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原価管理システムとは?
機能や導入メリットを選び方と合わせて紹介

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原価管理システムは、企業の経営における原価管理を効率化するためのツールです。原価管理において発生する複雑な計算を自動化し、正確性の高い原価管理を簡単に行う際に役立ちます。
この記事では、原価管理をシステム化するためのポイントや導入メリットのほか、原価管理システムの選び方などをわかりやすく解説します。原価管理を効率化し、生産性の高い経営をしていくための参考にしてください。

勘定奉行クラウド[個別原価管理編]

目次

原価管理システムとは原価計算などを効率良く行うためのツール

原価管理システムとは、企業が製品やサービスを提供する際に生じるコストを計算し、その管理を効率良く行うためのツールです。原価計算や予算実績管理(予実管理)、損益分析などを自動で行えるのが特徴で、正確性が高く、手間がかからない原価計算を実現します。

原価管理システムは、幅広い業種に対応できる「汎用型」と、特殊な原価計算を必要とする業種向けの「業種特化型」の2つに分類できます。建設業や製造業のように原価計算が複雑になりやすい業種では、業種特化型の原価管理システムを利用することでスムーズな自動化が可能になるでしょう。
ただし、原価管理システムを単体で使うことはほとんどありません。原価管理は、その他の業務と密接に関わるので、会計システムや販売管理システムなどと連携して活用するケースが多くなっています。

経営分析に不可欠な原価計算

原価計算は、正確な原価を計算して経営分析を行い、企業の利益を最大化するために行います。原価がわからなければ、適切な販売価格を設定したり、来期の予算編成をしたりすることもできません。また、決算書作成時にも、原価計算は不可欠です。

そもそも原価とは、商品を生産したり、サービスを提供したりする際のもととなる費用のこと。例えば、1,000円で販売している商品を500円で仕入れていた場合、商品の原価は500円となります。

ただし、上記はあくまでも売上原価であり、すべての費用が反映されているわけではありません。商品を販売するためには、スタッフの人件費や店舗の家賃、販売手数料など、仕入代金以外にもさまざまな費用がかかります。これらの費用をすべて含めた原価の計算が「全部原価計算」です。
一方で、商品の仕入れや製造にかかる変動費のみを対象とした原価計算は、「直接原価計算」といいます。

勘定奉行クラウド[個別原価管理編]

原価管理の目的

企業が原価管理を行う目的はいくつかあります。ここでは、一般的な原価管理の目的について解説します。

利益を把握するため

自社の利益の把握は、原価管理の主な目的のひとつです。正確な原価管理を行わないと、実際に商品を販売するのにいくらかかっているのか、いくら利益が出ているのかがわかりません。「1,000円の商品を500円で販売しているから利益が出ているに違いない」と思っていても、実際には仕入れにかかる送料や在庫を置くための倉庫保管料、人件費などで赤字になっている可能性もあるのです。
原価管理によってこのような問題が解消され、正確な利益がいくらなのかを把握できます。

コストを管理し、収益を最大化するため

正確な製品原価が把握できれば、適切な販売価格が決定できます。例えば、製造業の場合、これから作る製品にかかるあらゆる費用をもとに算出した「予定原価」と、実際の製造にかかった費用である「実際の原価」を比較することで、差額の発生原因の追求が可能です。

正確な原価情報を得ることによって、無駄にかかっていたコストや過剰な支出などが明らかになります。同時に利益率の高い製品やサービスが把握できるので、企業の成長に向けた合理的な意思決定を行うことが可能になるのです。

リスクに備えるため

原価管理システムでは、将来の仕入価格の変動に応じたシミュレーションなども行えます。過去の原価の推移を分析することで、将来のリスクに備えられるのです。
さらに、仕入価格の値上がりや商品の需要減少といった問題が起こった場合に、どのレベルまでなら黒字を維持できるのか、赤字になったときにどのように対処していくべきなのかといった検討も、原価管理をもとに行えるでしょう。

財務諸表を作成するため

貸借対照表や損益決算書などの財務諸表を作成するためにも、売上原価の計算が必要です。 財務諸表は、税務申告や利害関係者(ステークホルダー)への情報提供、経営方針の決定などに必須の書類です。原価管理は生産現場だけでなく、経理分野にも重要な役割を果たしているといえるでしょう。

原価管理の手順

原価管理では、繰り返し計算をする必要があります。そのため、自動化すると正確性向上と効率化につながるでしょう。原価管理は次の手順で行ってください。

1. 予定原価を設定する

まずは、相場の市場調査や過去の仕入実績などをもとに、予定原価を設定します。ちなみに予定原価は、製造の際の実績をもとにした原価である「標準原価」と新たな製品の企画などの段階で過去の知識・経験などをもとにした「見積原価」で構成されます。

2. 実際の原価を計算する

実際にかかった原価を計算します。商品の仕入値のほか、商品を販売するためにかかった費用をすべて洗い出して原価を出すのです。

3. 予定原価と実際の原価の差額を比較して分析する

予定原価と実際の原価の差を測定して、発生した差額の原因追求を行います。差が出ているということは、利益額が予定どおりではないということ。原因を突き止めて改善していかなければなりません。

4. 分析結果にもとづき適切な原価や価格を設定する

予定原価と実際の原価を比較し、原因を分析した結果にもとづいて、適切な原価や販売価格の検討を行います。実際の原価が高すぎるのであれば、予算に近づけるための施策を講じてください。 また、市場価格の変動によって仕入れ値を見直せない場合は、経費削減や販売価格の見直しなどが必要になります。

