠管理システム

  • 休日日数、深夜労働の回数、労働時間(各月/累計月)の自動集計
  • 企業が定めたインターバル時間や回数の基準値の管理
  • 勤務間インターバル不足回数の自動集計

目標管理システム

  • 自発的な目標の設定(成果・期間など)
  • 目標の可視化と目標に対する評価

休日がちゃんと確保できているかどうかや、深夜労働の回数や健康管理時間が上限を上回っていないかをチェックするために、休日日数や深夜労働の回数、労働時間を自動集計ができることが必須となります。また、勤務間インターバル制度を導入する場合は、企業が定めたインターバル時間や回数が不足している従業員がいないかをチェックできるようにする必要があります。さらに、目標の達成度合いや成果の大きさによって報酬を決定するために、個人ごとに設定した目標に対して、上長がいつでも目標をチェックでき、評価できることも重要となります。

さいごに

働き方改革関連法の施行により、企業には新たなルールや制度が導入されることになります。ITシステムを上手に活用し、継続的にルールや制度を運用できる環境を手に入れていただければと思います。

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