健康経営優良法人とは?メリットや認定基準、取得に活かせる運用のヒントを紹介

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コロナ禍の今、「健康経営」を推進する企業が増えています。そして、そうした企業から注目を集めているのが、経済産業省の「健康経営優良法人認定制度」です。
2017年度にスタートし、2021年度には大規模法人部門1,794法人、中小企業法人部門7,933法人が認定されました。(2021年8月1日発表)
健康経営優良法人に認定されることは「ホワイト企業のステータス」にもなるため、企業にとって様々なメリットをもたらすと言われています。
そこで今回は、健康経営優良法人認定制度について、認定基準やメリット、認定取得にも活かせるコロナ禍での健康経営実現のヒントなどを紹介します。

目次

健康経営優良法人認定制度とは

「健康経営優良法人」が注目される理由

健康経営優良法人 認定で得られる4つのメリット

「健康経営優良法人2022」の認定要件

選考フローと「健康経営優良法人2022」の申請スケジュール

これからの健康経営は「デジタル化」によるPDCA運用がカギ!

おわりに

健康経営優良法人認定制度とは

「健康経営優良法人認定制度」は、経済産業省が企業の健康経営の取り組みを促進するため、2016年に創設された評価制度です。

そもそも「健康経営」とは、企業が従業員の健康に配慮することで、経営面においても大きな成果が期待できるという考えのもと、従業員の健康管理を経営的視点から考え戦略的に実施することをいいます。
経済産業省では、そうした企業の取り組みを促進するため、健康経営評価制度を設けています。健康経営に取り組む優良法人を「見える化」することで、従業員や求職者、関係企業や金融機関などから社会的に評価を受けることができる環境整備を目指しています。

これまでも「健康経営銘柄」への認定制度はありましたが、東京証券取引所の上場企業の中から選定されるため、認定基準がごく一部の企業に限られていました。
健康経営優良法人認定制度は、そうした選定基準の垣根を外し、上場していない大企業・中小企業も対象として、「優良な健康経営を実践している企業」を顕彰する制度となります。
健康経営優良法人認定制度では、大規模法人・医療法人を対象とした「大規模法人部門」と、中小規模・医療法人を対象とした「中小規模法人」に分けて健康経営優良法人を選定します。そして、特に優良な健康経営を実践している上位法人に対して、「ホワイト500」(大規模法人部門)、「ブライト500」(中小規模法人部門)という特別称号が与えられます。

経済産業省PDF資料「健康経営の推進について」より
出典:経済産業省PDF資料「健康経営の推進について」より
経済産業省「健康経営優良法人認定制度」より
出典:経済産業省「健康経営優良法人認定制度」より

「健康経営優良法人」が注目される理由

2017年度に始まった健康経営優良法人認定制度ですが、制度開始からの5年間の推移を見ても分かるように、2020年から急激に認定件数が増えています。

経済産業省資料(2021年8月1日現在)より
経済産業省資料(2021年8月1日現在)より

こうした注目の背景には、若手労働者の健康ニーズの上昇や、新型コロナウイルスの影響など、現代の日本が持つ様々な要因によって企業が健康経営へのシフトを迫られていることに起因しているようです。

例えば、経済産業省が2016年に行った就職活動中の学生や親を対象にした調査によると、就職先を選ぶのに健康に配慮した企業かどうかを非常に重視する傾向が見られます。このことからも、今や健康経営は、若手人材の確保の成否にも大きく影響していることがわかります。

経済産業省 資料PDF「第13回健康投資WG 事務局説明資料①」より
出典:経済産業省 資料PDF「第13回健康投資WG 事務局説明資料①」より

また2020年以降は、新型コロナウルス感染拡大による度重なる緊急事態宣言を受け、多くの企業でリモートワークが日常化し、働き方が大きく変化しています。そのため、企業側でも従業員の健康を守るべく様々な対策が取られるようになり、健康経営に取り組む企業が増えてきています。

日本の労働人口は依然として減少傾向にあり、労働者不足の中での人材確保は企業にとってさらに大きな課題となっています。
そうした背景のもと、アフターコロナを見据えた企業の間で、健康経営優良法人の認定取得や「ホワイト500」「ブライト500」に関心が高まっていようです。

健康経営優良法人 認定で得られる4つのメリット

健康経営優良法人に認定されると、企業には次のようなメリットがあります。

① 人材確保に有利になる

先にも述べたように、学生の企業選びでは、「働きやすさ」だけでなく「健康への配慮」も重視される傾向にあります。健康経営優良法人の認定を受ければ、従業員の健康に配慮する「ホワイト企業」イメージを醸成できるので、人事採用活動でも求職者を集めやすくなります。
事実、健康経営優良法人に認定された企業では、学生の内定辞退がほとんど出ていないことも注目されています。

