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AI活用が"部分最適"になっていませんか?バックオフィス部門で成果につなげるための考え方とは

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生成AIの進化により、バックオフィス部門でもAIを業務に取り入れる企業が増えています。経理、人事労務、販売管理など、それぞれの業務でAIを活用する場面は着実に広がりつつあります。
一方で、「AIを導入したものの、期待したほど業務改善につながらない」「一部の担当者しか活用しておらず、部門全体としての成果が見えない」といった声も少なくありません。
これは、AIの性能や機能というよりも、「AIをどのように業務へ組み込んでいるか」という違いによって生じている可能性があります。バックオフィス部門でのAI活用は、一部の担当者や作業だけを効率化するのではなく、日々の業務の中で必要な場面にAIを活用し、その効果を業務全体へ広げていくことが重要になります。
そこで今回は、バックオフィス部門でAIを活用しても期待した成果につながらない背景を整理し、AIを必要な場面で自然に活用することで業務全体の生産性と品質につなげていくための業務のあり方について解説します。

<3文でわかる!この記事のポイント>
生成AIを導入しているにもかかわらず、バックオフィス業務で期待した成果につながらないと感じている企業は少なくありません。その背景には、AIによる効率化が一部の担当者や作業にとどまる「部分最適」という課題があります。本記事では、なぜ部分最適が起きるのかを整理するとともに、AIを業務の中で自然に活用し、業務全体の生産性と品質につなげていくための業務のあり方「AI活用業務スタイル」について解説します。

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目次

AI活用が"部分最適"で終わるバックオフィス部門で起きていること

日々の業務で生成AIを活用することは、もはや珍しいことではなくなりました。「仕訳方法を確認する」「社内からの問い合わせへの回答文を作る」「社内通知や取引先への案内文の草案を作る」など、バックオフィス部門でもさまざまな場面でAIが使われています。
AIを活用することで、これまで時間をかけて調べていたことを短時間で確認できたり、ゼロから文章を作成する負担を減らせたりと、担当者一人ひとりの業務効率は確実に向上しています。

しかしその一方で、「AIを使っても期待したほど業務改善が進まない」「部門全体の生産性が向上した実感がない」という現場もあります。こうした現場で起きているのが、AI活用の「部分最適」です。
「部分最適」とは、AIによって担当者個人の業務は効率化されていても、それが部門や業務全体の成果にはつながっていない状態のことを指します。つまり、AIを活用する人は増えていても、AIを活用する業務は変わっていないのです。

例えば、複数人で経理業務を担当している場合、ある担当者は日常的に生成AIを使って仕訳の確認やメール文面の作成を効率化している一方で、別の担当者は従来どおりの方法で業務を進めていることがあります。同じ業務でも、AIを活用する人とそうでない人との間で、業務スピードや成果物の品質に差が生まれてしまいます。
AIへの指示の出し方や効果的な活用方法も、担当者個人のノウハウになりやすく、共有されなければ組織の知見として蓄積されません。つまり、AIは「担当者にとって便利なツール」にはなっていても、「業務の進め方」そのものを変えるところまでは至っていないのです。

AIを活用する一人ひとりの業務は効率化されても、その効果が一部の担当者や作業にとどまっていては、業務全体の生産性や品質の向上にはつながりません。AIを導入し、活用する人が増えているにもかかわらず、部門全体として十分な効果を実感できていないのであれば、AI活用が「部分最適」にとどまっている可能性があります。

なぜAI活用は"部分最適"に陥りやすいのか

では、なぜAIを活用しているにもかかわらず、こうした「部分最適」に陥ってしまうのでしょうか。その原因は、AIそのものというよりも、AIの業務への組み込み方にあります。
多くの場合、従来の業務プロセスはそのままに、一部の作業でAIを利用しています。一見するとAIを業務に取り入れているように見えますが、実際には「既存の業務の途中でAIを利用している」状態であり、業務の進め方そのものは変わっていません。そのため、AIによる効率化が担当者個人の作業にとどまり、部門や業務全体の成果へと広がりにくくなります。
こうした状況に陥る背景には、大きく3つの構造的な課題があります。

