IPOコラム 第1回

数々のコンサルティングや事業戦略、ベンチャー企業支援など実績、経験豊富な
IPO専門家によるコラムをお届けしています。

第1回「IPOとは何か」

第1回「IPOとは何か」

  • 株式会社タスク 代表取締役社長 竹山 徹弥氏

    通信関連及びネット関連のコンテンツ制作会社にて事業統括部長として経営分野に参画。同社退社後、業務ソフトの開発会社にて経営及びシステムコンサルタントに従事。以後当社に参加し、上場申請会社における中期経営計画及び予算管理制度導入コンサルティング業務、上場申請書類作成コンサルティング業務、財務報告に係る内部統制(J-SOX)構築コンサルティング業務に従事している傍ら、大手信託銀行、大手監査法人にてセミナーの講師として活躍。
  • 株式会社タスク 代表取締役社長 竹山 徹弥氏

1.IPOとは?

IPOとは「Initial Public Offering」の頭文字をとった新規株式公開(*)という意味ですが、そもそも何故経営者はIPOに熱くなり決して楽ではない道を選ぶのでしょうか?本コラムにてその魅力とプロセスについて検証していきます。

* 株式公開とは、株主が同族あるいは特定の少数者のみに限られている状態から、株式を証券市場に流通させることによって、広く一般の投資者に資本参加を求めることをいい(所有と経営の分離の明確化)、株式上場により会社の株式は多数の投資者に保有・取引され、また、金融商品取引法の規制のもとに株式の投資判断のための情報開示が行われる。

2.上場メリットと責任

上場を目指す経営者はどんなメリットを享受するために上場準備に着手するのでしょうか。株式上場の主なメリットを以下に列挙します。

  • (1)資金調達力の向上、財務内容の充実
  • (2)知名度、信用度の向上
  • (3)人材確保の優位
  • (4)従業員の士気向上
  • (5)社内管理体制の強化
    • (a)組織的な運営
    • (b)会社の評価の確立
    • (c)パブリックカンパニーとしての確立
  • (6) 事業承継の円滑化

........となりますが、忘れてはならないのが「創業者利潤の確保」です。IPOは社長が意思を固めなければ成立しないプロジェクトであり、社長にとって「創業者利潤の確保」は非常に大事な要素となります。
一方でIPOのメリットを継続的に享受できる反面、IPOにより経営者は以下の責任を全うしなければなりません。

  • (1)会社情報の開示義務
  • (2)IR(インベスター・リレーションズ)
  • (3)金融商品取引法・上場規程等の遵守すべき法令・規則の拡大
  • (4)株主管理への配慮
  • (5)社内体制整備

従ってIPOをゴールと捉える経営者はそもそも上場会社となる資質のない経営者であり、IPO後に重くのしかかる責任を果たすことができません。経営者がIPOを選択するということは、IPOを機会に我が国で400万社以上ある会社のなかで上場企業3,600社の1社に選ばれる(公器になる)という自覚や、自分以外の株主に対し適時に経営に関するあらゆる事項の説明を必要に応じて行わなければならないという現実の受け入れはもとより、上場後の企業成長を約束し、実現できるものだけが新規で株式を公開できるという認識を強く持たなければなりません。

3.IPOを実現させるには?

私は最近10年間で300人以上のIPOを目指す経営者と交友してきましたが、IPOできない第1位の要因は業績の悪化や企業成長を担保できない企業でした。
上場してからすぐに失敗するパターンの第1位も同様でしたが、上場会社としての失敗ですので、経営計画の大幅な下方修正を行い市場から見放されたり、そのプレッシャーから粉飾決算を行ってしまい経営陣が退陣に追い込まれる等、何のための株式上場であったか悲惨な結末を迎えた経営者も少なくありません。また、上場してからの失敗はあらゆるステークホルダーに迷惑をかけることとなり、きらきら輝いていたはずの経営者の経歴や信用に黒い影を落としてしまいます。
やはりIPOを実現する経営者は 鳥の眼で上場後のビジョンを明確にし、虫の眼で経営を検証し、説明していかなければなりません。
私が交友させていただいている新潟の燕三条にあるスノーピークの山井社長はまさにIPOを実現し最短で東証1部まで到達された経営者ですが、その成功の秘訣はご自身の想いを伝えたうえでSMBC日興証券さんの熱心な指導を受け入れたことにあります。最初はIPOが初めてでしたのでとても受け入れがたい事項もあった模様ですが、 「IPOは企業成長の条件である、世界で、より人間性の回復に寄与する企業を創りたい。」との思いで指導を受け入れたそうです。いまでは、上場審査を通じで回答してきた販売戦略、海外戦略、生産戦略、メディア戦略、人材育成戦略(側近を子会社の社長につけ経営を学ばせるなど)等のあらゆる戦略をブラッシュアップし次の時代を創造されています。

また、IPO成功のもう一つの大きな要素としては 社長を支えている専務や管理部門のスタッフの存在です。山井社長が経営の中での管理部門の役割の重要性を理解し、期待していること、その期待に管理部門が確実に応えていることで会社は成長しているのです。そういえば、お付き合いした頃は売上高約30億円程でしたが現在では100億円に届くまで成長しています。改めて‘IPOは人の力’だと強く感じます。
スノーピークさんの新規上場~東証1部までの取り組みを通じて、私はIPO業界に身を置くものとして改めて大きな気付きを得ました。それは、IPO準備期間は審査をクリアするための期間というよりも上場後に業績だけではなく 上場会社として如何に成長していくかを学ぶ貴重な期間であるのだということです。

繰り返しになりますが、IPOを目指される経営者の第1条件は ①上場後の成長を担保することにあります。その条件をクリアできれば、次にパートナーとなる②IPO経験者のCFOをお迎えになられるとIPO独特(つまり上場会社としての行動)の考え方をよりスムーズに理解ができる様になると共に経営計画達成や更なる大きなビジョンの創造に集中できます。最後にパートナー(CFO)を通じて③証券会社や監査法人の指導に真摯に耳を傾け、IPOに向けた課題を一つ一つ解決することが最短のIPO成功への道となるのではないでしょうか。

以上

  • 第2回のテーマは「IPO実現までのスケジュール」です。
  • よくIPO準備に関する本には、IPO準備をスタートしてから少なくとも2年半から3年の期間がかかる、と記載されていますが、実際はどのくらいの期間を必要とするのでしょうか?最低限必要な期間や押さえるべきポイントをお届けします。

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