

総務省統計局の「労働力調査」によると、2025年平均の15歳から64歳女性の就業率は75.3%となっており、近年上昇傾向が続いています。「働く女性」の増加に伴い、企業には仕事と育児の両立支援がこれまで以上に強く求められています。
育児休業から円滑な職場復帰を実現するためには、各種社会保険の手続きだけでなく、従業員の復職意思を正式に確認する「育児休業復職届」の適切な運用が極めて重要です。この書類は、復帰日の確定や時短勤務などの働き方を共有し、法改正に基づく意向確認の証跡を残す役割も担います。
本記事では、出産報告から復職後の特例申請まで、総務担当者が押さえるべき実務フローを時系列で詳しく解説します。
出典:総務省統計局 PDF「労働力調査(基本集計)2025年(令和7年)平均結果の要約」
※ 産前産後休業(産休)の手続きについてはOBC360°記事「産前産後休業(産休)の手続きは?企業がとるべき対応とタイミングを解説」を参照ください。
目次
育児休業(育休)とは
育児休業(育休)は、育児・介護休業法で定められた「1歳に満たない子を養育するための休業」制度です。
子ども1人につき原則2回まで分割して取得できます。産後休業の翌日(産後57日目)から、原則として子が1歳に達するまで、育児をするために仕事を休業できます。1歳の誕生日の時点で保育所などへの入所ができない場合などは、1歳6ヵ月になるまで育児休業の延長が可能です。
また、仕事と育児の両立を支援する制度も設けられています。「パパ・ママ育休プラス」では、両親がともに育児休業を取得する場合に、子どもが1歳2ヵ月になるまで育児休業が取得できます。さらに、2017年の法改正により、1歳6ヵ月の時点で保育所に入れない等の理由がある場合、2歳まで育児休業期間を延長することも可能となりました。企業には、こうした支援制度を周知するための措置を講じることが求められています。
育児休業の対象者は、日雇いを除くすべての従業員です。ただし、労使協定によって以下の従業員は対象外とすることができます。
- 入社1年未満の従業員
- 申出の日から1年以内に雇用期間が終了する労働者(1歳6ヵ月までの育児休業の場合は、6ヵ月以内に雇用期間が終了する従業員)
- 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者
また、パートタイムや派遣従業員などの有期契約労働者は、申し出時点で以下の条件が必要になります。
- 子が1歳6ヵ月に達する日までに労働契約が満了し、更新されないことが明らかでないこと。

育児休業で必要となる手続きとは
育児休業(育休)は、原則として産後パパ育休(出生時育児休業)や産後休業(産休)が終了した翌日から開始されます。
育休は従業員からの申し出によって取得が確定するため、企業側は「出産の報告」「延長の希望」「復帰の打診」という3つのフェーズに合わせて、社会保険料の免除や給付金の申請を遅滞なく進める必要があります。

1. 従業員から出産の報告を受けたら・・・
従業員から出産の報告を受けたら、まずは育児休業の取得希望を確認し、必要な書類の作成・提出を行います。ステップに沿って確認していきましょう。
1-1「育児休業申出書」を受理し、「育児休業取扱通知書」を交付する
育児休業の手続きには、開始予定日と終了予定日の確認が必要です。
開始予定日の1ヵ月前までに社内用の「育児休業申出書」等を提出してもらい、企業は「育児休業取扱通知書」を従業員へ交付します。
育児休業取扱通知書には、育児休業中の待遇事項、休業後の賃金、配置、その他の労働条件に関する事項等に関する取扱いを明示することが求められています。
また、以下の3点を通知することも義務づけられているので、これらを育児休業取扱通知書に盛り込んでも差し支えありません。
- ① 育休申出を受けた旨
- ② 育休開始予定日及び終了予定日
- ③ 育休申出を拒む場合には、その旨及びその理由
なお、従業員が出産するまでに育児休業申出書を受け取っている場合は、出産後2週間以内に従業員から「育児休業対象児出生届」を提出してもらいます。また、対象となる子が死亡したなどの場合は「育児休業申出撤回届」を提出してもらいましょう。
1-2「育児休業等取得者申出書(新規)」を提出する
育児休業期間中も本人および企業に対し、健康保険や厚生年金保険などの社会保険料が免除されます。それには「育児休業等取得者申出書」の提出が必要となります。
保険料の免除期間は、育児休業の開始月から終了月の前月まで(育児休業終了日が月末日の場合はその月まで)となっています。従業員の都合により延長の可能性もありますが、一旦、当初は1年分で、本人ではなく企業から日本年金機構へ申請します。
