毎年大変な年末調整業務を効率化するたった1つの方法とは?―電子化による脱・紙業務のススメ―

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毎年10月になると、そろそろ年末調整の準備が始まります。
多くの場合、税額計算は給与システムで行えるようになっていますが、提出される書類は多く、年々申告内容も複雑になっており、情報を給与システムにインプットするまでの作業が担当者にとって大きな負担となっています。ましてやコロナ禍では、出社して対応することが難しくなる可能性も考慮しなければなりません。
そんな中で年末調整業務を効率よく適正に進めるには、どうすればよいのでしょうか。
今回は、年末調整が担当者の負担になりやすい原因をひもときながら、業務効率を最大化する方法についてご紹介します。

目次

年末調整とは ―なぜ年末調整業務が必要なのか

年末調整業務を多忙にしてしまう原因は“紙”の申告書にあり!

年末調整をデジタル化すれば従業員も担当者も負担が大幅減!

おわりに

年末調整とは ―なぜ年末調整業務が必要なのか

年末調整とは、従業員の給与や賞与に基づき算出される所得税(復興特別所得税を含む)を、適切に納付するために行う手続きです。所得税は、1年間(1月1日から12月31日まで)に生じた全ての所得に課税されますが、企業に勤める労働者は概算で毎月の給与から天引きされています。そのため、年間所得が確定した時点で、本来収めるべき税額との過不足を精算する必要があります。それが“年末調整業務”になります。

年末調整では、納税者の個人的な事情を加味して税負担を調整する「所得控除」を行います。所得控除は2021年時点で15種類あり、条件や控除額がそれぞれに定められています。そして所得税法では、その一部を年末調整で控除することが定められています。そのため企業は、従業員から提出された必要書類をとりまとめ、税額計算に反映させる必要があるのです。

年末調整を怠ってしまうと、ほとんどの場合は“過払い”になってしまい、従業員に返金されないまま放置されることとなります。さらに、所得税の基礎となる情報は翌年の住民税にも影響するため、翌年の住民税が高くなってしまう恐れもあります。
また、年末調整は法的に課せられた企業の義務にあたるため、実施しなければ「10年以下の懲役、もしくは200万円以下の罰金(またはこれを併科)」(所得税法240条1項)となります。
従業員にとっても企業にとっても、必要不可欠な重要業務であることを理解しておきましょう。

年末調整業務を多忙にしてしまう原因は“紙”の申告書にあり!

年末調整は、通常、次のような手順で行われます。

年末調整の手順

実は、この年末調整業務が「超多忙な業務」になる原因は、スタート段階にあたる各種申告書や添付される証明書が“紙”であることが大きく影響します。

例えば、紙の手続きでもっとも担当者の時間と手間を費やす業務は、年末調整に必要な書類を配付・回収して内容を確認し、年税額計算のためにシステムにインプットするという作業になります。
特に、申告書類に紙を使うと、記載漏れや計算ミスが発生しやすくなるため、担当者は丁寧に内容を精査しなければなりません。昨今は税制改正が頻繁に行われ、間違わずに提出できる従業員のほうが希になるほど、申告書の書き方も難易度が上がっています。場合によっては、差し戻して再提出が必要な事態も発生し、さらにロスタイムが生じます。
そもそも、年末調整申告書を配付・回収する11月〜12月初旬といえば、賞与計算や人事評価など他の業務でも忙しくなる時期です。繁忙期の合間を縫って、申告書用紙を入手したり、配付して回収するまでに個別の問い合わせにも応じたり、提出された申告書を細かくチェックしたりするのは、担当者とって相当な負担になるでしょう。
また、申告書の情報を給与システムにインプットするタイミングは、12月の給与が確定し税額計算を行うまでに済ませておく必要がありますが、紙の申告書で提出させていると、担当者が手作業で従業員1人1人の情報を入力しなければなりません。もともと毎月の給与振込の直前は、勤怠集計や給与の計算を行うため業務が集中しやすいのですが、12月は税額計算も加わりさらに忙しくなります。年末調整業務に必要とはいえ、手入力など手間のかかる作業が発生すると、担当者の負担は増すばかりです。

年末調整のこれまで

OBCの調べでは、従業員300人を抱える企業が紙で年末調整をする場合、データ入力におおよそ126時間、日数にして15日は必要という結果が出ています。企業規模によって必要日数は変わりますが、紙での申告書で処理し続けると、いずれ現場はパンクしてしまうでしょう。

年末調整をデジタル化すれば従業員も担当者も負担が大幅減!

