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労働時間等設定改善法(労働時間等の改善に関する特別措置法)

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労働時間等設定改善法(労働時間等の改善に関する特別措置法) とは

OBC360°用語集

労働時間等設定改善法とは、労働者が能力を有効に発揮し、労働者の健康で充実した生活の実現と経済の発展を目的に、企業に労働時間等の設定の改善を求める法律です。1992年に期間限定で制定された「労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法」(通称:時短促進法)を前身としています。
当初は、「年間総労働時間1800時間」を目標として完全週休2日制の普及促進等が進められました。その後、一律的な労働時間の短縮ではなく、育児や介護、休暇、多様な働き方、労働者の健康や生活にも配慮した指針に改められ、時短促進法が期限を迎えた2006年に名称を変更して施行されました。

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労働時間等設定改善指針(以下、「指針」)では、「経営者自らが主導して職場風土改革のために意識改革に務めることが重要」とし、「週労働時間60時間以上の雇用者の割合を2020年までに5割減」「年次有給休暇取得率を2020年までに70%に引き上げ」を社会全体の目標値として定め、以下の項目への取り組みを定めています。

① 労使間の話合いの機会の整備
○労働時間等設定改善委員会をはじめとする労使間の話合いの機会の整備等

② 年次有給休暇を取得しやすい環境の整備
○年次有給休暇管理簿の活用 ○計画的な年次有給休暇の取得、年次有給休暇の連続取得 ○年次有給休暇の時間単位付与制度等の検討 ○転職が不利にならない等のための年次有給休暇付与の早期化の検討 ○子供の学校休業日に合わせた年次有給休暇取得への配慮等

③ 時間外・休日労働の削減
○「ノー残業デー」、「ノー残業ウィーク」の導入・拡充 ○時間外労働の上限規制導入を踏まえた長時間労働の抑制 ○テレワークの活用、深夜業の回数制限、勤務間インターバル、朝型の働き方の検討等

④ 労働者各人の健康と生活への配慮
○特に健康の保持に努める必要があると認められる労働者 ○育児・介護を行っている労働者 ○公民権の行使等を行う労働者 ○単身赴任中の労働者 ○自発的な職業能力開発を行う労働者 ○地域活動等を行う労働者等への配慮

⑤ 他の事業者との取引上の配慮
○納期の適正化、頻繁な発注変更の抑制、発注方法の改善等

また、2019年4月1日に「労働時間等設定改善法」および指針が一部改正されます。この改正は、働き方改革関連法の成立により「勤務間インターバル制度の導入の努力義務」や「時間外労働の上限規制」などが新設されることに伴って見直されるものです。

<労働基準法改正に伴う指針の追加・変更>

  • 時間外労働の上限規制の導入
    時間外労働の上限は「月45時間、年360時間」を原則とし、臨時的な特別な事情がある場合でも「年720時間、単月100時間未満(休日労働含む)、複数月平均80時間(休日労働含む)」に改正されます。これを受けて、指針では「時間外労働の上限規制の導入を踏まえつつ、労働基準法に基づく指針に基づき時間外労働・休日労働の削減に取り組むこと」が追加されます。
  • 一定日数の年次有給休暇の確実な取得
    改正労働基準法で「10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、5日について、毎年時季を指定して与えなければならないこと」「年次有給休暇の取得状況の把握のため、年次有給休暇管理簿を作成すること」が義務化されます。これにより、指針でも「年次有給休暇の時季指定義務に留意しつつ、計画的な年次有給休暇の取得促進に取り組むこと」「年次有給休暇管理簿を作成した上で、その取得状況を労働者およびその上司に周知すること」が追加となります。

<労働時間等設定改善法改正に伴う指針の追加・変更>

  • 勤務間インターバル制度の普及促進
    2019年4月より勤務間インターバル制度が事業主の努力義務となります。そのため、労働時間等設定改善法では、「労働時間等の設定」の定義に「深夜業の回数」「終業から始業までの時間」を追加し、「事業主等の責務として、前日の終業時刻と翌日の始業時刻の間に一定時間の休息を確保すること(勤務間インターバルの導入)に努めなければならない」という項目が加わります。指針についても「深夜業の回数の制限、勤務間インターバルおよび朝型の働き方の導入を検討すること」が追加されます。
  • 取引上の配慮促進
    2006年の改正時にも「事業主は、他の事業主との取引を行う場合、先方からの急な納期発注、週末発注・週明け納品など長時間労働につながる要因となる取引を行わないように配慮する規定」が設けられました。しかし、依然として短納期発注や頻繁な仕様変更等による長時間労働が改善されないことから、事業主が取引上配慮すべき事項について、「事業主の責務として、短納期発注や発注の内容の頻繁な変更を行わないよう配慮するよう努めるものとする」という項目が追加されます。指針も、「特に中小企業等において時間外労働・休日労働の削減に取り組むに当たっては、長時間労働につながる取引慣行の見直しが必要であること」と改正されます。
  • 労働時間等設定改善企業委員会の新設
    労働時間等設定改善委員会は事業場単位で設置することが可能ですが、今回の改正で企業単位での設置も法制化されました。これは「労働時間」、「代替休暇」、「年次有給休暇」、「年次有給休暇の計画的付与」等の改善に向けて労使の自主的な取り組みをより一層促進するため、企業内で設置される労働時間等設定改善委員会を明確に位置づけることによって、同委員会の決議は法律上の特例として労使協定に変えられることになります。
  • 労働時間等設定改善委員会の議決に係る労働基準法の適用の特例
    労働時間等設定改善を推進するため、企業内で労働時間等の問題について労使が話し合い、その成果を実施するための体制を整備するために「労働時間等設定改善委員会」を設置することは事業主の努力義務とされています。これまでは、衛生委員会または安全衛生委員会を「労働時間等設定改善委員会」とみなす措置がありましたが、2019年4月の法改正によって廃止されます。

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