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時短勤務の給与計算はどうする?具体的な計算方法から注意点・効率化のポイントまで解説

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近年、働き方の多様化に合わせて「短時間勤務制度」の導入を進める企業が増えています。しかしその一方で、給与計算が複雑化し担当者の負担も増えているようです。
勤務時間を短縮すると、基本給や手当の計算だけでなく、賞与の支給割合や社会保険料の算定基準などを見直す必要があります。また、運用ルールを誤ると、従業員とのトラブルにつながる可能性もあります。
そこで今回は、短時間勤務制度の給与計算について、具体的な方法や注意点を整理しつつ、実務の正確性と効率性を高める方法を紹介します。

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目次

時短勤務とは?(法律上の定義と対象範囲)

時短勤務は、所定労働時間を短縮して働く制度(短時間勤務制度)を適用した働き方の総称で、育児や介護、治療、定年後の再雇用など、従業員の多様な事情に応じて導入される働き方のひとつです。企業が独自に「短時間正社員制度」などを設けるケースのほか、育児・介護休業法で企業に義務づけられている施策のひとつとして導入するケースも増えています。
そして、時短勤務を導入する際は、労使協定や就業規則で短時間勤務制度を整備することが求められています。

出典:厚生労働省 PDF「育児・介護休業法のあらまし

また、運用にあたっては、「不利益取扱いの禁止」「ノーワーク・ノーペイの原則」という二つの基本ルールを押さえておかなければなりません。

・不利益取扱いの禁止

「不利益取扱いの禁止」は、時短勤務を申し出たことや制度を利用したことを理由に、昇進・昇給・賞与・評価などで不当な扱いをしてはならないという考え方です。「時短勤務だから昇格の対象外とする」「制度を利用している従業員の賞与を一律で減額する」などは、合理的な理由がない限り、法律上問題となるおそれがあります。時短勤務を利用しても、職務内容や成果が同等であれば、評価や処遇で不利益を与えてはなりません。

・ノーワーク・ノーペイの原則

ノーワーク・ノーペイの原則は、「労働の提供がなければ賃金は発生しない」=「働いた分に応じて支払う」という労働契約上の基本原則です。時短勤務では、この原則に基づき、勤務時間が短縮された分だけ、基本給や手当を時間比例で按分して支給するのが適正な取扱いとなります。
つまり、時短勤務で給与が減ること自体は「不利益取扱い」ではなく、労働時間に応じた公正な計算の結果であるという点を理解しておくことが大切です。

時短勤務者の給与計算方法

時短勤務者の給与は、勤務時間の短縮に応じて正しく計算しなければなりません。
制度の趣旨を損なわず、利用者への公平な処遇を実現するには、労働時間に応じた賃金計算のルールを明確にしておくことが重要です。
ここでは、基本給・賞与・手当の3つに分けて、計算方法と実務上のポイントを整理します。

●基本給の計算

時短勤務者の基本給は、短縮された勤務時間に比例して算出するのが原則です。
例えば、所定労働時間8時間・月給25万円の従業員が、育児のため1日6時間勤務となる場合は、次のように勤務時間の短縮率を基準に時間比例で支給額を決定します。

ただし、介護による時短勤務のように、従業員の事情に応じて勤務日数や時間帯を柔軟に調整する場合、日ごとに勤務時間が異なるため、計算が複雑になります。このような場合は、勤務パターンを勤怠管理上で明確に設定し、就業規則で勤務区分ごとの支給率や算定基準を定めておくと、負担を減らして適正に計算できます。

基本給の計算で重要なのは、短縮分の減額は労働時間に応じた公正な計算結果であることを、合理的な根拠とともに説明できる状態にしておくことです。また、その内容に基づいて適切に判断されていることを立証するため、上長を含めた承認プロセスを整備することで、後のトラブルを防ぎやすくなります。

●賞与の計算

賞与は原則として評価期間中の「成果」「職務貢献度」に基づいて支給するものです。そのため、時短勤務であっても通常勤務と同等の成果を上げている場合は、単純に勤務時間比で減額するのではなく、評価指標や人事評価との整合性を踏まえて判断しなければなりません。
ただし実務上は、評価期間中の勤務割合に応じて支給額を按分するのが一般的となっています。この場合、賞与算定基準を就業規則または人事評価制度に明文化し、時短勤務者の取扱いを明確にルール化しておくことで、従業員の納得性を高めることができます。