① AIが業務プロセスの"外側"にある

AIを活用して情報を確認したり、文章を作成したりすることで、担当者の作業を効率化することはできます。しかし、そこでAIを使っていても、その前後の業務プロセスまで変わっているとは限りません。
例えば、仕訳に迷った経理担当者であれば、生成AIで処理方法を調べ、その回答を確認したうえで、会計システムへ入力します。確かに、処理方法を調べる時間は短縮できますが、AIを使う前後の業務の流れは従来と変わりません。結果、AIを活用してはいても、担当者が必要な場面でAIを呼び出し、その結果を自分で業務に反映しているわけです。
これでは、AIが業務の流れの中で機能しているのではなく、担当者が必要に応じて利用する「外部ツール」として存在しているといえます。そのため、一部の作業を効率化することはできても、その効果を業務全体へ広げることは難しくなります。

② AI活用が担当者任せになり、属人化しやすい

AIが業務プロセスの外側にあると、「いつAIを使うのか」「どのように使うのか」も担当者の判断に委ねられます。その結果、積極的にAIを活用する担当者もいれば、従来どおりの方法で業務を進める担当者もいます。同じ業務であっても、AIの活用状況によって処理時間や成果物の品質に差が生まれ、得られる効果も個人の経験やスキルに左右されやすくなります。
また、AIへの指示の出し方や、よりよい回答を得るための工夫も、担当者個人のノウハウとして蓄積されがちです。こうした知見が組織内で共有されなければ、異動や退職によって失われ、組織の資産として残りません。
AI活用を担当者の工夫に委ねたままでは、活用する人によって成果に差が生まれやすく、継続的な業務改善にもつながりにくくなります。

③ AIと業務全体がつながっていない

バックオフィス業務は、一つの作業だけで完結するものではありません。経理業務を例にすると、請求書の確認、仕訳、承認、会計システムへの登録、証憑の保存といった一連の流れがあります。その中では、会計基準や税法、電子帳簿保存法などへの対応も必要です。人事労務業務や販売管理業務でも、社内ルールや関連法令、基幹システムとの連携を前提として業務が進められています。
しかし、業務の一部だけをAIで効率化しても、前後の業務やシステムと切り離されたままでは、業務全体の最適化にはつながりません。文書作成や情報検索が速くなっても、承認フローやシステムへの登録、法令に基づく運用までが自動的に変わるわけではないからです。
つまり、AIは便利なツールとして活用されていても、業務全体を支える存在にはなっていないのです。

AI活用が「部分最適」に陥る背景には、このように構造的な課題があります。これらの課題を抱えたままでは、個々の担当者がAIを活用して作業を効率化しても、その効果を業務全体へ広げることは難しくなるでしょう。

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「AIを業務の中で自然に活用する」という方法

AI活用を業務全体の生産性向上につなげるには、担当者が必要なときに個々にAIを使うのではなく、日々の業務の中で、必要な場面で自然にAIの支援を受けられることが重要です。
ただし、そのためにこれまでの業務の進め方を大きく変えたり、担当者がAIの専門知識を身につけたりする必要があれば、かえって現場の負担が増えてしまいます。

そこで大切になるのが、OBCが提唱する「AI活用業務スタイル」です。「AI活用業務スタイル」とは、いつもの業務を進めながら、必要な場面で自然にAIの支援を受け、人とAIが共に業務を進めていくという業務のあり方のことを指します。

●AIを後から「足す」のではなく、業務の中で自然に活用する

これまでのAI活用では、AIを業務に取り入れるために、従来の業務プロセスを見直したり、AIを使うことを前提とした新しい業務の進め方を考えたりする必要がありました。そのため、AIによって一部の作業を効率化できても、業務の流れを変えたり新しい作業が増えたりすれば、現場にとっては新たな負担になってしまいます。