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原価管理の手法

原価管理を行うには、Excelや原価管理システムを使うことが一般的です。それぞれのメリット・デメリットは下記のとおりです。

Excelによる原価管理

Excelを使った原価管理は手軽に始められる上、初期投資が必要ないのがメリットです。 その反面、シートが増えると管理に手間がかかったり、入力に時間がかかったりといったデメリットがあります。

原価管理システムによる原価管理

原価管理システムによる原価管理は、必要最低限の情報を入力するだけで、原価計算や予実管理といった各種計算を自動で行えます。ほかのシステムと連携をとることも可能で、同じ数値を何度も入力する手間がかかりません。
初期導入コストや月額の費用などはかかるものの、人件費や負担軽減などのメリットのほうが大きいといえます。

経理部門の原価管理には会計システムが便利

原価管理は、現場だけでなく経理部門にとっても重要な役割を果たすものです。正しい原価管理ができていないと、予算編成や経営方針を検討する際の検討材料が不足してしまうからです。

しかし、原価管理は、生産・販売現場でしか行われていないケースも少なくありません。経理が関わらない原価計算では、部門をまたいで発生する固定費を正確に把握できない可能性があります。部門ごとや製品ごとの正確な原価計算を行うためには、経理部門も原価管理を行う必要があるのです。
部門ごとの原価管理が行える「個別原価管理」機能を有する会計システムを活用すれば、別途原価管理システムを導入しなくても、経理部門が部門ごとの原価管理を簡単に行えます。

部門をまたいで発生する費用を部門ごとに配賦し、さらに部門の中の製品ごとや費目ごとに計算し直して原価を求めるといった手間はかかりません。あらかじめ基準を設定しておけば、自動で共通の費用を配賦し、部門ごとや製品ごとの原価計算が行えるのは大きな魅力といえるのではないでしょうか。

原価管理システム導入の主な目的が経営判断や経理部門の原価管理であれば、原価管理だけに特化したシステムよりも、経理DXにつながる会計システムを導入したほうがいいでしょう。
現場レベルでの直接原価計算はExcel、全体の個別原価管理は会計システムと使い分けることで、それぞれに必要な情報と機能をカバーできるはずです。

■手入力と原価管理システムによる自動化された仕組みの比較

明示しなければならない事項

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業務システムの選び方

原価管理システムの導入を検討する際には、自社に合うものを慎重に選びたいところです。ここでは、原価管理に関する業務システムを選定する際にチェックすべき4つのポイントをご紹介します。

業界や商材に適しているか

業界によって原価計算の方法はさまざまです。汎用型のシステムで対応できる業界であれば問題ありませんが、そうでない場合は業界特化型のシステムを選択してください。

併せて、自社業務に適しているか、導入目的を叶えられるかといったチェックも行いましょう。 製造業や建設業など、厳密な原価管理が必要な企業であれば、原価管理に特化したシステムを導入するのがおすすめです。
一方、ソフトウェア開発などプロジェクト単位の原価管理をしたいと考えている企業であれば、会計視点で原価情報を得られ、間接費や労務費の配賦作業を自動化でき、なおかつ財務諸表に反映しやすい「個別原価管理」機能を有する会計システムがおすすめです。

拡張性はあるか

将来、必要な機能が増えた際、拡張が容易なシステムを導入していれば、業務システムの乗り換えをすることなく、継続利用が可能です。そのためにも、拡張性は重視しておきましょう。
とはいえ、闇雲に機能が多いシステムを選ぶと、操作性が悪くなったり、コストがかさんだりする原因になります。事業拡大や管理項目の増加などがあった際、必要に応じて柔軟に機能の拡張を行えるシステムの選択がおすすめです。

操作性は良好か

業務システムの操作性は、業務効率化につながる重要な選定ポイントです。日々の業務で使用するシステムの操作性が悪いと、経理担当者などのストレスや生産性の低下につながります。
わずかなタイムラグや操作上のひと手間をできる限り省いた業務システムを選べば、全体の業務効率を上げ、ストレスのない業務遂行が可能になります。

サポート体制は十分か

業務システムの導入時は、サポート体制についても十分確認してください。導入時のフォロー体制や、運用中のサポート窓口の種類、対応時間、追加費用の有無などをチェックしておけば、トラブル時にも安心です。
特に、業務システムの導入に慣れていない企業は、導入時に十分なサポートを得られるシステムを選ぶと、スムーズに移行しやすいでしょう。

原価管理の目的をよく検討し、目的にマッチした業務システムを導入しよう

原価管理システムを選定する際には、何のために原価管理をするのか、システムでどのような原価を求めたいのかをよく検討してください。原価管理システムにはさまざまな種類があり、それぞれ機能が違うので、希望を叶えられるシステムを慎重に選定する必要があるからです。

原価管理システムの導入目的が経営改善や経理における原価管理の場合には、個別原価管理ができる会計システムも選択肢のひとつといえます。クラウド会計システム「勘定奉行クラウド[個別原価管理]」なら、プロジェクトごとの原価管理を手間なく、正確に行うことができます。
改正電子帳簿保存法やインボイスといった昨今の法改正に対応している「勘定奉行クラウド[個別原価管理]」を活用して原価管理を行い、経理業務の効率化に役立てましょう。

石割 由紀人

■監修者
石割 由紀人

公認会計士・税理士、資本政策コンサルタント。PwC監査法人・税理士法人にて監査、株式上場支援、税務業務に従事し、外資系通信スタートアップのCFOや、大手ベンチャーキャピタルの会社役員などを経て、スタートアップ支援に特化した「Gemstone税理士法人」を設立し、運営している。

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