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給与明細に保管義務はある?適切で効率的な保管方法や再発行を求められた際の対応をわかりやすく解説

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従業員の給与明細を保管している企業は多いでしょう。しかし、長期間の保管はスペースも取り、管理が大変です。「紛失したので再発行してほしい」と依頼されることも珍しくはないため、適切な管理方法を把握しておきたいと考える担当者は少なくないでしょう。
そこで今回は、「給与明細はいつまで保管したらいいのか?」「そもそも保管は必要なのか?」という疑問の声に応え、給与明細の保管について、その必要性や適切な保管期間、再発行を求められた際の対応などを解説します。

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目次

給与明細に保管義務はある?ない?

一度発行した給与明細の「保管」は、実は法律では義務づけられていません。
企業には、所得税法によって給与明細の発行が義務づけられていますが、保管に関しては法的義務がないため、たとえ発行してすぐに給与明細のデータを破棄したとしても、法律違反にはあたりません。

ただし、給与明細は、給与の支払い額や出勤日数・有給休暇の残日数、各種手当て、社会保険などの控除額、納税状況など、記載項目が賃金台帳や出勤簿などと重複しているため、実質的に「法定三帳簿」に類似する書類と解釈されることもあります。そのため、給与明細に法的な保管義務がないとしても、企業コンプライアンスの遵守という点では、法定三帳簿と同等に取り扱うのが適切と言えるでしょう。

なお、法定三帳簿は、労働者名簿、賃金台帳、出勤簿を示し、労働基準法により各事業所単位で備えつけ・保管が義務づけられています。これら給与関係書類の保管期間は、これまで3年間とされていましたが、2020年4月に施行された民法改正の影響を受け、労働者名簿、賃金台帳、雇入れ、解雇、災害補償、賃金、その他労働関係に関する重要書類の保存期間が5年間に延長されています。
この他にも、法令で保管が義務づけられている書類には、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」「給与所得者の保険料控除申告書」「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書 兼 所得調整控除申告書」「源泉徴収票」などがあり、こちらの保管期間は7年間となっています。(2022年10月現在)
給与明細を保管する期間は、こうした労働関係書類で法的に義務づけられている期間を目安にするとよいでしょう。

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企業が給与明細を保管する意義とは

給与明細の保管について、これまでも保管期間や目的が曖昧な状態で管理しているケースは珍しくありません。そのため、「法的な義務がないなら保管をやめてしまおう」と考えてしまいがちですが、企業が給与明細を保管することには、次のような意味もあります。

●従業員からの再発行依頼にすぐに対応できる
給与明細は、住宅ローンの契約、確定申告、健康保険の被扶養者認定の証明などを目的に、従業員から再発行を依頼されることがあります。再発行を拒否しても法令上の違反にはあたりませんが、再発行の依頼に応じることで、従業員が安心でき、企業に対する信頼の維持・向上も期待できるでしょう。
なお、目的が給与の確認だけであれば、賃金台帳で対応することも可能ですが、給与明細を再発行するほうが手間もかからず効率的です。

●賃金支払の証拠として利用できる
給与明細を保管しておくと、「従業員に給与を支払った」証明にもなります。万が一、従業員から未払い賃金請求が行われたとしても、証拠書類として利用できます。
未払い賃金は、労働基準法によって過去5年間まで遡って請求できるため、5年間は保管しておけば、残業代のトラブルなど従業員からの申し出があった際にも冷静に対処できるでしょう。

給与明細を保管する際の注意点〜紙の場合・データの場合〜

「慣習的に給与明細を保管しているが、取り扱いに自社の明確なルールはない」という企業は多いようです。
給与明細を保管するには、紙の書類で保管する場合とデータで保管する場合があり、それぞれに適した管理方法があります。参考となる保管期間が長期に渡るため、現状の管理方法が適切か、今一度確認しておきましょう。

●紙で保管する場合
紙の書類の場合、給与明細を印字する際に、従業員に渡すものと同じ書類をもう1部「保管用」に発行しておく方法が一般的です。
保管の際には、個人や年度、発行単位などに分けてファイリングするとわかりやすいでしょう。仕切りポケットのついたファイルやバインダーを使ったり、ドキュメントファイルを使って引き出しや書籍棚などでインデックスごとに管理したりするのもおすすめです。
ただし、紙での保管は、「変色」「脱色で文字が読めなくなる」「文字が消える」などの経年劣化を防ぐ対策も必要です。風通しがよく、日光のあたらない場所に保管するなど、管理方法に工夫が求められます。また、例えば従業員数が100人なら年間1,200枚、5年間保管すれば6,000枚と、必然的に書類が膨大な量になります。従業員数が多ければ多いほど、保管スペースの確保も必要になります。紛失防止の対策も、入念かつ慎重に行わなければなりません。

●データで保管する場合
給与明細をデータで保管すると、紙の場合には欠かせない保管スペースの確保や管理費用などの負担を大幅に削減できます。データで保管すれば、再発行を求められた際にもデータを検索して出力するだけで簡単に対応できるため、紙よりも効率的に業務を進められます。
データで保存する場合は、「従業員に渡す紙の給与明細をスキャンして保管する」「給与明細の作成データを保管する」という方法が考えられます。
紙の給与明細をスキャンして保管する方法は、従業員に渡すものを画像にするため、改ざん等の心配がありません。
また、給与明細の作成データを保管する方法では、給与明細が賃金台帳と同等の重要書類であると解釈するならば、以下の賃金台帳のデータ保管要件を最低限満たしておくと安心でしょう。