AI活用業務スタイルでは、AIを業務に後から「足す」のではなく、普段の業務手順をベースに、AIが担えるところをAIに置き換えていきます。手作業が必要なところはこれまでどおり人が担うため、担当者がAIに合わせて仕事の進め方を大きく変える必要はありません。いつもの業務を進める中にAIが自然に溶け込み、必要な場面でその支援を受けられます。
これにより、AIを活用するために新しい業務の進め方を一から覚える必要がなく、日々の業務の中で無理なくAIを活用しやすくなります。

●誰もが自然にAIを活用できる

AIを業務に取り入れても、「いつAIを使うのか」「どのAIを使うのか」「どのように指示を出すのか」を担当者自身が考えなければならない状態では、AIを使いこなすための知識やスキルが求められます。その結果、AIの活用方法や得られる効果が担当者によってばらつく可能性があります。

AI活用業務スタイルでは、担当者がその都度使えるAIを探したり、プロンプトを工夫したりする必要がありません。いつもの業務を進める中で、必要な場面になれば自然にAIの支援を受けられるため、AIを使うための特別な知識やスキルに頼らずに業務を進めやすくなります。
AIを使いこなせる人を増やすのではなく、特別な知識やスキルがなくても、誰もが日々の業務の中で自然にAIを活用できることで、部分最適にとどまらないAI活用につながります。

●AI活用によって業務全体の生産性と品質を高める

AI活用業務スタイルによって得られるのは、担当者一人ひとりの作業時間の短縮だけではありません。
従来のシステムでも、定型的な作業を自動化することはできました。一方で、入力や検索、チェックなど、人の手を必要とする作業も残っており、担当者の負担となる場面も少なくありませんでした。こうした作業をAIが支援することで、担当者は判断や例外への対応など、人が担うべき業務により集中できます。
また、必要な場面でAIの支援を受けられることで、担当者ごとの経験やスキルによる業務品質のばらつきも抑えられます。個人の知識や経験だけに頼らずに業務を進めやすくなるため、属人化の解消や人材不足への対応という面でも効果が期待できます。

AIは、一人ひとりの作業を効率化するだけでなく、人とAIがそれぞれの役割を担いながら日々の業務を進めることで、業務全体の生産性と品質の向上につなげることができます。

AIを業務の中で自然に活用するとどう変わる?【経理の場合】

AIを業務の中で自然に活用できるようになると、実際の現場はどのように変わるのでしょうか。ここでは、バックオフィス業務の中でも特に確認や判断が多い経理業務を例に考えてみましょう。

●経理業務で時間を使うのは「入力」よりも「確認」作業

経理業務は「仕訳を入力すること」が中心だと思われがちです。しかし実際には入力そのものよりも、「この勘定科目でよかっただろうか」「税区分は間違っていないだろうか」「前回はどのように処理しただろう」といった確認や判断に、多くの時間を使っています。
入力を終えた後も、「金額に誤りはないか」「入力漏れはないか」「同じ伝票を二重に登録していないか」といった確認作業があります。月末や月次決算の時期になれば、「この数字で本当に提出して大丈夫だろうか」と何度も見直すこともあるでしょう。このような作業は、一つひとつは些細な確認でも日々積み重なれば担当者にとって大きな負担になります。
また、経験豊富な担当者であれば「何となく違和感がある」と気づけることでも、経験の浅い担当者には判断が難しい場合があります。

このように、経理業務では入力そのものだけでなく、その前後にある確認や判断にも多くの時間と経験が必要とされています。こうした業務のうち、AIが確認作業を支援することで、担当者は判断により集中できるようになります。

●「AIに聞く」のではなく「業務の中でAIが支える」

確認作業にAIを活用するといっても、分からないことがあるたびに生成AIを開き、質問を考え、回答を確認して業務に反映するという使い方では、AIを活用すること自体が新たな作業になってしまいます。
そこで重要になるのが、担当者がその都度AIを使いにいくのではなく、普段の業務を進める中で、必要な場面で自然にAIの支援を受けられることです。

