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離職票とは?発行条件や起こりやすいトラブルと対処法

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従業員が退職する際、希望があれば企業は離職票を発行する義務があります。離職票の発行には、書類の準備や一定期間内の対応など手間のかかることが多く、手続きを怠ったり間違えたりしてトラブルになるケースもあります。
今回は、離職票の発行条件や発行の流れを整理するとともに、起こりやすいトラブル例と対応にあたっての注意点についてご紹介します。
※退職に伴う手続きに関しては、コラム「従業員の退職に伴う社会保険・雇用保険等の手続きと対応の注意点」でも詳しく解説しています。

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目次

離職票とは

離職票は、退職者が雇用保険の失業給付(以下「失業給付」)を受給申請するためにハローワークに提出する書類です。
ハローワークでは、給付に当たって要件確認や支給関連の事務処理を円滑に進めるために使用します。退職者は、離職票がなければ失業給付を受給できません。そのため企業は、退職者の希望に応じて一定期間内に交付手続きを行う義務があります。

離職票は、以下の2種類があります。

■離職票-1

企業が「雇用保険被保険者資格喪失届」(以下「資格喪失届」)と「雇用保険被保険者離職証明書」(以下「離職証明書」)を管轄のハローワークに提出し、ハローワークでの確認が終われば発行されるもの。いわゆる「資格喪失確認通知書」。

■離職票-2

離職証明書の複写として従業員に返却されるもの。在職中の賃金の支払状況や離職理由が記されている。

退職者は、これら2つの離職票と身分証明書、印鑑、マイナンバーを確認できるもの、写真(2枚)、通帳等を住居管轄のハローワークに持参し、求職の申込を行うことで失業給付を受給することができます。
離職票は、退職者の発行請求があった際に手続きを進めるものですので、退職希望を受理した際に離職票の発行を希望するかどうかを確認しておくことが望ましいでしょう。

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離職票の発行条件と手続きの流れ

離職票を発行するには、退職する従業員が「雇用保険に加入していること」が前提となります。もし退職希望者が雇用保険に加入していない場合は、離職票の発行ができない旨をしっかり説明してあげましょう。失業給付の受給の要件は、被保険者期間が「離職以前2年間に12ヶ月以上ある」こと(特定受給資格者および特定理由資格者は離職以前1年間に6ヶ月以上あること)となっており、給付される金額も離職前の給与額によって決定されますので、その旨も説明しておくとよいでしょう。
※雇用保険は、「31日以上引き続き雇用されることが見込まれる」かつ「1週間の所定労働時間が20時間以上」であることが条件になっていますので、アルバイトやパートなどの雇用契約でも雇用保険の加入対象となります。

発行の手続きには、企業が資格喪失届と離職証明書を管轄のハローワークに提出することが必要です。ハローワークへの提出は、被保険者でなくなった日の翌日から10日以内となっていますので、遅れないように注意しましょう。
※離職証明書の詳しい書き方については、コラム「要チェック!雇用保険被保険者離職証明書の書き方と作成・提出時の注意点」を参照ください。

ハローワークで確認が取れ次第、離職票-1と離職票-2が企業に返送されますので、退職者に交付します。
ただし、本人の手元に渡るまでには時間がかかり、一般的に退職日の翌日から2週間以内とされています。退職する従業員には、交付時期の目安を事前に伝えておくとよいでしょう。

離職票がらみで発生しやすいトラブルと注意点

離職票には、発行や受け渡しに際してトラブルが発生することも少なくありません。ここでは、離職票にまつわる「よくあるトラブル」について、その対処法や予防のコツなどをご紹介します。