(例)1年間の評価期間のうち6か月を時短で勤務した場合、
→就業規則に「勤務時間比率に応じて支給額を50%とする」などのルールを設定しておく

●手当の計算

時短勤務者への手当(通勤手当・役職手当・皆勤手当など)は、勤務形態・職務内容・手当の趣旨に応じて、支給基準を区分しなければなりません。ただし、手当の支給基準と実際の勤務実態(労働時間・職責範囲など)に整合性が取れていることが前提です。
例えば、通勤手当は実費精算を原則とするため、勤務時間の短縮による影響は少ないと考えられます。皆勤手当・精勤手当については、勤務時間や出勤日数を基準とするため、時間比例または日数比例で按分支給するのが妥当です。役職手当や職務手当の場合、職務内容や責任が時短勤務中も変わらないのであれば減額しない方が公平と言えます。

運用を曖昧にしたままにすると、手当の支給額にばらつきが生じ、内部不公平やトラブルにつながる可能性があるため、どの手当を比例支給とし、どの手当を固定支給とするかを明確に定義し、就業規則または賃金規程に明示することが大切です。また、賃金台帳上の区分を整理し、給与計算と人事評価の整合性を確保することも必要です。
給与システムでは、時短勤務を「ひとつの勤務区分」として管理すると、個別対応が減り、業務負担も大幅に軽減できるでしょう。

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時短勤務者の給与計算における4つの注意点

時短勤務の給与計算では、社会保険や税務の処理、給与項目ごとの扱いなど見落としやすい点も多く、勤務時間を短縮することによって計算が複雑になる場合があります。
実務の際は、次のような点に注意しておくことが大切です。

●社会保険料の減額と標準報酬月額の変更(随時改定)

時短勤務によって基本給や手当が減額されると、「随時改定」が適用され、社会保険料の標準報酬月額が変更されます。
随時改定は、固定的賃金が変動したときに、その変動後の3か月間の平均報酬に基づいて標準報酬月額を改定する制度です。時短勤務で基本給や手当が下がる場合は「固定的賃金の変動」にあたるため、随時改定が行われます。

随時改定を行う場合、対象者の「月額変更届」を作成し、速やかに管轄の年金事務所または事務センター※に提出する必要があります。届出が遅れると、社会保険料の過不足が発生し、本人・企業双方の保険料負担にズレが生じるおそれがあります。そのため、給与システムと勤怠データを連携させて給与計算と保険料を自動計算できる仕組みを整備しておくことが重要です。
※健康保険が全国健康保険協会(協会けんぽ)以外の場合(健康保険組合に加入している場合)は、健康保険組合にも提出が必要です。

●時短勤務でも給与が減額の対象とならないケースがある

時短勤務でも、給与の性質や職務の内容によっては、給与の減額対象とならない場合があります。例えば、成果報酬型(歩合制)や裁量労働制の職種のように、報酬が勤務時間ではなく成果や業績、職務遂行の結果に基づく場合、そもそも労働時間は給与に影響しません。また、管理職についても、担当業務や責任範囲が変わらない限り、職務手当や役職手当を減額しないのが適切です。
このようなケースで給与を時間比例で減額すると、従業員のモチベーション低下につながる可能性があり、必ずしも適切とは言えません。

給与の減額が妥当か否かは、職務責任の変化の有無や成果との関係を踏まえて判断すべきであり、その根拠を就業規則や賃金規程に明示する必要があります。また、給与を変更する際はその理由や計算方法を本人に丁寧に説明することも不可欠です。合理的な理由と本人の同意があれば減額は不利益取扱いには当たりませんが、説明を欠くと「評価を下げられた」と誤解される可能性があるため注意が必要です。

●時短勤務に関する給与ルールを明文化する

時短勤務者の給与計算をめぐるトラブルの多くは、就業規則や賃金規程に明確な定めがないことに起因しています。どの手当を勤務時間に比例して支給し、どの手当を固定支給とするのか、時短勤務時の賞与や昇給の扱いなどのルールが明文化されていないと、運用担当者の判断が分かれ、従業員との認識にもズレが生じやすくなります。
そこで、短時間勤務制度について、就業規則や賃金規程に「短時間勤務者の賃金取扱い」欄を設けておくことが大切です。特に支給・減額の基準、社会保険料の扱い、昇給・賞与の対象範囲などを整理しておくと、制度を利用する従業員に説明がしやすく、後のトラブル防止につながります。
また、制度変更や法改正に伴って賃金体系を見直す際は、労使協定の締結や従業員代表への意見聴取など、内容に応じた労基法上の手続きを経て改訂しなければなりません。