なお、終了予定日より前に育児休業を終了する場合は「育児休業等取得者申出書・終了届」の提出が必要になります。
| 提出先 | 日本年金機構、健康保険組合 |
|---|---|
| 提出時期 (提出期限) |
提出時期:育児休業等の申出を受けたら速やかに。 保険料免除期間:育児休業等開始日の属する月から、終了日の翌日が属する月の前月まで(一定要件あり)。 |
| 提出物・添付書類 | 健康保険 厚生年金保険 育児休業等取得者申出書(新規) |
1-3 育児休業給付金の支給申請手続きを行う
育児期間中は、雇用保険の育児休業給付金を受け取ることができます。
支給額は、原則として1ヵ月あたり以下のような計算になります。
休業開始時賃金日額×支給日数(30日)の67%
育児休業の開始から6ヵ月経過後は、休業開始時賃金日額×支給日数(30日)の50%
- ※ただし、休業終了月は日割り計算になります。
育児休業を開始したら、「育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書」をハローワークから受け取り、本人が記入のうえ企業が提出します。書類にはマイナンバーの記載、本人の署名・捺印が必要です。
給付金の支給を受けるには、2ヵ月に1回、ハローワークが指定する申請日に「育児休業給付金支給申請書」を提出しなければなりませんので、忘れずに行いましょう。
| 提出先 | 事業所の所在地を管轄する公共職業安定所(ハローワーク) |
|---|---|
| 提出時期 (提出期限) |
初回:育児休業開始日から4ヵ月を経過する日が属する月末までに 2回目以降:公共職業安定所長が指定する支給申請期間の支給申請日 |
| 提出物・添付書類 | 初回:育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書、被保険者休業開始時賃金月額証明書 2回目以降:育児休業給付金支給申請書、被保険者休業開始時賃金月額証明書 賃金台帳、出勤簿またはタイムカードなど、支給申請書の記載内容を確認できる書類も要添付(母子手帳のコピーなど育児の事実確認の証明を要する場合もあります) |
2. 従業員から育児休業期間の延長希望を受けたら・・・
保育所などに入所できず、やむなく育児休業を延長せざるを得ないなどの場合には、「育児休業等取得者申出書(延長)」を日本年金機構へ提出のうえ、管轄のハローワークに「育児休業給付金支給申請書」の延長申請を行います。
2-1「育児休業等取得者申出書(延長)」を提出する
| 提出先 | 日本年金機構、健康保険組合 |
|---|---|
| 条件 |
以下の育児休業を取得する場合にその都度申請が必要。
|
| 提出時期 (提出期限) |
育児休業等期間中、または育児休業等終了日から起算して1ヵ月以内(時効は2年) |
| 提出物・添付書類 | 健康保険 厚生年金保険 育児休業等取得者申出書(延長) |
2-2 育児休業給付金支給の延長申請手続きを行う
| 提出先 | 事業所の所在地を管轄する公共職業安定所(ハローワーク) |
|---|---|
| 条件 |
育児休業の対象となる子が、1歳の誕生日の前日または1歳6ヵ月に達する日以降の期間について、以下のいずれかに該当する場合に延長申請が必要。
|
| 提出時期 (提出期限) |
育児休業終了日以降、2ヵ月に1回の公共職業安定所長が指定する支給申請期間の支給申請日まで |
| 提出物・添付書類 |
育児休業給付金支給申請書 賃金台帳、出勤簿またはタイムカードなど、支給申請書の記載内容を確認できる書類、延長事由が確認できる書類(保育所の入所不承諾通知など)を要添付 |
3. 育児期間中に従業員から職場復帰の打診を受けたら・・・
従業員から職場復帰の意思表示があった際は、速やかに社会保険料の免除期間の終了手続きや、復職後の給与支払いに伴う税務上の処理を確認する必要があります。具体的な手続きのポイントを見ていきましょう。
3-1「育児休業等取得者申出書・終了届」を提出する
予定よりも早く復帰する場合は、育児休業中に提出した社会保険料免除(健康保険 、厚生年金保険)のための申請を終了する必要があります。(終了届の提出も企業が行います)
育児休業終了予定の前日までに提出すると、当該届出に基づき育児休業期間の終了月の前月まで(終了日が月末日の場合はその月まで)保険料が免除されます。
なお、育児休業中に次の子どもを妊娠し、産休を開始(休業取得者申出届を提出)した場合は、当該終了届の提出は必要ありません。
| 提出先 | 日本年金機構、健康保険組合 |
|---|---|
| 提出時期 (提出期限) |
予定より早く育児休業を終了したとき |