■離職理由の異議申し立てがあった

離職票にまつわるトラブルで多いのが、離職理由に関するものです。
離職理由によっては、失業給付の所定給付日数が多くなったり、給付が早まったりする可能性があります。そのため、仮に退職者が「自己都合」退職したとしても、ハローワークで離職理由について異議申し立てをすることは珍しくありません。
例えば、配偶者の転勤に伴い離職を余儀なくされた場合、特定理由離職者の範囲「配偶者の事業主の命による転勤若しくは出向又は配偶者の再就職に伴う別居の回避」に該当する可能性があり(ハローワーク インターネットサービス「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」より)、うっかり「自己都合」退職の扱いにしてしまうと、一般被保険者と同等の扱いとなって基本手当の受給に不利益が生じるかもしれません。
こうしたトラブルを回避するには、離職証明書を作成する際に、退職者の離職理由を正確に把握することが大事になります。

離職証明書の具体的事情記載欄(事業主用)に、できるだけ詳しく離職理由を記載し、退職前(ハローワークに提出する前)に退職者本人に確認してもらいましょう。特に、一身上の都合による場合は、先のように「特定理由離職者」に該当しないか注意しておきましょう。

もし、管轄のハローワークから離職理由欄も含めた離職票に関する確認を求められ、届出済みの離職証明書に追加・訂正する場合は、事業主控えの離職証明書と資格喪失確認通知書(回収可能であれば本人分も含む)、補正すべき理由が確認できる理由書や書類等(賃金台帳、出勤簿等)を添付の上、ハローワークに「雇用保険被保険者離職票記載内容補正願」を提出します。

■離職票が届かない

「離職票がいつまでたっても届かない」というトラブルも多く見られます。離職票が届かない理由としては、以下のような理由が考えられます。

①手続きを忘れている

従業員が退職したら、原則、被保険者でなくなった日の翌日から10日以内に、資格喪失届を提出する必要があります。(雇用保険法第7条)未提出の場合、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます(雇用保険法第83条)ので、忘れずに手続きを行うことがトラブル回避のポイントです。

②ハローワークでの処理が遅れている

ハローワークが繁忙期の場合、受給資格の確認が遅れる可能性があります。退職者から「届かない」旨の連絡を受けた際は、自社での手続きが済んでいる場合はその旨を伝え、ハローワークに問い合わせましょう。

③宛先不明で戻ってきた

郵送などで離職票を交付する場合、退職後の住所に間違いがあると宛先不明で返送されることがあります。このような場合は、退職者に連絡を取り、正しい送付先を確認して再送付する必要があります。
どうしても退職者と連絡がとれない場合は、退職者から連絡があるまで離職票を一時保管することもあります。ただし、紛失しても、ハローワークに離職票控えが保管されていますので、退職者がハローワークで再発行の手続きをすることができます。
このような事態にならないためには、退職する従業員に対し、退職後もしばらくは連絡をとる可能性がある旨を伝え、退職後の住所だけでなく電話番号やメールアドレスなども事前に確認しておくことが賢明です。

④離職票の交付希望を聞いていなかった

従業員の希望に関わらず退職時に離職票を発行するという企業もある一方で、そもそも離職票の交付希望を確認しない企業もあります。自ら申し出ることを前提としていると、後々のトラブルにもつながりやすくなりますので、離職票の交付希望は確認しておくことが賢明でしょう。
また、退職当時は希望していなくても、時間が経って交付希望の連絡が入る場合があります。ハローワークでは離職票の発行に期限はありませんが、企業には離職証明書の保管期間があるため、「退職日から4年以内」であれば対応することができます。ただし、「再就職先から離職票の提出を求められた」などの理由の場合は、その目的が前職の使用期間や退職事由の確認であれば、退職証明書で良い旨を伝え、請求に応じて退職証明書の発行手続きを行いましょう。

■離職票を紛失した

退職者が離職票を紛失した場合、離職票の再発行が可能です。企業が再発行の申請を行う際は、「雇用保険各種届に係る再交付申請書」が必要になります。(様式は各ハローワークで用意していることがあります)
ただし、企業が対応できるのは離職証明書の保管期間となる「退職日から4年以内」となります。4年を過ぎて再発行の依頼を受けた場合は、離職証明書の保管期間が過ぎているためハローワークもしくはe-Govから申請するように伝えましょう。