年末調整申告書は税制改正の影響を受けやすく、内容が複雑になればミスや漏れも起こりやすくなります。年末調整手続きを紙で行っている限り、業務担当者にとっても従業員にとっても“面倒で厄介な手続き”という認識を変えられないでしょう。
年末調整業務を効率的に間違いなく進めるには、紙の申告書でやり取りするフローを見直し、従業員が間違わずに申告でき、かつ、担当者が情報を確認したり加工したりしやすい方法を検討する必要があります。
そこで注目を浴びているのが「年末調整手続きの電子化」、いわゆるWebを利用して申告書を提出する方法です。

市場には、奉行Edge年末調整申告書クラウドのように、年末調整に必要な申告書類をWeb上で配付・回収するクラウドサービスが多くありますし、国税庁でも「年調ソフト」を無償で提供しています。こうしたサービスを利用すれば、年末調整に関連する書類を準備したり、用紙を配付したり回収したり、仕分けたり・・・といった作業の手間を省くことができます。従業員も、パソコンやスマホからWeb上で申告ができるので、隙間時間にどこからでも提出することができます。多くのクラウドサービスにはヘルプ機能が付帯しているので、不明点も即時解決でき、申告内容のミスも減るでしょう。
例えば、奉行Edge年末調整申告書クラウドでは、ややこしい控除額計算なども必要事項を入力するだけで自動計算されるので、計算ミスが減り検算も不要です。特に、保険料控除や住宅ローン控除の入力内容は次年度に自動複写されるので、使い続けていくほど入力時の負担や担当者によるチェックの負担が軽減されます。

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その他、担当者が提出内容を確認する際に、扶養控除等(異動)申告書で当年分と翌年分で差異があると、確認画面で表示色が変わるため、チェック作業も素早く、しっかり行えます。入力ミスがあった場合は、担当者が不備のある項目にコメントをつけて簡単に差戻しでき、従業員はコメントに従って再提出すればよいので負担も少なくなります。実際OBCの調査でも、奉行Edge年末調整申告書クラウドを利用した従業員の約87%から「申告時間が減った」という声が上がっています。

とはいえ、年末調整申告書をWebで提出しても、控除証明書などの添付書類が紙のままでは、担当者の照合・確認作業はなくなりません。
そこで、控除証明書などの添付書類もデータで受け取るようにすれば、さらに業務効率を上げることができます。令和2年分の年末調整から、各種証明書を電子データで提出することが認められており、従業員が申告する際にあらかじめ入手した控除証明データを取り込めば、原本が不要になり、担当者が申告書と照合・確認する必要はなくなります。奉行Edge年末調整申告書クラウドのように、マイナポータル連携機能のあるクラウドサービスなら、控除証明データを取り込んで、必要項目に自動入力することが可能です。

<奉行Edge年末調整申告書クラウドのマイナポータル連携>

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また、スムーズに税額計算まで行うなら、現有の給与システムと連携できるクラウドサービスがお勧めです。奉行Edge年末調整申告書クラウドなら、給与奉行クラウドと自動連携するため、数クリックで全従業員分の申告書データを正確に連携でき、手入力や入力後のチェックが不要になります。

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給与奉行クラウドでは源泉徴収票や源泉徴収簿なども簡単に自動作成できますし、法定調書奉行クラウドとの連携で法定調書も自動で作成できるので、セットで利用することで年末年始に慌ただしかった業務にかかる時間を大幅短縮できます。

さらに、Webで申告した内容は、令和3年分の年末調整から税務署長の承認なしにそのまま電子データで保存することが可能になりました。年末調整に必要な書類は7年間の保存が義務づけられているため、電子保存ができれば、ファイリング作業や保管スペースの確保などが不要になります。

このように年末調整手続きをすべて電子化することで、紙でのやり取りよりも確実に、スムーズかつ余裕を持って業務を進めることができるようになります。

おわりに

今はまだ「年末調整の電子化」は、あくまで任意となっています。そのため、これまで通り紙の書類を提出することに運用上の問題はありません。
しかし、年々複雑化する年末調整を正確かつ効率的に行うためには、紙でのやり取りではそろそろ限界が差し迫っています。ましてやコロナ禍では出社も制限されやすくなるため、これからの年末調整には「いつ・どこにいても申告書を提出できる機能」が必要不可欠といえるでしょう。
業務としてもできる限り無駄を省き、担当者・従業員双方の負担を最大限軽減する方法として、年末調整申告書の電子化と専用のクラウドサービス、連携できる給与システムの整備を検討してみてはいかがでしょうか。

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