| 提出物・添付書類 | 健康保険 厚生年金保険 育児休業等取得者申出書・終了届 |
3-2 育児休業中の住民税について
住民税は、前年度の収入によって決まるため、産休中でも育児休業中でも支払う義務があります。
住民税の支払いは、給与等から天引きされる「特別徴収」と個人で納付する「普通徴収」がありますが、育児期間中は給与が支払われないため天引きはされません。そこで、以下の3通りから育児休業中の住民税の支払方法を決めるのが一般的です。
- ① 育児休業前の給与で一括天引き
- ② 普通徴収に切り替える
- ③ 特別徴収のままで、育児休業終了後に一括天引き、または一括で企業に支払う
育児期間中は納税することが困難であると自治体の長が認めた場合は、育児休業中の1年以内の期間にかぎり、住民税の徴収が猶予されます。猶予された住民税は、職場復帰後に延滞金とともに納税することになります。
復職後に必要となる手続きとは
従業員の復職時は、短時間勤務への移行などによる給与変動への対応が重要です。育児・介護休業法に基づき、3歳未満の子を養育する従業員には「原則1日6時間の短時間勤務制度」などの措置を講じる必要があり、それに伴い以下の3つの手続きが発生します。
- 「育児休業復職届」の受理:復帰日と復職後の働き方の社内確定
- 「報酬月額変更届」の提出:時短勤務による給与低下を標準報酬月額へ反映
- 「養育期間標準報酬月額特例申出書」の提出:給与減額による将来の年金受給額減少を防止
これらの手続きを適切に行うことで、従業員の社会保険上の不利益を防ぎ、スムーズな職場復帰を支援します。
「育児休業復職届」を受理する
社内用に「育児休業復職届」または「出勤届(休暇・欠勤・休職)」などを用意している場合は、従業員に必要事項を記入のうえ提出してもらいます。これにより、会社として正式に休業期間の終了と復職日を記録に残すことができます。
なお、「育児休業復職届」に記載するべき項目などについては次の「育児休業復職届の詳細」で詳しく解説します。
「育児休業終了時報酬月額変更届」を提出する
職場復帰しても産休取得前と同じように働けるとは限りません。3歳未満の子の養育期間中に、毎月の給与が産休・育休前と比較して下がった場合には、「健康保険・厚生年金保険 育児休業終了時報酬月額変更届」を管轄の日本年金機構へ提出します。
| 提出先 | 日本年金機構、健康保険組合 |
|---|---|
| 提出時期 (提出期限) |
復職後3ヵ月の給与が産休・育休前と比較して下がっていたとき、速やかに ※ただし、復帰月の出勤日が17日以下の場合は、復帰月を除く |
| 提出物・添付書類 | 健康保険・厚生年金保険 育児休業終了時報酬月額変更届 |
随時改定に該当しなくても、育児休業終了日の翌日が属する月以降3ヵ月の間に受けた報酬の平均額によって決定し、その翌月から改定されます。
基本給や各種手当などの固定給に変動がなくても、標準報酬月額が1等級でも下がれば該当します。
「厚生年金保険 養育期間標準報酬月額特例申出書」を提出する
子どもが3歳までの間は、勤務時間短縮等の措置で給与が下がっても、将来受け取る年金額が減少しないようにする特例措置があります。
養育期間中の各月の標準報酬月額が養育開始月の前月の標準報酬月額を下回る場合、「厚生年金保険 養育期間標準報酬月額特例申出書」を企業が提出します。認められる期間は、養育が始まった月から3歳の誕生月の前月までとなります。また、少なくとも1ヵ月に17日以上(特定適用事業所の短時間労働者は11日以上)の支払基礎日数が必要です。
| 提出先 | 日本年金機構 |
|---|---|
| 提出時期 (提出期限) |
復職後3ヵ月の給与が産休・育休前と比較して下がっていたとき ※提出が遅れた場合は、申出日が含まれる月の前月までの過去2年まで遡って受けることができます。 |
| 提出物・添付書類 | 厚生年金保険 養育期間標準報酬月額特例申出書 戸籍謄(抄)本(子どもの続柄、生年月日が証明できるもの)、住民票(従業員と子どもの同居が確認できるもの) |
対象の子を養育しなくなった、もしくは死亡した場合は、「厚生年金保険 養育期間標準報酬月額特例申出書・終了届」の提出が必要になります。
育児休業復職届の詳細
育児休業復職届は、従業員が職場復帰の意思を正式に表明する重要書類です。近年の法改正により、単なる復帰日の確認だけでなく、会社側による意向確認の記録としての役割も強まっています。
- 主な目的:復職意思の公式な確認、および短時間勤務等の働き方の相互共有
- 必須項目:正確な復職希望日、実際の休業期間、本人希望を記す備考欄
- 会社記入欄:法令遵守のための制度説明記録や意向確認のチェック
育児休業復職届とは?
