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労務管理とは?基本的な仕事内容や課題、デジタル化のポイントを紹介

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労務管理とは、従業員の労働条件や労働環境など、労働に関する全般の管理です。従業員の生産性向上と、コンプライアンス遵守による企業としてのリスク回避を目的に行われます。

労務管理は、コンプライアンス遵守の動きや働き方改革関連法などの制度改正により、重要性は増す一方です。しかし、労務管理は非常に幅広く複雑な上、アナログな作業が残る業務でもあります。適切なシステムを導入して、正確かつ効率的な労務管理を行いましょう。

この記事では、労務管理の目的や基本業務のほか、システム導入のポイントなどについて解説します。労務管理の見直しに、ぜひお役立てください。

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目次

労務管理とは従業員の労働に関することを管理する業務

労務管理とは、従業員の労働条件や労働環境など、労働に関する全般を管理することです。労務管理の目的は、従業員の生産性向上と、コンプライアンス遵守による企業としてのリスク回避にあります。適切な労務管理によって労働条件や労働環境が改善されれば、従業員は心身ともに健康でいられるので、業務に専念することが可能になります。

また、労務管理の仕組みをきちんと構築すれば、従業員は法令や社内規定を遵守して業務を行うようになり、結果的に企業経営に関するトラブルの回避につながるのです。

人事管理との違い

人事管理は、人材採用や人事評価といった「従業員」に対して行う管理です。労務管理は従業員の「労働」関連の管理に焦点をあてているので、そもそもの管理対象が異なっています。

ただし、組織によって、総務人事部として労務管理を行っているケースも多々見られます。

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労務管理の基本的な業務

労務管理には、具体的にどのような業務があるのでしょうか。ここでは、労務管理の基本的な業務を9つご紹介します。

法定三帳簿の作成・管理

法定三帳簿とは、企業が従業員を雇用する際に必要な「労働者名簿」「賃金台帳」「出勤簿」の3つの書類のことです。企業は労働基準法にもとづき、これらの書類を作成・保存する義務があります。
労務管理は、この法定三帳簿を作成し、従業員の個人情報や給与の支払状況、労働日数や労働時間数などを管理します。

雇用契約書・労働条件通知書の作成

労務管理においては、従業員が入社する際の労働(雇用)契約書の作成も行います。労働(雇用)契約書とは、労働契約法第6条(※1)あるいは⺠法第623条(※2)にもとづいて、合意がなされたことを証明する書類です。

労働基準法では、一定の事項(就業時間や休日、業務内容など)について労働条件の明示が義務付けられていて、「労働条件明示書」を作成する必要があります。実務上、法的に必要な労働条件の明示事項を満たした労働(雇用)契約書を作成し、「労働(雇用)契約書 兼 労働条件明示書」とすることが一般的です。

※1:労働契約法第6条「労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する」

※2:民法第623条「雇用は、当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し、相手方がこれに対してその報酬を与えることを約することによって、その効力を生ずる。」

就業規則の作成

労務管理の業務のひとつに、就業規則の作成が挙げられます。就業規則とは、従業員の賃金や労働時間などの労働条件のほか、職場内のルールをまとめたものです。企業と従業員の双方がそれぞれ守るべきことを記載します。常時10人以上の従業員を使用する企業は、就業規則を作成する義務があるので注意が必要です。

就業規則については、当サイトの記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
就業規則とは?記載内容や作成の流れ、必要な場面をわかりやすく解説

勤怠の管理

労務管理では、従業員の勤務実績(勤怠)管理も業務として行います。具体的には、始業時刻・終業時刻や遅刻・早退・欠勤や時間外労働の状況のほか、年次有給休暇の取得状況などを管理します。
勤怠データからわかった長時間労働への防止策を講じるというような、従業員の健康面への配慮も労務管理の重要な仕事です。

給与の計算と給与明細の発行

給与計算は、勤怠管理で得たデータをもとに行う重要な業務のひとつです。具体的には、従業員の給与や各種手当、賞与、社会保険料や税金などの計算はもちろん、給与明細の発行なども行います。

給与計算については、当サイトの記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
給与の計算方法を4つのステップで解説!初心者向けの注意点も紹介

各種保険の管理

従業員が入退社したり、あるいは労災を適用したりするときの社会保険や厚生年金保険、労災保険などの手続きは、労務管理の重要な業務です。タイミングは一定ではないので、その都度対応する必要があります。