② 企業イメージが向上する

健康経営優良法人に認定された企業は、経済産業省のホームページに社名が掲載されます。また、認定の証として付与されたロゴマークは、広報活動に広く利用できるので、健康経営に積極的に取り組んでいる証が“見える化”し、顧客や取引先、求職者などに対し自社のイメージアップを図れます。(使用に当たっては規定があります)
さらに、健康経営優良法人は非上場企業でも認定を受けることができます。将来的にIPOを検討しているのであれば、健康経営優良法人であることが投資家からの高評価につながる可能性を高めるでしょう。

③ 自治体や金融機関などのインセンティブが受けられる

健康経営優良法人や健康経営に取り組む企業向けに、自治体や金融機関などが融資や減免措置、表彰など様々なインセンティブを設けています。
インセンティブを付与する機関は年々増加傾向にあり、企業にとってブランディングや事業拡大に有利に活用できます。 ※ インセンティブの詳細については、経済産業省ホームページを参照の上、各機関に問い合わせください。

経済産業省 資料PDF「中小企業への健康経営の普及」より抜粋
出典:経済産業省 資料PDF「中小企業への健康経営の普及」より抜粋

④ 生産性が向上する

健康経営優良法人の認定を受けるためには、社内で具体的に健康の保持・増進施策を実施する必要があります。施策そのものは多種多様にあり、一時的な取り組みにはならないため、なかなか思うような成果を上げることは難しいと感じるかもしれません。
しかし、そうした取り組みを行うことで従業員の健康保持・増進が実現できれば、従業員一人ひとりのパフォーマンスが向上し、生産性もアップします。やがて業績の向上につながり、結果として「健康で働きやすい職場」と評価され、従業員の長期定着にも貢献できる取り組みになります。

「健康経営優良法人2022」の認定要件

健康経営優良法人の認定に関して、次の5つのジャンルにおいて基準が設けられています。

  1. 経営理念・方針(経営者の自覚)
  2. 組織体制
  3. 制度・施策実行
  4. 評価・改善
  5. 法令遵守・リスクマネジメント(自主申告)

例えば、8月30日に申請が開始された「健康経営優良法人2022」(中小規模法人部門)の認定要件は、次のようになっています。
※ 健康経営優良法人2022(大規模法人部門)の認定要件についてはこちらから。

経済産業省「健康経営優良法人の申請について」より
出典:経済産業省「健康経営優良法人の申請について」より

前年度に当たる「健康経営優良法人2021」(中小規模法人部門)からの変更点は、「4.評価・改善」が必須項目になったことと、「3.制度・施策実行」で受動喫煙対策に関する項目の追加や必須項目の増加が見られることです。
項目の追加や必須扱いの引き上げについては、今後の健康経営施策の主軸になる問題への意識強化という狙いがあります。
注目しておきたいのは、「4.評価・改善」が必須項目になっている点です。健康経営は、施策を実施したらその結果をフィードバックし、繰り返すことで環境改善を実現していくもので、一過性で終わらせるものではありません。認定要件に評価・改善が必須になったことは、PDCAサイクルが健康経営において重要視されていることを意味します。

なお、「健康経営優良法人2021」では、調査時点で新型コロナウイルスの急速な拡大が見られたため、健診や具体的施策(イベントなど)に関して臨時的に救済措置を設けられましたが、感染拡大から1年以上が経過し、健康経営に取り組む法人の多くがコロナ禍でも代替手段により取組を継続している状況に鑑み、健康経営優良法人2022では救済措置が撤廃されています。
ただし、一般定期健康診断受診率の算出のみ、2020年度の健康診断の実施について一部要件が緩和されています。

経済産業省 資料PDF「健康経営優良法人2022(中小規模法人部門) 今年度の概要と主な変更点」より抜粋
出典:経済産業省 資料PDF「健康経営優良法人2022(中小規模法人部門) 今年度の概要と主な変更点」より抜粋

選考フローと「健康経営優良法人2022」の申請スケジュール

経済産業省が発表している選考の流れを見ると、大規模法人部門はまず始めに健康経営度調査に回答し、事務局へ提出する必要がありますが、中小規模法人部門においてはそうした調査がありません。
中小企業が申請する場合は、加入している協会けんぽ、健康保険組合連合会、国保組合などが実施している健康宣言事業に参加し、認定要件に該当する具体的な取り組み内容を申請書にまとめて事務局に提出します。(保険者が実施していない場合は、自治体が実施する健康宣言事業も可)
提出後、認定審査が行われ、日本健康会議において認定されることになっています。

