経理担当者必見!働き方改革はまず自部門から始めよう!経理部門が取り組むべき働き方改革とは?

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今やあらゆる企業で推進されている「働き方改革」。しかし実際は、働き方改革の取り組みが実を結んでいない企業の方が多いといいます。「定時退社の徹底」や「ノー残業デー」などの制度を導入したものの、結果として残業削減の効果が得られず形骸化している・・・という実態が大半のようです。確実に労働時間を削減するためには、「固定業務の時間削減」に取り組む必要があります。「固定業務」とは、入力や集計、作成などの成果が固定的な業務のことであり、時間がかかる原因や問題点を特定しやすい業務です。さらに、「固定業務の時間削減」は、抜本的な制度改革や個人の意識改革を伴わないことから、働き方改革の取り組みとして実現性が高いのも特徴です。OBCでは、56万社の導入事例から、77種類の「固定業務」について時間がかかる原因と問題点を特定し、時間削減手法をモデル化しました。(詳しくはこちら
中でも、部門単位で取り組むモデルは、プロセスの改善によって固定業務の時間削減を行うことになるため、高い削減効果が見込め、部門全体で抜本的な業務改善が可能です。本シリーズでは、部門ごとの「固定業務の時間削減」の取り組み方について解説をしてまいります。

1.経理部門が取り組むべき働き方改革とは?

企業活動で発生するさまざまなお金の情報を収集して記録・数値化し、試算表など経営状態を示す資料を作成している経理部門。企業経営の要と言える部門である一方で、五十日や締日に業務が集中して残業が発生してしまう、ミスが許されないため数値の検算や確認作業に時間がかかる、締日から会議までの短期間で報告資料を仕上げるため業務が逼迫する、など、経理ならではの要因から「働き方改革に取り組みたいけれど、なかなか難しい」とお悩みの方も多いのではないでしょうか?
経理部門では、正確で迅速な業務の遂行が求められているからこそ、業務の質を確保しつつ長時間労働を削減できる「固定業務の時間削減」に取り組むことが有効です。では、経理部門において、どのように「固定業務の時間削減」を進めればよいのでしょうか?

2.経理部門における「固定業務の時間削減」を成功させるコツ

経理部門における「固定業務の時間削減」を成功させるためには、経理部門の役割に応じた業務とその特性を理解する必要があります。特に、業務の特性を知ることは、業務を構成するプロセスの中で、改善すべきポイントを把握することにつながります。現在、自分の会社でどのプロセスが問題となっているかを確認してから改善に取り組むことが成功への近道となるのです。

<経理部門の3つの役割と業務>

■役割①:経理

経理部門は、その名の通り、企業活動におけるすべてのお金の取引を管理するという『経理』を行う役割があり、具体的には下記の5つの業務を行います。

『経理』の業務

  • 買掛・支払管理
  • 売掛・入金管理
  • 経費管理
  • 証憑管理
  • 伝票起票・承認
■役割②:会計・経営管理

経理部門は、会社の経理状況を正確に把握し、経営者や外部に情報を提供するという『会計・経営管理』を行う役割も担っています。『会計・経営管理』においては、下記のような業務を担います。

『会計・経営管理』の業務

  • 資産管理
  • 労務費管理
  • 原価管理
  • 外貨管理
  • 資金管理
  • 予算管理
  • 月次予算管理
  • 月次報告
■役割③:税務申告

経理部門には、税法に基づいて課税所得を計算し、税務署に申告するという『税務申告』を行う役割もあります。『税務申告』においては、次の2つの業務があります。

『税務申告』の業務

  • 支払調書
  • 消費税申告

<経理部門の業務の特性>

これまで見てきたように、経理部門は多岐にわたる業務を行う必要がありますが、これらの業務には共通する特性が3つあります。

■特性①:漏れなく正確に仕訳を計上しなければならない

1つ目の特性は、あらゆる取引について、漏れなく正確に仕訳を計上しなければならないということです。経理部門では、買掛金や給与手当などお金に関わるさまざまな情報を集めて、会計システムに仕訳を入力しています。仕訳入力にミスや漏れは許されないため、金額などのチェックや入力に時間がかかります。また、五十日や月末などの締日に処理が集中しやすく、業務が逼迫する傾向があります。

■特性②:決められた期日までに、正確な会計情報を提供しなければならない

2つ目の特性は、社内の経営会議や月次・年次決算などの期日までに、正確な会計情報を財務視点と経営視点で提供しなければならないということです。正確な会計情報を提供するには、日々の取引仕訳と毎月発生する月次仕訳の計上を完了させる必要があるため、仕訳の手入力では時間がかかってしまいます。また、会計情報はExcelで作成する場合が多く、会計システムからの転記や加工作業、チェック等にとても時間がかかります。

■特性③:提出期日までに、税務署へ申告しなければならない

3つ目の特性は、決められた期日までに、消費税など必ず税務署へ申告しなければならないということです。税務申告においては、正確さと期日厳守を両立する必要があります。しかし実態は、紙やExcelの申告書への転記をベースとした手計算と手入力が多く、時間がかかってしまいます。また、紙で税務署に申告している場合は、出向く手間も発生してしまいます。