例えば、勘定奉行クラウドの「奉行AIアシスタント」は、日々の経理業務の中に組み込まれ、仕訳の作成や検索、確認など、担当者が支援を必要とする場面で業務をサポートします。これまで担当者自身が調べたり、過去の処理を探したり、入力内容を確認したりしていた場面で、自然な流れでAIの支援を受けられるため、確認にかける時間を減らし、判断により多くの時間を使えるようになります。

<勘定奉行クラウドのAIアシスタントによるAI活用業務スタイル(イメージ)>

●AIと共に働ければ、人は担うべき業務により集中できる

AIが日々の業務を自然に支援することで得られるのは、作業時間の短縮だけではありません。AIが入力やチェックなどを支援することで、担当者が自ら行っていた確認作業の負担を減らすことができます。こうして日々の作業や確認にかかる負担が軽減されれば、経理担当者は、最終的な判断や分析など、本来人が担うべき業務により集中できるようになります。
経理の仕事は、正しく処理することはもちろんですが、数字の変化から会社の状況を読み取り、その背景にある要因を考え、経営判断に必要な情報を提供することも重要な役割です。AIが確認や処理を支援することで、人はこうした「考える」「判断する」そして「次の行動につながる情報を生み出す」ことに、より力を注げるようになるのです。

つまり、AIが力を発揮できるところではその支援を受け、人は人だからこそできる仕事に力を注げるように役割を分担することで、経理担当者は限られた時間を、会社の状況を読み解き、経営に役立つ情報を生み出すために使えるようになるのです。

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おわりに

AIの活用が広がるこれからのバックオフィスでは、「AIで何ができるか」だけでなく、人とAIがどのように共に働いていくかを考えることが、ますます重要になっていくでしょう。
AIに任せられることはAIの支援を受けながら、人は判断や分析など、人だからこそ力を発揮できる業務を担うという役割分担ができれば、AIは一部の人だけが使う便利なツールではなく、バックオフィスの仕事を支える身近な存在になっていくはずです。

OBCでは、こうした働き方を支えるため、「奉行AIチャット」や「奉行AIアシスタント」「奉行AIエージェント」など、さまざまなAIを提供しています。今後、AIを取り入れた業務への転換を検討されているのであれば、まずは自社ではAIとどのように共に働きたいのかを考え、そのためにどのようなAIが必要なのかを検討してみてはいかがでしょうか。

よくある質問

「AI活用業務スタイル」という考え方と従来のAI活用との違いは?

従来のAI活用では、担当者が必要な場面でAIを呼び出し、個々の作業を効率化する使い方が中心でした。「AI活用業務スタイル」という考え方は、AIを業務に後から「足す」のではなく、いつもの業務の中で、必要な場面で自然にAIの支援を受けられる、というものです。担当者がその都度AIを使うことを意識しなくても、日々の業務を進めながらAIを活用しやすくなります。

なぜ、AIを業務プロセスに組み込むことが重要なのか?

AIの活用を担当者個人の判断に任せていると、AIを使う人と使わない人が生まれ、活用方法や得られる効果にも差が出やすくなります。業務プロセスの中で必要な場面にAIの支援が組み込まれていれば、特定の担当者の経験やスキルだけに頼らず、日々の業務の中で継続的にAIを活用しやすくなります。その結果、一部の作業だけの効率化にとどまらず、業務全体の生産性や品質の向上にもつなげやすくなります。

バックオフィス業務では、どのような場面でAI活用業務スタイルが役立つ?

経理、人事労務、販売管理などのバックオフィス業務には、定型的な作業だけでなく、情報の検索や確認のほか、人による判断が必要になる業務が数多くあります。こうした業務の中で、必要な場面でAIの支援を自然に受けられるようにすることで、作業時間の短縮や確認負担の軽減、業務品質の向上につなげることができます。AIの支援を受けながら業務を進めることで、担当者が判断や分析など、本来人が担うべき業務により時間を使いやすくなることも期待できます。

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