育児休業復職届は、従業員が育児休業の満了に伴い、職場復帰の意思を会社に対して正式に表明するための書類です。主に以下の2つの目的があります。
- 復職意思の公式な確認:復帰日を確定させ、社会保険料の免除終了や給与支払再開の根拠とします。
- 復職後の働き方の相互確認:時短勤務や残業制限の希望を把握し、復職後のミスマッチを防ぎます。
近年の法改正により、企業には休業取得の意向確認や個別周知が義務付けられました。これに伴い、現在の復職届には「会社側の説明記録」や「制度利用の意向確認欄」を設ける運用が一般的です。
法令を遵守しトラブルを未然に防ぐためにも、最新の改正内容に準拠したフォーマットを整えましょう。
育児休業復職届の記載項目

「育児休業復職届」のフォーマットには厳密な法的規定はありませんが、トラブル防止のため、以下の4項目を網羅しましょう。
1. 復職希望日
業務体制や人員配置に直結する最重要項目です。保育所の入所日等を考慮し、「〇月〇日に復帰する」旨を明確に記載してもらいます。
2. 休業期間
実際の開始日と終了日を記録します。延長や短縮の有無を正確に把握し、社会保険料の免除期間特定や勤続年数の算定根拠とします。
3. 備考欄(従業員記入欄)
時短勤務の希望、残業制限、欠勤時の連絡体制など、復職後の働き方の要望を記入します。これを基に面談を行うとスムーズです。
4. 会社記入欄(意向確認・対応記録)
近年の育児・介護休業法の改正に伴い重要度が増している項目です。「育児休業制度について適切な説明を行ったか」「復職後の配置や待遇について意向を確認したか」など、会社側が行った措置の記録を残します。万が一の紛争防止や、次回の法改正に向けた社内情報の整理に役立ちます。
復職後に利用できる育児・介護休業法とは
職場復帰後、仕事と育児の両立を支援するため「育児・介護休業法」に基づき、企業は従業員の状況に応じて法律で定められた措置を講ずる義務があります。
- 柔軟な勤務形態の確保:短時間勤務や在宅勤務による支援
- 労働時間のコントロール:所定外・時間外・深夜業の制限による負担軽減
- 急な事態への対応:子の看護等休暇による看護時間の確保
対象となる子の年齢(小学校就学前など)で利用範囲が異なるため、復職後の面談で正しく周知することが重要です。
所定労働時間の短縮措置
所定労働時間の短縮措置とは、育児休業から復職した従業員が、仕事と育児を両立しながら柔軟に働けるよう勤務時間を短縮できる制度です。
3歳未満の子を養育する労働者に対しては、事業主は1日の所定労働時間を原則6時間とする短時間勤務制度を講じる必要があります。
また、2025年10月1日からは、3歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に対し、柔軟な働き方を実現するための措置として、5つの中から2つ以上を選択して講じる義務があります。
- 始業時刻の変更
- 月間10日以上のテレワーク
- 保育施設の設置運営
- 年間10日以上の養育両立支援休暇
- 短時間勤務制度
上記から選択する際は、過半数組合などから意見聴取の機会を設ける必要があります。
所定外労働の制限
所定外労働の制限とは、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する従業員が請求した場合に、所定労働時間を超える労働(残業)を免除する制度です。
業務の繁忙にかかわらず、請求があれば原則として残業を命じることはできません。
- 対象期間:小学校就学の始期に達するまでの子を養育する期間。
- 制限内容:雇用契約で定められた「所定労働時間」を超える労働の免除
- ポイント:事業の正常な運営に支障がある場合を除き、企業は拒否できません。
時間外労働の制限
時間外労働の制限とは、小学校就学前の子を養育する従業員の請求により、法定時間外労働を一定時間内に制限する制度です。
残業を完全に免除する「所定外労働の制限」とは異なり、以下の限度時間を設定します。
- 制限内容:1ヵ月24時間、1年150時間を超える時間外労働の禁止
- 対象期間:子が小学校に就学するまで
- ポイント:所定外労働の免除期間(3歳まで)終了後も、就学前まで利用可能です。
深夜業の制限
深夜業の制限とは、小学校就学前の子を養育する従業員が請求した場合に、深夜時間帯(午後10時~午前5時)の就業を免除する制度です。
