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22年度には経審申請も電子化へ!中小建設業のDXは現場と共有する業務のデジタル化から

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行政や多くの企業で取り組みが進められているDX(デジタルトランスフォーメーション)ですが、もはや建設業においても例外ではなくなってきています。
とはいえ、紹介されているDX事例は大手企業の取り組みが多く、「自社にはまだ難しい」と思われている中小企業も多いようです。特に建設業界のDXは、現場での事例が目立つため、バックオフィス業務の担当者から見れば「コストがかかりすぎて・・・」と高ハードルに感じているのではないでしょうか。
一方で、行政手続きも次々に電子化される中、22年度には建設業許可・経営事項審査の申請手続きも電子化される予定です。建設業界においても、もはや「現場のため」だけでなく、バックオフィス業務を含む取り組みが求められているのです。
そこで今回は、中小建設業のバックオフィス業務においてDXはどのような意義があるか、無理なく始めるにはどうすればよいか、などをご紹介します。

勘定奉行クラウド[建設業編]

目次

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは

デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation=以下「DX」)」は、「デジタル技術による変革」を意味します。特に、建設業界で行うDXは「建設DX」と言われ、現場を中心としてさまざまな取り組みが各社で行われています。

経済産業省では、 DXを次のように定義づけています。

■DXの定義

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

経済産業省 資料PDF
「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」(DX推奨ガイドライン)より

DXに活用される「デジタル技術」とは、クラウドやICT、IoT、AI、API、RPA、5Gなど、時代とともに進化する最新技術のことです。グローバルに拡大した企業競争力を高めるためには、これらの技術を活用して、製品やサービスだけでなく業務、組織などをも変革させることが必要、というわけです。そして、主に製品やサービスなど対外的な価値提供を高めるDX戦略を「攻めのDX」、業務処理の効率化や省力化など自社内の改革にデジタル技術を活用するDX戦略を「守りのDX」と呼んでいます。
DXには、さまざまなデジタル技術や情報をつなぐクラウドと、情報をデータで取り扱う環境が必須となります。紙の情報をデータ化し、クラウドを介してさまざまな拠点と共有できるようになると、複数の業務、多くの関与者の作業効率を上げることができます。
つまりDXは、単に「1つの業務を効率化するためのデジタル化」ではなく、「業務をデジタル化した先にある、全社的にもっと生産性を上げるための戦略」と言えます。
※DXについての詳細は、コラム「DXとは?デジタル化との違いや 中小企業が今すぐ始められるポイントをわかりやすく解説」もご覧ください。

勘定奉行クラウド[建設業編]

バックオフィス視点で考える「建設DXはなぜ必要なのか?」

「建設DXが必要」と言われている最大の理由は、長時間労働や人材不足、職人気質とされるアナログな対応の多さなど、現場におけるさまざまな労働課題が、DXによって解決につながると大いに期待されていることにあります。国土交通省でも、「i-Construction」を立ち上げ、建設現場にICTを全面的に活用することで建設生産システム全体の生産性向上を図り、魅力ある建設現場を目指す取り組みを進めています。
しかし、現場にデジタル技術を投資するのは、今のところ多額のコストが必要になります。建設業界の6割超を占める資本金1,000万円以下の中小企業・零細企業にとっては、いきなり現場のDX推進に取り組むのはリスクを伴うことにもなりかねません。
しかし、バックオフィス部門を起点に考えると、建設DXは次のような点で非常に有益であることが分かります。

●バックオフィス部門の深刻な人材不足をカバー

今、どの業界でも人材不足は大きな課題ですが、建設業界のバックオフィス部門で人材を確保するには、さらに困難を極めます。
例えば経理業務は、会計法や税法など多くの専門知識が必要であり、未経験者よりも経験者へのニーズが高い傾向にあります。そのうえ建設業の経理は、建設業界だけで使用する勘定科目を使ったり専門用語が数多く存在したりと、一般の経理にはない業界特有の専門性も求められるのです。
そもそも中小建設業のバックオフィス部門は、1人もしくは少人数で対応しているケースも多く見られます。毎日膨大な業務量に追われ、高い専門性も求められ・・・と、建設業におけるバックオフィス部門はすでに「労働力」が逼迫しているといえるでしょう。
現在は、バックオフィス業務で利用するシステムの多くがクラウドサービスで提供されています。こうしたサービスを利用すれば、多くの業務時間が短縮し作業効率をあげることができ、少人数でも経験が浅くても膨大な業務量を難なくこなせるようにもなるのです。