社会保険と労災保険については、当サイトの記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
社会保険とは?加入条件や種類、国民健康保険との違いをわかりやすく
労災保険とは?加入・適用条件や申請手続きの基本をわかりやすく解説

福利厚生の管理

福利厚生とは、給与や賞与とは別に、企業が従業員とその家族に提供する健康や生活へのサービスです。
福利厚生には健康保険や厚生年金保険などの「法定福利厚生」と、企業の任意による「法定外福利厚生」などがあります。福利厚生の充実は、従業員の企業に対する満足度やモチベーション向上につながります。

福利厚生については、当サイトの記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
福利厚生とは?制度の種類やメリット、導入事例をわかりやすく解説

安全衛生の管理

企業は、労働安全衛生法にもとづき、労働者の安全と健康を守り、労働者にとって快適な職場環境を作る義務があります。その安全衛生の管理は、労務管理の役割です。
具体的には、健康診断の管理や従業員50人以上の企業に対するストレスチェック実施のほか、産業医や衛生管理者、安全管理者などの選任が挙げられます。

労働安全衛生法については、当サイトの記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
労働安全衛生法とは?事業者の義務や2019年の改正ポイントを解説

年末調整の計算と法定調書の作成

年末調整とは、従業員の給与から天引きした所得税の過不足について、企業が精算するための手続きです。労務管理の業務として、年末調整の計算のほか、従業員に対して源泉徴収票の発行を行います。その後、法定調書を作成します。

法定調書については、当サイトの記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。

法定調書とは? 作成・提出方法や発行後の修正方法をわかりやすく解説

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労務管理業務において注意すべきポイント

労務管理の幅広い業務を行うにあたって、どのようなことに気をつける必要があるのでしょうか。ここでは労務管理業務における注意すべき5つのポイントについて解説します。

コンプライアンスの遵守

労務管理は、労働基準法や労働組合法、労働安全衛生法などの、いわゆる労働法にもとづいて行うことが多い業務です。そのため、各種法律に関する知識や深い認識が求められます。また、労働法は社会の変化に伴って適宜改正されているので、常に柔軟に対応していく必要があるのです。

コンプライアンス遵守が徹底されていないと、従業員のあいだで労働法違反や労災・ハラスメント問題が起きる可能性が高くなるので、注意が必要です。

計算・手続き上のミスや抜け・漏れの防止

労務管理は、給与計算や社会保険料など、複雑な計算が多い仕事です。そのため、計算ミスが起きやすく、そのミスを起こさないようにするため、労務担当者の負担は非常に高くなります。
また、従業員側も日々の業務の合間に労務関連手続きを行うのは負担感があるので、書類の記載ミスや提出抜け・漏れも起こりがちです。

手作業や窓口申請など、手間がかかる手続きが多いのも労務管理業務の特徴といえます。これらのミスや抜け・漏れを起こさないよう、デジタル化によって正確性の向上を図りたいところです。

多様な働き方への対応

働き方改革関連法をはじめとした各種労働法改正によって、従業員の働き方は多様化しています。
テレワーク(リモートワーク)制度を活用したり、育児休業・介護休業を取得したりといった従業員のニーズの変化によって、労務管理に求められることも変わっています。就業規則など社内規程の見直しも必要になってくるでしょう。

その点で、労務管理業務をデジタル化し、労務管理システムを導入すると便利になります。具体的には従業員が書類提出や情報入力をリモートで行うことが可能になるほか、労務担当者にとっても従業員の情報を在宅で確認できたり、電子申請できたりすることが挙げられます。

個人情報などの厳重な管理

労務管理は、従業員の個人情報を扱う必要がある業務です。マイナンバーを書き写した紙や、配付した紙の給与明細の紛失などが起きれば、労務担当者は責任を問われる上、企業としての信用を失いかねません。とはいえ、データで保管したとしても、セキュリティ対策が不十分だとマルウェアによる外部流出の危険があります。

ですから、デジタル化する場合は、セキュリティレベルの高い労務管理システムを導入する必要があるといえるでしょう。自動バックアップによるデータ保全が行われるかどうかも重要なポイントです。

労務管理業務の効率化

労務管理の業務は、まだ人の手によるアナログな作業が多いといわれます。出勤簿やタイムカードからの転記や、紙で発行した給与明細の配付・発送などは、その最たるものです。
従業員としても、いちいち手書きしたり、印刷して提出したりするのを面倒に思うでしょう。特に、リモートワークが普及した今では、遠隔地に住んでいたり、自宅にプリンターがなかったりして、さらに作業のハードルが上がっているのが現状です。
勤怠管理の手間を削減したり、各手続き・書類発行をペーパーレスで行えたりする労務管理システムがあれば、紙出力や手書きの場合に比べ、大幅に業務効率化を図ることが可能になります。