制度の導入とともに、「説明責任を果たせるルールとして文書化する」ことが、時短勤務を安定的に運用するコツです。

●育児時短就業給付金の手続きも忘れずに

2025年4月に、育児・介護休業法とともに雇用保険法が改正され、育児時短就業給付金制度が創設されました。この制度は、時短勤務により就業を継続する労働者を支援し、出産・育児を理由とする離職を減らすことが目的で、育児のために時短勤務を行う労働者の賃金減少分の一部が雇用保険から補填される仕組みが整えられています。
給付対象となるのは、2歳未満の子を養育しながら時短勤務をしている雇用保険の被保険者などで、支給額は賃金減少分のおおむね10%相当とされています。(ただし、支給限度額・最低額などの要件があります)
給付の申請は、事業主が取りまとめて行う形式で、勤務実績や給与支給額などを確認できる書類の提出が必要です。

企業としては、時短勤務者の給与計算を行う際、給付対象者を正確に把握し、就業規則や雇用契約書で賃金取扱いを明確にすることが求められます。

給与システムと勤怠管理システムの連携で精度と効率の向上を!

時短勤務者の給与計算は、勤務時間の短縮に伴う賃金の按分計算や社会保険料の改定処理など、判断や手入力を要する工程が多くあります。時短勤務者が複数おり、それぞれ勤務パターンや手当の計算方法が異なると、ミスを防ぐための確認にかかる時間も膨大です。
さらに、法改正によって算定基準や保険料率が変わるたびに、就業規則や給与計算式を更新する手間も発生します。育児・介護・治療など多様な働き方を支える制度が拡大する中では、手作業での運用は業務負担が増すばかりでしょう。

●給与・人事・勤怠がつながるクラウドサービスなら時短勤務の給与計算もラクに

こうした課題を解消するには、社員情報を自動で更新し、社会保険料なども自動判定する仕組みが必要です。
給与計算に必要な人事・勤怠・給与情報を一元管理できれば、社員情報や勤怠・給与の各処理結果が自動で反映されるため、データ転記や照合作業などの煩雑な計算業務を大きく削減でき、業務の効率化と正確性が担保できるようになります。クラウドサービスなら、法改正や料率変更にも即時対応でき、常に最新の制度に基づいて給与計算が行えます。

例えば、総務人事奉行iクラウドは、50種類約1,100個の管理項目で社員情報を一元管理でき、「育児時短」「介護時短」などの従業員の勤務履歴も管理できます。短時間事由を設定することで、どんな理由で時短勤務を行ったのかも把握でき、それぞれの始業・終業時間も管理できます。

給与奉行iクラウドには、月次更新で給与処理月を翌月にすると、社会保険料の徴収有無が自動判定され社員情報が自動更新されます。その後は、手当や所得税、社内保険料などがすべて自動計算されるため、毎月変動する項目(勤怠実績や当直回数など)を入力するだけで給与処理が完了します。

給与奉行iクラウドでは、雇用形態によって支給項目や計算式をパターン分けできるため、時短勤務用の賃金テーブル・時給換算基準を登録しておけば、個別調整の手間も減ります。賞与や皆勤手当などの「比例支給項目」も、事前に設定した条件式を使用して自動計算できるため、手計算の負担をほぼなくせます。

さらに、勤怠データを取り込んで、時短勤務者の勤務実績をもとに基本給・手当・控除も正確に算出できます。勤怠データはボタンひとつでインポートできるため、勤怠項目の入力がなくなり、集計の転記ミスなどもなくなります。奉行Edge 勤怠管理クラウドなら、自動連携されるため集計も勤怠データのインポートも不要です。

おわりに

時短勤務制度は、育児や介護など様々な事情を抱える従業員が働きやすい環境を作る上で、重要な取り組みです。しかし、給与計算業務の負担が大きくなると、「運用が難しい」と判断される可能性もあります。

実務を安定的に行うには、社員情報や勤怠情報と連携して、時短勤務でも適正に給与計算ができるシステムが欠かせません。また、度重なる法改正に即対応するためには、クラウドサービスの自動プログラム更新機能が有効です。
総務人事奉行iクラウドや給与奉行iクラウド、奉行Edge 勤怠管理クラウドのように、自動連携するシステム環境が整えば、時短勤務制度をはじめ多様な働き方に対応した確実かつ効率的な運用が実現できます。

働き方が多様化した時代だからこそ、担当者が安心して制度運用に集中できる環境のあり方を、今一度考えてみてはいかがでしょうか。

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