労務関係書類をパソコンで作成・保存する場合の要件
  1. 法令で定められた要件を具備し、かつそれを画⾯上に表⽰し印字することができること。
  2. 労働基準監督官の臨検時等、直ちに必要事項が明らかにされ、提出し得るシステムとなっていること。
  3. 誤って消去されないこと。
  4. ⻑期にわたって保存できること。

参考:厚生労働省「FAQ(よくある質問) ―労働基準法に関するQ&A 」

もちろんデータで保管する場合も、必要な時に必要な情報をすぐに引き出せるように、紙と同様に保管場所や保管に関するルールを設定しておく必要があります。自社ルールとしてマニュアル化し、外付けHDや社内サーバ、USBなどで保管するのもよいですが、給与明細の発行から保管までしっかり管理できる給与明細発行サービスを利用すると、業務効率もよくなります。

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給与明細のデータ管理なら
発行業務から丸ごと電子化できるサービスがおすすめ!

給与明細をデータで保管するなら、発行業務から電子化した方がより効率的です。すでに給与システムは多くの企業で導入されており、給与情報のデータ化は一般的になっています。「給与明細」「賞与明細」「源泉徴収票」も、所得税法によって電子配付が認められており、給与明細の発行自体を電子化すれば、そもそも従業員に渡す用に紙に出力する必要もなくなります。
市場にも、インターネット経由で給与明細を手軽に配信できるサービスが数多く提供されています。こうしたサービスなら、発行業務の効率向上や紙資源のコスト削減だけでなく、リモートワークなどの柔軟な働き方にも対応できるため従業員の利便性向上も期待できます。

ただし、市場で提供されているサービスは、給与計算システムで発行できるものや労務管理システムで発行できるものや、給与システムと連携して給与明細を発行するサービスなど、様々なタイプがあります。
サービスを利用するなら、まず自社の給与システムが給与明細を電子発行できるか確認し、できない場合は連携できる給与明細の電子化サービスを検討しましょう。その際、「発行からデータ管理までできるだけ手間なく行えるか」「従業員にとっても利用しやすいか」などをしっかり吟味しましょう。

奉行Edge給与明細電子化クラウドなら、給与明細の発行から配付、データ管理まで行え、給与明細書の他にも賞与明細書、源泉徴収票などにも対応しています。
発行に関しては、データをWeb上で確認したり、PDFやテキストデータでメール送信したりすることができ、従業員の働く環境を問わず、確実に閲覧できる環境を提供できます。
給与明細データはクラウド上に安全に保管されるので、給与明細の収納スペースや劣化対策なども必要ありません。膨大な給与明細データも無理なく簡単に管理でき、再発行の対応に時間やコストを割かれることもなくなります。
例えば、給与明細の再発行依頼への対応は、対象者に向けて即時公開の設定をするだけでよくなります。紙の書類が必要な場合でも、従業員側で簡単にダウンロードできるため、担当者が改めて準備する必要はありません。この機能は、退職した社員に対しても公開・配信ができるため、源泉徴収票の再発行を求める退職者に対して個別に郵送する手間やコストも削減できます。

また、Web照会機能を使えば、従業員側で過去の給与明細データをいつでも閲覧することができます。必要な時に必要なデータをいつでも閲覧・ダウンロードできるため、再発行依頼そのものを減らすことができます。

特に、給与明細の保管は長期に渡るため、改ざんや不備による管理リスクが懸念されがちですが、奉行Edge給与明細電子化クラウドは給与システムに紐づけられているため、そうした心配もありません。さらに、照会方法に合わせてセキュリティ対策が講じられているため、情報漏洩の恐れもなく、安心して利用できます。

奉行Edge給与明細電子化クラウドでは、過去3年間までデータを遡って閲覧することができますが、給与奉行クラウドを利用していれば、システムの保有年数分まで遡って閲覧することも可能です。

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給与明細の発行を電子化する際の注意点

給与明細を発行段階から電子化するためには、「従業員の承諾や同意を得なければならない」(所得税法231条)と定められています。給与明細の電子発行ができるのは「同意を得た従業員のみ」となるため、紙の給与明細の交付を求める従業員がいる可能性を考慮すれば、給与明細の電子発行サービスを導入するなら、紙とデータのどちらにも対応できるのが望ましいでしょう。

奉行Edge給与明細電子化クラウドには、給与明細の電子交付に関する同意を取得できる機能も備わっています。サービスにログインすると、電子交付の同意を確認するメッセージが表示されます。従業員が同意すると、管理画面で自動的に「同意あり」の環境へと更新され、Web照会がすぐに開始できるようになります。

奉行Edge労務管理電子化クラウドを併用すれば、入社手続きと合わせて同意を得ることもできます。

おわりに

給与明細は、給与を受け取る全ての従業員への交付が義務づけられているため、正社員とパート・アルバイトなど、雇用形態の区別を問わず全て保管しておくことが望ましいでしょう。とはいえ、従業員の多い企業や総務部門の人材不足が深刻な企業では、管理業務や従業員からの対応に時間や手間を取られると、他の業務に支障が出る恐れもあります。
給与明細を電子化するクラウドサービスを利用すれば、発行業務の業務負担もデータ紛失や破損のリスクも軽減できます。給与明細の保管場所や管理でお悩みなら、ぜひこうしたサービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

給与明細電子化クラウドデモンストレーション

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