3.まずはここから!オススメの「固定業務の時間削減」取り組みモデル3選

それでは、数多くの業務が存在する経理部門において、どの業務の時間削減から取り組むのが良いのでしょうか?
経理部門の業務は、決められた期日付近に集中しやすい傾向があります。そこで、「締日に合わせて」「毎月定期的に」行っている、発生頻度が高い業務から改善することをオススメします。
締日付近に行う業務の改善は高い効果が得られ、それらが毎月積み重なると、年間通して大幅な固定業務の時間削減に繋がります。この章では、経理部門にまず実践してほしい、時間削減効果の高い3つのモデルをご紹介いたします。

1.買掛・支払管理短縮モデル

「買掛・支払管理モデル」は、『経理』の中にある「買掛・支払管理」のプロセスを改善するモデルです。
「買掛・支払管理」は、支払締日に合わせて毎月発生する頻度の高い業務ですが、Excelで管理していることが多いのが現状です。「買掛・支払管理」では、「管理台帳への取引情報の入力⇒支払予定額の入力⇒消込額入力⇒支払の承認⇒会計システムへの仕訳入力⇒FBデータ作成」といったプロセスを踏みますが、これらのプロセスにおいて情報の多重管理や多重入力が発生し、多大な時間がかかります。また、支払予定や支払条件が、ルールに沿った内容かどうかを確認する作業にも時間がかかります。

<時間がかかる「買掛・支払管理」業務プロセス>

「買掛・支払管理」のプロセスを改善するためには、Excelや手作業で行うのではなく、支払予定などルールに沿った内容は極力自動的に表示させる、仕訳や管理上必要な資料は自動作成するなど、人の手による作業を極力なくすことが理想的です。「買掛・支払管理短縮モデル」では、支払予定・消込管理から仕訳計上に至るまでの多重管理や多重入力をなくします。人の手による入力作業を最小限にし、確認中心の業務に変えることで、ミスや漏れを防止でき、業務スピードと正確性を向上します。

<モデル活用後の「買掛・支払管理」業務プロセス>

2.証憑管理省力化モデル

「証憑管理省力化モデル」は、『経理』の中にある「証憑管理」の業務を改善するモデルです。取引先からの納品書や請求書、従業員が使用した経費の領収書など、経理部門に頻繁に送られてくる膨大な量の証憑を、一般的には「紙」で管理しています。「証憑管理」には、「証憑の収集⇒整理(ファイリングなど)⇒保管(倉庫や空きスペースへの移動・保管)⇒取り出し(証憑の確認や監査時など)」というプロセスがありますが、全てのプロセスを手作業で行うと、非常に時間がかかります。

<時間がかかる「証憑管理」業務プロセス>

「証憑管理」のプロセスを改善するためには、証憑を電子データで保管するとよいでしょう。「証憑管理省力化モデル」では、領収書や請求書など、税法上保管が義務付けられている証憑を、データで管理することができます。まとめてスキャンして仕訳伝票に添付するだけで、簡単に電子帳簿保存法の制度要件に対応できるため安心です。

<モデル活用後の「証憑管理」業務プロセス>

3.月次報告スピード向上モデル

「月次報告スピード向上モデル」は、『会計・経理管理』の中にある「月次報告」の業務を改善するモデルです。「月次報告」では、会計システムの試算表などをそのまま報告書として提出するケースもありますが、経営視点で必要な数値を追加して報告書を加工することが一般的に多いです。その場合、報告書はExcelで作成されていることが多く、提出時は紙で印刷し手渡しとなり、時間がかかりやすくなります。Excelを利用した月次報告の場合は、「会計システムからデータを出力⇒Excel上での加工作業(例:予算や非会計情報の集約・並び替えなど)⇒経営者や責任者への提出」というプロセスで構成されています。

<時間がかかる「月次報告」業務プロセス>

「月次報告」のプロセスを改善するためには、経営視点の情報を一元管理し、報告書作成の加工作業をなくすことが理想的です。また、経営者や責任者への報告書の提出は、紙で印刷し手渡しするのではなく、データで提出できることを目指しましょう。「月次報告モデル」では、試算表のような財務視点の会計帳票と同じように、経営視点を組み込んだ月次報告書をワンクリックで作成できます。経営者に対し、詳細な業績や損益、予測状況の情報を提出でき、経営判断の迅速化をサポートできます。

<モデル活用後の「月次報告」業務プロセス>

さいごに

経理部門は、定型的な業務が多いため、固定業務の時間削減は取り組みやすく、削減効果も出しやすいと言えます。まずは、高い削減効果が見込める、月末などの締日付近に行っている発生頻度が高い業務に注目して、改善に取り組んでいただきたいと思います。また、今回ご紹介した取り組みモデルを含め、22個の経理部門向け取り組みモデルをご用意しています。ぜひ、今後の取り組みのご参考にしてみてください。


経理部門が取り組める22個の「取り組みモデル」をご紹介!

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