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労務管理システムを選ぶ際のポイント

労務管理システムを導入する際には、「自社業務への対応」などいくつかのポイントを押さえておく必要があります。ここでは、労務管理システムを選ぶ際のポイントについてご紹介します。

自社業務に対応しているかどうかで選ぶ

労務管理システムでデジタル化できるのは、手続きの準備や従業員とのやりとりなど、多岐にわたります。まずは、自社で求めている機能を有しているのか確認してください。

例えば、高年齢雇用継続給付の手続きや転勤に関する手続き、正社員登用手続きは、企業によって必要な場合と必要ではない場合があります。機能が多ければ良いというわけではないので、自社の求める使い方ができるかどうかに着目して選ぶといいでしょう。

労務担当者・従業員双方にとって使いやすさで選ぶ

労務管理システム導入後は、基本的にすべての従業員が該当のシステムを利用することになります。ストレスなく使いこなせるかどうか、操作性について確認しておく必要があるでしょう。
同時に、主に利用することになる労務担当者の使いやすさも重要です。必要な情報がストレスなくスピーディーに取り出せるかどうか、実際に操作しながら確認するのがおすすめです。

既存の給与計算システムとの連携性で選ぶ

労務管理業務は、実際には人事管理システムや給与計算システム、勤怠管理システム、労務手続きサービスなど、いくつかの業務システムを組み合わせて行います。これらの労務管理システムを選ぶ際は、現在利用している給与計算システムと連携できるものを選びましょう。
同一メーカーのシステムで統一すると、シームレスにデータ連携されるメリットがあります。データをCSV形式に出力して取り込むといった手作業が一切不要になるので、おすすめです。

サポート体制の手厚さで選ぶ

労務管理システムの導入がスムーズにいくか不安な場合は、サポート体制で選ぶのがおすすめです。
手軽さをウリにした労務管理システムでも、実際に業務を始めてみようとすると、思わぬところでつまずいてしまうこともあります。適切にサポートし、システム導入完了まできちんと支援してくれる企業のシステムを選びましょう。

導入のサポート体制を確認する際には、サポートの内容、対応時間のほか、電話やWebでのリモートサポートの有無などを確認しておいてください。
併せて、問い合わせをした際の対応も参考になります。質問に丁寧に答えてくれるかどうか、担当者の知識レベルが適切かどうか、信頼できる企業かどうかといった点を確認しておきたいところです。

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労務管理システムで業務をデジタル化しよう

労務管理業務の重要性は、近年高まっています。人材不足の中、労働条件や労働環境の整備は企業にとって不可欠なものだからです。
しかし、労務管理業務は給与計算や保険料の計算をはじめ、従業員とのやりとりや勤怠管理、福利厚生に至るまで、非常に幅広いのが特徴です。労務担当者の負担を少しでも軽減し、労務担当者自身の働き方改革を進めながら、労務管理を正確かつ迅速に行うには、労務管理システムの導入がおすすめです。

OBCの「奉行クラウド HR DX Suite」と「奉行Edge 勤怠管理クラウド」の組み合わせによって労務管理業務のデジタル化が可能です。

奉行クラウド HR DX Suite」は、入退社手続きや人事管理、給与計算、社会保険手続き、年末調整申告など、70を超える人事労務業務をデジタル化できるクラウドサービスです。また、勤怠管理業務のプロセスをすべてデジタル化する「奉行Edge 勤怠管理クラウド」とのシームレス連携により、あらゆる人事労務業務の業務時間を削減できます。

ぜひ、「奉行クラウド HR DX Suite」と「奉行Edge 勤怠管理クラウド」によって、労務管理業務のデジタル化をご検討ください。

山本 喜一

■監修者
山本 喜一

特定社会保険労務士、精神保健福祉士
大学院修了後、経済産業省所管の財団法人に技術職として勤務し、産業技術総合研究所との共同研究にも携わる。その後、法務部門の業務や労働組合役員も経験。退職後、社会保険労務士法人日本人事を設立。社外取締役として上場も経験。上場支援、メンタルヘルス不調者、問題社員対応などを得意とする。

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