●経審の電子申請など行政手続きの電子化にも対応

今は、行政もさまざまなDXに取り組んでいます。手続き上の押印廃止をはじめ、社会保険や労働保険の電子申請化、法人税の電子申告など、さまざまな行政手続きのデジタル化が進められています。
電子申告や電子申請を選択すれば、書類の作成から提出までの業務を時短化・効率化することが可能です。そのため、現在は一部で義務化されている法人以外にも、多くの企業が電子申告・電子申請を活用するようになっています。
建設業特有の手続きにおいても、建設業許可・経営事項審査の申請手続きが2022年度に電子申請化されることが決まっています。
経審の申請書類を作成できるシステムは、現在も市場に多く提供されていますが、社内情報をすべてクラウドで管理・共有できていれば、現場の情報を自動で取り込んで、膨大な申請書類をあっという間に作成することができます。
今、すでに道路の使用許可のメール申請やドローンの登録手続きなどもオンライン化が進められており、今後はさらに電子化される建設業向け行政手続きも増えていくと予想されます。多忙な建設業のバックオフィス部門にとって、手間の多い行政手続きを上手く効率化することができるという点で、DXは非常に有益な取り組みとなります。

●経費削減を進めDX投資に活かせる

現場のDXを推進するには、多額の初期投資が必要になります。例えば、ICT重機なら1台約3千万円と言われていますし、レーザースキャナは約1千万円、ドローンでも約100万円、3Dソフトで数十万円は必要と言われています。
扱える人材も限られており、将来的には建設現場にICT活用が当たり前になるのでしょうが、今すぐ導入しようと思っても、営業利益率の低い中小建設業にとってはコスト面でも運用面でもリスクとなる可能性があります。
DXでは社内にデジタル環境を整備することになるため、さまざまなバックオフィス業務でペーパーレス化が進みます。現場で作成している支払予定表や部門別予算などをExcelで受け取り、そのまま会計システムに取り込むことができるようになるため、業務時間も短縮できるようになります。つまり、DXが進むほど、経費や人件費の削減が容易になるのです。
削減できた費用は、そのまま現場のDX投資に活用することができます。1つ1つの業務効率化で実現できる経費削減は微々たるものでも、効率化が進めば進むほど事業予算の拡大にもつながります。やがては、何百枚もの図面も紙からデータに置き換わり、現場でもペーパーレス化を進めやすくなります。
「現場のDXに取り組みたくてもできない」と思っている企業こそ、バックオフィス業務から始めることで現場のDX推進が実現しやすくなるのです。

●現場も含めてテレワーク環境が整備できる

コロナ禍でデスクワークにテレワークの導入が進んでおり、建設業界でも同様の動きが見られます。
例えば、バックオフィス業務でクラウドサービスを活用すれば、バックオフィス部門は確実にテレワークを実現できます。
また現場においても、社内手続きや勤怠の打刻・申請などにクラウドサービスを活用できるようにすれば、現場の従業員がオフィスを往復する必要もなくなり、作業時間と労力の削減にも貢献することができます。
ウィズコロナ時代を迎えた今、非対面・非接触の業務のあり方が標準化されようとしています。工事現場の作業自体をテレワーク化することはできなくても、まずはバックオフィス業務から始めることで現場も応用しやすくなるという点で、建設DXを進める意義は大きいと考えられます。

勘定奉行クラウド[建設業編]

建設業界事情に特化したクラウドサービスで
現場とやり取りする「業務のデジタル化」から始めよう!

中小建設業がDXに取り組むなら、まずはバックオフィス部門が「業務のデジタル化」を進めるところから始めると良いでしょう。特にお勧めしたいのは、現場とバックオフィス部門がやり取りする業務からデジタル化する方法です。

建設業界にもIT化の動きは徐々に広まりつつあるものの、中小建設業のバックオフィス部門では未だアナログ作業の業務フローが中心となっています。
例えば経理業務では、一般的に現場からの情報を基に会計処理するフローをとりますが、現場がExcelなどでデータ管理していても、バックオフィス業務でそのデータを活用できなければ、結局手作業に頼らざるを得なくなります。人事労務業務においても、例えば勤怠情報をExcelで管理していては手作業で集計しなければならず、残業超過にならないよう頻繁に集計作業を行わなければならなくなります。
とはいえ、現在紙でやり取りしている情報をいきなりデータでのやり取りに切り替えるのは、慣れないルールに現場もバックオフィスも負担が増す恐れがあります。
そこで、今すでにデータとして存在している情報を優先し、業務を自動化できる仕組みに切り替えることから始めてみましょう。そして、徐々にデータでやり取りする業務を拡大させていけば、負担も少なくスムーズにデジタル化を進められます。1つの業務がデジタル化すると、他の業務プロセスでも取り入れやすくなり、どんどんDXの基盤となるデジタル環境が整備されます。