シフト制や夜勤のある職場において、育児中の従業員の負担を軽減するために活用されます。
- 対象期間:子が小学校に就学するまで
- 制限内容:午後10時から午前5時までの業務の禁止
- ポイント:日々の子育てだけでなく、心身の健康維持と生活リズムの確保を目的としています。
子の看護等休暇
子の看護等休暇とは、小学3年生修了までの子が怪我や病気になった際、または予防接種や健康診断を受けるために取得できる休暇制度です。
- 取得日数:子1人の場合は年5日、2人以上の場合は年10日まで
- 取得単位:1時間単位または1労働日単位
- ポイント:病児の看病だけでなく、感染症による学級閉鎖などの際にも柔軟に利用できるのが特徴です。

出典:厚生労働省 PDF「育児・介護休業法のあらまし」
おわりに
従業員の出産報告から復職まで、企業が行うべき手続きは多岐にわたり、必要書類の正確な作成や期限管理が欠かせません。数年に一度の対応となるケースも多いため、手続き漏れを防ぐためのポイントを整理し、社内でマニュアルやテンプレートを準備しておくことがおすすめです。
育児休業は、従業員のキャリア形成における重要な転換点です。復職前に相談の場を設け、本人の意思や家庭の状況を丁寧に確認しましょう。時短勤務やテレワークの利用といった柔軟な制度を提示し、就業規則に則った適切な対応を行うことで、従業員は不安を感じることなく、安心して業務に戻ることができます。
産休・育休に関する情報は法改正により頻繁にアップデートされます。常に最新の法令を把握し、企業と従業員の双方が納得できる職場環境を整えていきましょう。
OBC360°記事「産前産後休業(産休)の手続きは?企業がとるべき対応とタイミングを解説」と合わせて、産休から育児休業までの企業がやるべき手続き、対応を確認しておきましょう。
育児休業(育休)に関するよくあるご質問
- 育児休業(育休)とは?
- 育児休業(育休)は、育児・介護休業法で定められた「1歳に満たない子を養育するための休業」制度です。
子ども1人につき原則2回(分割取得可)、産後休業終了後から、原則として子が1歳になるまでの間、育児をするために仕事を休業できます。
- 従業員から出産報告を受けた時、育児休業に必要な手続きとは?
- 従業員から出産の報告を受けた際、以下の流れで手続きを進める必要があります。
1.「育児休業申出書」を受理し、「育児休業取扱通知書」を交付する
2.「育児休業等取得者申出書(新規)」を提出する
3.育児休業給付金の支給申請手続きを行う
記事では、手続きの進め方についてより詳細に解説しています。
- 育児休業が終わり、復職後に必要な手続きは?
- 従業員の職場復帰後に必要な手続きには、以下の3つがあります。
1.「育児休業復職届」を受理する
2.「育児休業終了時報酬月額変更届」を提出する
3.「厚生年金保険 養育期間標準報酬月額特例申出書」を提出する
記事では、手続きの進め方についてより詳細に解説しています。
- 育児休業復職届とは?
- 育児休業復職届は、育児休業を終えて職場復帰する意思を、従業員が会社へ正式に表明する書類です。主な役割は以下の3点です。
復職意思の確定:復帰日を特定し、給与支払いや社会保険料の免除終了の根拠とする
働き方の相互共有:短時間勤務や残業制限の希望を確認し、復職後のミスマッチを防ぐ
法改正への対応:企業の義務である「意向確認」の記録を残し、労務トラブルを防止する
- 復職予定日が変更になった場合、どのような手続きが必要?
- 育児休業の終了予定日は、原則として変更前の終了予定日1ヵ月前までの申し出があれば変更可能です。従業員から「育児休業期間変更申出書」を受理した後、以下の公的手続きを速やかに行います。
社会保険(年金機構・健保組合):「育児休業等取得者申出書」の変更・追加届出
雇用保険(ハローワーク):育児休業給付金の支給申請期間や対象日数の変更対応
復職日の変更は保険料免除や給付額に直結するため、前倒し・延長を問わず正確な処理が求められます。
- 育児休業と産休の違いは?
- 産休は出産前後の母体の保護を目的に女性のみが取得できる休業です。出産予定日の6週間前から産後8週間まで利用できます。その後希望者のみ、子育て支援を目的とした育児休業が父母ともに取得できます。
こちらの記事もおすすめ
関連リンク
OBC 360のメルマガ登録はこちらから!