■助成金が受給できない

雇用保険関連の助成金には必ず支給要件があり、概ね次のような文言が添えられています。
・対象労働者の雇い入れ日の前後6ヶ月間に事業主の都合による解雇や退職勧奨をしていないこと
・特定受給資格者となる離職理由の被保険者数が、対象労働者の雇い入れ日における雇用保険被保険者数の6%を超えていないこと(特定受給資格者が3人以下の場合を除く)
例えば、長時間労働やセクハラの放置、給与や残業代の未払い、労働契約と待遇の不一致などがあると、退職者は特定受給資格者として扱われる可能性があります。最近は、時間外労働の上限も法令で厳しく制限されており、法令違反と判断されると助成金が受給できなくなります。
また、「書き方が分かりづらい」「手続きに不慣れ」などの理由から、誤って離職理由を「会社都合」としてしまうケースも多いようです。
届出前には、離職理由が適切かどうか、「会社都合」に当たらないかどうかを、退職者本人としっかり確認しあうことが重要です。

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情報収集から電子申請まで対応するシステムでスムーズかつスピーディーに離職票の発行を

離職票は、退職者の今後の生活に影響するため、漏れなく、かつ迅速に対応する必要があります。しかし、手作業で書類を作成していると、気をつけていても転記ミスや誤記入などが発生しやすくなります。他業務との兼ね合いや繁忙期などで、提出前に入念にチェックすることが難しいケースもあるでしょう。書類に不備があると、後々トラブルにもつながりかねません。

簡単に、確実に、資格喪失届や離職証明書を作成・提出するには、退職を希望する従業員情報をデータで収集でき、かつ電子申請まで対応する仕組みに切り替えることをオススメします。

例えば、奉行Edge労務管理電子化クラウドは、退職希望者が必要な情報を専用フォームに入力するだけで、手続きに必要な従業員情報を収集・蓄積することができます。従業員は、スマートフォンの専用アプリやパソコンなどから必要な情報を簡単に提出できます。任意/必須の指定やヘルプとして表示する説明内容も自由に登録できるので、従業員が入力ミスや手続きで迷うことも少なくなります。
また、給与奉行クラウドと一緒に使えば、該当する従業員の賃金情報や勤怠情報を自動で取り込み、たった5秒で離職証明書が完成します。また、電子申請にも対応しているので、資格喪失届や離職証明書を作成したら、そのまま申請まで行えます。離職票など退職者に渡す書類も、審査終了後に届く「公文書確認のご連絡、審査終了のお知らせ」メールからダウンロードできるので、後は退職者へ書類を送付すれば完了です。

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さらに、総務人事奉行クラウドと連携させ、退職日が決まったその日から退職予定者として個別管理することもできます。
業務フローで退職手続きに必要な手順がシナリオで提供されるため、手続きの進め方で迷うこともなくなります。

こうしたシステムを利用すれば、スムーズに、かつ円滑に業務を進め、円満に退職してもらえる環境作りが可能になります。
最後まで従業員をいたわれる総務人事部門であるために、ぜひ導入を検討されてみてはいかがでしょうか。

離職票に関するよくあるご質問

離職票とは?
離職票は、退職者が雇用保険の失業給付を受給申請するためにハローワークに提出する書類です。
ハローワークでは、給付に当たって要件確認や支給関連の事務処理を円滑に進めるために使用します。退職者は、離職票がなければ失業給付を受給できません。そのため企業は、退職者の希望に応じて一定期間内に交付手続きを行う義務があります。
離職票の発行条件と手続きの流れは?
離職票を発行するには、退職する従業員が「雇用保険に加入していること」が前提となります。もし退職希望者が雇用保険に加入していない場合は、離職票の発行ができない旨をしっかり説明してあげましょう。失業給付の受給の要件は、被保険者期間が「離職以前2年間に12ヶ月以上ある」こととなっており、給付される金額も離職前の給与額によって決定されますので、その旨も説明しておくとよいでしょう。
発行の手続きには、企業が資格喪失届と離職証明書を管轄のハローワークに提出することが必要です。ハローワークへの提出は、被保険者でなくなった日の翌日から10日以内となっていますので、遅れないように注意しましょう。

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