その際、建設業界特有の事情にマッチしたシステムやクラウドサービスを利用することが肝心です。

例えば、勘定奉行クラウド[建設業編]は、建設業界に特化したクラウド会計システムで、資材発注明細表や現場別売上管理表など現場のExcelデータを取り込み、現場や工種まで含めた細分化された仕訳を自動で行うことができます。

原価計算や共通費の配賦なども自動化し、現場ごとの進捗率に沿って予算の消化率や粗利率をリアルタイムに分析できるため、非採算工事を早期発見することも可能です。もちろん、金融機関の入出金データも自動仕訳され、電子申告や電子納税にも対応しています。
複雑で時間のかかる経審の申請作業も、勘定奉行クラウド[建設業編]のように、日々の仕訳を起票するだけで提出用の申請書類を自動作成できる機能があれば、申請書の作成業務を簡単に効率化することもできます。国土交通省のExcelテンプレート※に自動出力できるため、そのまま申請書として提出できます。
※地方自治体固有の申請内容に対応するための編集も可能です。詳しくはお問い合わせください。

このように、建設業会計が適正に行える機能を備え、かつ、現場や金融機関、行政など広く情報でつながることのできるシステムなら、経理業務の効率化、生産性向上も容易になるでしょう。

また、人事労務業務では、「現場に応じた適切な方法で従業員が情報を提出できる」という点もカギとなります。
例えば、奉行Edge勤怠管理クラウドは、スマートフォンアプリを使って現場から打刻や勤怠申請ができます。建設現場における労働時間の適正管理は長年課題となっていましたが、これなら、従業員の作業現場が変わっても無理なく正確な労働時間管理ができ、日報も集めやすくなり、残業対策も打ちやすくなります。
実際、奉行Edge勤怠管理クラウドを導入し複数の打刻ツールを使い分けることで、正確性と労働時間の可視化が実現し、現場の残業抑制につながったという事例もあります。総務部門では、集計作業や分析作業などが不要になり、勤務実績を数分チェックするだけで完結するようになったため負担は急激に軽くなったといいます。(詳細は奉行クラウドEdge導入事例集「株式会社上田組様」をご覧ください)
その他、現場の作業員の健康管理についても、クラウド型の健康管理サービスがあれば点在する現場の従業員の健康をバックオフィスから見守ることが簡単になります。最近は、奉行Edgeメンタルヘルスケアクラウドのように、日頃のストレス状況を把握しメンタル不調者の事前発見から専門家を交えたケアまで企業のメンタルヘルスケアを自動化するクラウドサービスもあります。奉行Edge勤怠管理クラウドでも休息不足者やメンタル不調者を自動抽出するので、2つのサービスが連携すれば健康マネジメントを手間なく行うことが可能です。

勘定奉行クラウド[建設業編]

おわりに

DXは、市場を攻めるだけの戦略でもなければ、「1つの仕組みをデジタル化すれば終わり」というものでもありません。次々に開発されるデジタル技術をうまく活用し続けることで、自社の生産力を上げ、市場競争に打ち勝つ戦力を高めることになります。おそらく、これからの企業力は、DXを支える内部のデジタル体制の強さに比例することになるでしょう。

建設業は、現場とバックオフィスの連携が強化されるほど、生産性を大きく上げることができるビジネスモデルです。社内の「業務のデジタル化」を浸透させれば、大手ゼネコンに負けない組織作りも可能ですし、「守りのDX」によって経費削減が進めば現場のICT機器導入の可能性も広がります。
特にこれからは、「業務のデジタル化」時代とまで言われています。「建設DXは難しい」と落胆せずに、現場とバックオフィス部門が連携して行う業務から、少しずつデジタルシフトを始めてみてはいかがでしょうか。

OBCでは、建設業のバックオフィス業務を劇的に改善する方法をご紹介しています。詳しくはお問い合わせください。

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