コロナ禍における各国の現状と海外子会社の管理体制とガバナンス強化に向けた課題~中国・シンガポール・タイ・ベトナム・ドイツの今とこれから~

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こんにちは。フェアコンサルティンググループと申します。フェアコンサルティングは世界17ヵ国29拠点に直営の事務所を有する会計事務所系コンサルティング会社です。
今回は弊社事務所がある以下の5ヵ国を抽出し、各国の現状(20221月現在)と日系企業としてのガバナンス維持に向けた課題を整理いたします。

  • 中国
  • シンガポール
  • タイ
  • ベトナム
  • ドイツ

目次

1.中国

多くの国が、ウィズコロナを目指す中、中国はゼロコロナ政策をとっており、少なくとも20222月開催の北京冬季オリンピックが終わるまでは、この方針を維持すると予想されています。ロックダウンや隔離など厳しい行動制限は個人消費を抑制し、生産・輸送業務で一部混乱が見られます。

多くの日系企業にとっての中国子会社は、相対的にビジネスが大きく、近年のグループガバナンスインシデントの中で連結PLの大きなインパクトがあったものは中国子会社に集中しております。グループガバナンス体制が崩れ、本社の目が行き届かなくなっている今、新たなインシデントの芽が出始めていないか、充分に注意が必要でしょう。

2.シンガポール

シンガポール政府は、ワクチン接種者を対象に隔離なしでの渡航を認める「ワクチン・トラベルレーン(VTL)」を発表し、202111月時点でその対象国を27ヶ国に拡大することを決めました。ただし、オミクロン株の発生で1223日から4週間は新規予約受け付けを停止しており、またこの27ヶ国に日本は含まれていません。

グローバルガバナンスの視点からも、ASEAN統括拠点として業務はシンガポール国内で完結しないことが多く、日本本社同様に国境を越えられず周辺国の子会社の管理に支障が出ています。

3.タイ

観光業の回復と渡航解禁の為のパイロットケースとして、20217月からワクチン接種者は隔離なしでプーケットなどの決まった地域に入国できる「サンドボックス・プログラム」が開始されました。対象エリアで7日間の滞在後は、タイ国内の他の地域への移動も可能です。

なお、タイでは20226月から個人情報保護法が施行される予定です。日本の改正個人情報保護法や欧州の一般データ保護規則(GDPR)と同様の趣旨ではありますが、一部異なる部分も存在しますので、その点を留意して対応を進める必要があります。

4.ベトナム

コロナ対策で優等生と言われていたベトナムも、20214月下旬からの第4波では多くの感染者が報告され、厳しい活動制限がとられました。一部の工場は生産の一時停止に追い込まれ、その結果、日本の製造業でもベトナムからの部品供給が不足するなどの事態が発生しました。

一方で、202211日から入国制限が緩和され、ワクチン接種完了者は自宅・宿泊施設での隔離期間が3日間に短縮、集中隔離が不要となりました(入国後14日目までは健康観察期間)。

コロナ禍でサプライチェーンにも影響が出る中で、生産現場の管理を強化する必要性が高まっています。 

5.ドイツ

現在、EU加盟国およびシェンゲン協定適用国(アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイス)の国籍者は、入国制限なくドイツに入国できますが、オミクロン株の発生により、今後、検査や隔離などの追加的な措置が取られる可能性はあります。日本からの入国は、ワクチン接種者(完了してから14日間経過している者)であれば、現在のところ隔離はありません。

ドイツ国内では、映画館、劇場などに入るにはワクチン接種証明書または回復証明書の提示が必要な「2Gルール」、飲食店の入店にはそれに加えて、陰性証明書またはブースター接種の提示が必要な「2Gプラスルール」が適用されています。

ドイツには欧州統括拠点が多く、EU域内で再び国境管理されると、決算やガバナンス体制に影響が出ることが考えられます。また、出張等の本社からのサポートによって運営が成り立っていた企業も多い中で、本社からのサポートを受けづらい状況も続いております。

6.解決手段

最後に海外拠点のガバナンス体制維持のための施策について触れておきます。それぞれの国の状況は異なるものの、特に国境を越えた移動の制約は長期化が見込まれます。

企業ガバナンスの観点から、人の移動を前提としないニューノーマルなガバナンス強化の施策を定着化される必要があります。また、グローバルな競争に勝ち抜くための生産性も考慮しなければなりません。

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