IPOを基礎から学ぼう! IPO準備に必要となる外部関係者とは?

POINT
・重要かつ必須なのは「主幹事証券会社」と「監査法人」。
 他にも様々な関係者が関与する可能性有。
・主幹事証券会社からはIPO準備作業全般にわたり指導・助言を受ける。
・監査法人からは上場申請時の提出書類である財務諸表に対して監査意見をもらう。
・その他必要に応じてIPOコンサルティング、社会保険労務士、弁護士、税理士、証券印刷会社等にもお世話になる。
IPOを実現するためには、様々なサポーターの手を借りる必要があります。監査法人等の必須のサポーターからコンサルティング等任意のサポーターまで、全体像を解説します。
2018年12月4日

1.監査法人

 IPOに際しては、証券取引所の規則により、上場申請書類に含まれる財務諸表等について、監査法人による金融商品取引法に準ずる監査を受けていることが必要になります。 また、監査法人は、財務諸表の監査だけではなく、内部統制をはじめとした、IPO準備に関する助言や指導も行います。 なお、監査法人による監査は、原則として上場申請直前期以前の2年間の財務諸表等に対して必要となるため、監査法人との接点は、遅くとも直前前期の期首までには持つことが望ましいです。
 そして、昨今は監査法人に契約をしてもらえない(契約を更新してもらえない)「監査難民」も産まれていますので、なるべく早いタイミングで接点を持って関係を構築し、 監査法人のIPOに対するスタンスの変化を見極めながら、しかるべきタイミングでショート・レビューなどの具体的な契約を結ぶことが望ましいです。

2.証券会社

 IPOにおいて証券会社は、証券市場に関するあらゆる分野での専門家であり、特にIPOにおける中心的な役割を担う主幹事証券会社は、IPOを決断した会社の重要なパートナーとなります。 具体的には、IPOに向けた内部管理体制の整備や資本政策案の立案など、IPO準備の全般にわたり指導・助言を行います。 そのため、効率的にIPO準備を行うためには、できるだけ早い時期に主幹事証券会社を決定し、その指導・助言を得ることが望ましいです。

3.株式事務代行機関

 株式事務代行機関とは、会社法に定める株主名簿管理人のことであり、株式上場に際して株式事務の適切な運営を図るため、証券代行会社や信託銀行などの株式事務代行機関に委託することとなっています。

4.証券印刷会社

 上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)をはじめとした、各種申請書類の印刷や作成のためのツールやシステムの提供、そのチェックなどを行います。また、ディスクロージャーに関連した情報提供や助言なども行います。
 証券印刷会社では頻繁にIPO関連セミナーを開催したり、メルマガを配信しています。IPOを検討し始めたらまずはコンタクトを取ってみるといいかもしれません。

5.コンサルティング会社

 経営管理体制の整備や上場申請書類の作成などについての助言・指導に関する支援などを行います。コンサルティング会社をうまく活用し「時間」と「ノウハウ」を買うことで、効率的にIPO準備を進めることが可能となります。

6.弁護士

 ビジネス上の問題やコンプライアンスに関する事項など、法務面での助言・指導等を行います。また、内部通報制度を導入した企業の内部通報の窓口になる場合もあります。
 過去のコラムでご紹介していますが、審査基準に「企業の継続性及び収益性」という項目があります。 そこでビジネスに対する法規制を遵守しているかという点と、自社ビジネスの根幹となる知的財産権が適切に管理されているかという2点が確認されます。


新規性の高い事業に取り組んでいる場合などは要注意です。対応が後手に回りがちな法務ですが、問題が起こると解決に時間がかかったり、 レピュテーションリスクが生じたりと、IPOの足枷となる可能性がありますので、業種・業態によっては弁護士の活用も早い段階で視野に入れる必要があります。


7.税理士

 ストック・オプションの導入や資産管理会社の活用といった資本政策をはじめ、IPO特有の税務上の論点において、助言・指導などを行います。 多くの企業には元々顧問税理士がついていますが、IPOに際しては、従来の税務会計から企業会計へと転換する必要がありますので、上場企業を顧問先に持つ税理士(会計事務所)が望ましいです。
 また、資本政策に関しては一度実行してしまうと後戻りできないと言われています。とりあえず資金調達を・・・と考える前にぜひ資本政策が得意な税理士に相談してみてください。




8.社会保険労務士

 時間外労働や未払残業問題、社会保険未加入問題や名ばかり管理職問題など、IPO準備において多く見られる労務上の論点において、助言・指導などを行います。


 昨今、労務問題が社会的にも重要視されていますが、IPOにおいても同様です。 最近では、過重労働が疑われた場合、労基署の調査ではタイムカードのチェックだけではなくパソコンの起動時間・終了時間で労働時間を計算することがあるようです。 IPOに精通した社会保険労務士は数が少ないと言われていますが、IPO準備段階で労務問題をきちんとクリアしIPOを実現させるには、やはりIPOの経験豊富な社会保険労務士を探すことが懸命です。



執筆
IPO Compass編集部
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