経済産業省「健康経営優良法人の申請について」より
出典:経済産業省「健康経営優良法人の申請について」より

2021年9月現在、「健康経営優良法人2022」の申請はすでに始まっており、中小規模法人部門の受付は同年11月1日(月)17時をもって締め切られます。また、認定時期は2022年3月頃に予定されています。

「健康経営優良法人2021」スケジュールとの違いは、以下のようになっています。

<中小規模法人部門のスケジュール>

経済産業省 資料PDF「健康経営優良法人2022(中小規模法人部門) 今年度の概要と主な変更点」より抜粋
出典:経済産業省 資料PDF「健康経営優良法人2022(中小規模法人部門) 今年度の概要と主な変更点」より抜粋

※「健康経営優良法人2021」では、新型コロナウイルスの影響を考慮して中小規模法人の申請期間が延長されましたが、「健康経営優良法人2022」では延長は行われません。
※ 健康経営優良法人2022(大規模法人部門)の申請期間、スケジュール等についてはこちらから。

これからの健康経営は「デジタル化」によるPDCA運用がカギ!

健康経営の実現に対し、これまでは経済産業省でも「まずはできるところから」取り組むことを推奨してきました。しかし、健康経営優良法人への関心が高まるとともに、認定要件も年々厳しくなっています。ましてや、PDCAサイクルでの運用となると、それなりの仕組みが必要になります。
また、日本労働組合総連合会(連合)が実施した「テレワークに関する調査2020」 (2020年6月発表)によると、リモートワークは長時間労働に陥りやすいことが分かりました。
コロナ禍でリモートワークが日常化している今となっては、遠隔でも過重労働やメンタル不調を管理できるよう、健康経営のあり方自体も“進化”しなければなりません。

そこでオススメなのが、在宅勤務やテレワークなどオフィス外での働き方を導入しても、従業員の健康管理が適切に行えるクラウドサービスの活用です。クラウドサービスなら、インターネットを介して利用できるため、在宅勤務やテレワーク時でも柔軟に対応でき、労働環境の改善を目指すプログラムがあればPDCAサイクルで運用することも可能です。

例えば、奉行Edgeメンタルヘルスケアクラウドのような従業員のメンタル不調を把握・予防・改善などの健康管理が行えるサービスなら、リモートワーク時に起こりやすいメンタル不調や長時間労働による不調にも適切に対応することができます。

奉行Edgeメンタルヘルスケアクラウドは、奉行Edge勤怠管理クラウドと連携し、勤怠の乱れや残業超過、仕事の変化などの不調のサインを自動検知できます。従業員がメンタル不調に陥る前に検知できるので、未然に休職・退職リスクを防ぐことにもなります。

健康マネジメント

また、メンタルヘルスケアに精通した専門スタッフによる「相談窓口」を標準提供しており、プライベートを含めたメンタル不調に関わる様々な悩みについて、従業員自身が気軽に相談できる仕組みが整います。 さらに、日々のメンタル状況をチェックする機能やストレスの低減を目的としたセルフケア学習機能もあります。時間や場所を問わず利用でき、個人でストレスに対する対処方法を身につけることができます。

こうした機能があれば、従業員も自らメンタル不調に向き合いやすく、より円滑なPDCAサイクルも生まれるでしょう。

従業員50人以上に実施義務が課されているストレスチェックも、クラウドサービスなので、スマートフォンやPCから場所を問わず受検することができます。
実施に際しては、ストレスチェック制度の業務手順に沿ってメニュー表示されるため、担当者が不慣れでも迷わず進めることができます。また、法制度に準拠した実務手順とノウハウを習得できる運用ガイドブックや動画、マニュアル、書面テンプレートなども提供しているので、手間なくスムーズに法令に沿った内容で実施できます。

ストレスチェック制度対応

さらに、組織分析など分析・改善レポートも標準提供しているので、メンタルヘルスケアに向けた改善アドバイスに沿ってすぐに環境改善に取り組むこともできます。

こうした仕組みを活用すれば、在宅勤務やテレワーク中の従業員にも適切にメンタルヘルスケアが行え、コロナ禍でもリスクマネジメントの体制を構築できるようになります。

リスクマネジメントの体制

おわりに

コロナ禍での労働環境や業務の課題は、リモートワークの実施で解消しつつあるものの、従業員の健康面へのフォローが手薄になる傾向があります。見えないからと放置していると、メンタル不調によりモチベーションの低下などを招く可能性が非常に高く、離職や自殺など労災に発展する可能性もあります。コロナ禍における健康経営では、メンタルヘルスケアが最重要課題とも言えるでしょう。

どんな事態でも従業員が安心して働けるように、これからはPDCAサイクルで運用できるメンタルヘルスケア専用のクラウドサービスを取り入れてみませんか。

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