これで安心!雇用保険被保険者資格取得届の書き方と申請時の注意点

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従業員を雇用した際、雇用保険の加入手続きをする必要があります。その際、必要となる書類が「雇用保険被保険者資格取得届」です。
様式自体はそれほど複雑な書類ではありませんが、初めて手続きする場合や、久しぶりに対応する場合は、迷う部分もあるかもしれません。
そうした際に活用いただけるよう、今回は「雇用保険被保険者資格取得届」の書き方や提出方法について詳しくご説明していきます。

また、入社に際しては他にも多くの準備や手続きが必要です。入社に関する主な手続きについてはOBC360°コラム「人材を採用したら?入社手続き等で必要な書類、準備とは」もご参照ください。

「雇用保険被保険者資格取得届」とは

従業員を1人でも雇い入れると、企業はその業種・規模等を問わず、条件を満たす従業員を雇用保険に加入させなければなりません。その際ハローワークに提出する書類が「雇用保険被保険者資格取得届」になります。

雇用保険への加入条件は、原則「31日以上雇用される見込みがあり、所定労働時間が週20時間以上」となっており、これに該当する従業員はパートやアルバイトの立場であっても全員加入させなければなりません。また、もともと勤務時間が週20時間よりも短い従業員でも、週に20時間以上働くことになった場合には加入手続きが必要になります。

最近は定年後の雇用拡大が広がり、これまで対象とされなかった65歳以上の従業員についても、「高年齢被保険者」として雇用保険の適用対象になっています。この場合の適用要件も上記の原則を満たすことが求められ、65歳以上の人を新たに雇い入れる際には「雇用保険被保険者資格取得届」を提出することになります。

「雇用保険被保険者資格取得届」の書き方

「雇用保険被保険者資格取得届」は、様式が定期的に更新されます。
ここでは、2019年12月現在ハローワークで受け取れる「様式第2号」を参考に、「雇用保険被保険者資格取得届」の書き方について解説しましょう。

※出典:ハローワークインターネットサービス「雇用保険被保険者資格取得届 利用上の注意」より

(1)個人番号

入社する従業員のマイナンバーを記載します。その際、必ず利用目的を本人に伝えた上で番号確認と本人であることの確認(身元確認)を行ってください。

(2)被保険者番号

被保険者番号は雇用保険に加入後に発行されるもののため、従業員が初めて雇用保険に加入する場合は空欄にしておきます。過去に雇用保険に加入していた場合は、従業員に被保険者番号を確認して記載します。被保険者番号は、従業員の手元にある雇用保険被保険者証に記載されています。

(3)取得区分

入社する従業員が、過去に雇用保険に加入したことがない、または過去に加入したことがあり資格喪失から7年以上経過している場合は、「1 新規」を選びます。それ以外は「2 再取得」を選びましょう。

(4)被保険者氏名・(5)変更後の氏名

過去に加入経験があり被保険者証を受けている場合は、その被保険者証に記載されている名前を記載します。「フリガナ(カタカナ)」の欄では、姓と名の間は1枠空けましょう。
「取得区分」で「2 再取得」を選んだ場合で、手元の被保険者証に記載された名前と現在の名前が異なっている人は、「変更後の氏名」の欄に現在の名前を記載します。

(6)性別

被保険者の性別を記載します。

(7)生年月日

被保険者の生年月日を記載します。元号記載になるため、該当元号を選択しましょう。

(8)事業所番号

自社の事業所番号を記載します。

(9)被保険者となったことの原因

この項目は、該当区分を選択するようになっています。
新卒者を新規雇用した場合、卒業年の3月1日〜6月30日までに雇い入れたのであれば「1(新規学卒)」を選び、それ以外は「2(その他)」を選びます。
日雇い労働者が新たに雇用保険適用になる場合は「3」を選びましょう。65歳以上の従業員が出向元に復帰した場合などは「8 出向元への復帰等(65歳以上)」を選択します。
「4 その他」を選んだ場合は、具体的な説明を備考欄に記載するようにしてください。

(10)賃金

入社日時点における賃金の支払の態様(月給・週給・日給・時間給・その他)と、賞与や残業手当などを除いた賃金月額(時間給の場合は1ヶ月の所定労働時間)を記載します。
記載にあたっては、「−」を基として左側に「支払の態様」を番号で示し、右側に賃金月額を千円単位で記載します。

(11)資格取得年月日

試用期間、研修期間も含めた雇用開始の初日(入社日)を記載します。元号は、該当する番号を右の表示から選択し、「−」に続けて年月日を記載します。例えば、雇用開始初日が「令和2年4月1日」であれば「5−020401」と記載します。

(12)雇用形態

この項目は該当する選択区分を記載します。
従業員が登録型派遣社員などの派遣労働者に該当する場合は「2」を、所定労働時間が週30時間未満の短時間労働者にあたる場合は「3」を、契約社員など契約期間に定めのある労働者で「2」「3」に該当しない場合は「4」を選択します。フルタイムの常用労働者は「7」を選んでください。

(13)職種

次の中から該当するものの番号を記載します。

1 管理的職業 課以上の内部組織の経営管理職など
2 専門的・技術的職業 専門的性質の業務に従事する(医療、法律、芸術、教育等)、または高度の専門知識を必要とする技術的な業務に従事する場合
3 事務的職業 生産・営業・販売などに関する事務など、一般的な知識や経験による業務に従事する場合
4 販売の職業 商品の売買・仲介・代理、取引上の勧誘・交渉・契約成立などに従事する場合
5 サービスの職業 個人や一般家庭を対象とするサービス、介護・保健補助、理美容、調理、接客・給仕等に従事する場合
6 保安の職業 個人の生命や財産の保護、公共の安全、秩序維持、火災鎮圧などの業務に従事する場合
7 農林漁業に職業 農業、林業、水産動植物の捕獲・養殖などの漁業に従事する場合
8 生産工程の職業 原材料の加工、組立など製造工程作業に従事する場合
9 輸送・機械運転の職業 自動車、電車、船舶、航空機などの運転、建設機械の運転などに従事する場合
10 建設・採掘の職業 建設作業、土砂掘削、鉱物採掘などの作業に従事する場合
11 運送・清掃・包装等の職業 貨物や資材などの運送、建物や道路などの清掃などの作業に従事する場合

(14)就職経路

就職するに至った経路を「安定所紹介」「自己就職」「民間紹介」「把握していない」の中から番号で選びます。

(15)1週間の所定労働時間

対象となる従業員の、入社日時点における1週間の所定労働時間を記載します。
「 1週間の所定労働時間」とは、就業規則や雇用契約書による「通常の週に勤務すべき1週間の労働時間」のことを指します。

(16)契約期間の定め

契約期間の定めがある場合は「1」を、ない場合は「2」を記載し、「1」とした場合にその契約期間や契約更新条項の有無を記載します。

■雇用する従業員が外国人労働者の場合にも利用できます
雇用した従業員が外国人の場合、この様式を持って「外国人雇用状況の届出」に替えることが可能です。その際は、所定の枠内に、在留カードに記載されているローマ字氏名、国籍・地域、在留資格、在留期間等を記載します。

「雇用保険被保険者資格取得届」の作成・提出時における注意点

「雇用保険被保険者資格取得届」の提出先は、事業所のある管轄のハローワークになります。提出期限は、対象者を雇用した月の翌月10日までなので、遅れないように注意しましょう。

「雇用保険被保険者資格取得届」の様式は、管轄のハローワークの窓口で様式を受け取れるほか、ホームページからもダウンロードできます。
ダウンロードする場合は、「様式のみの印刷」と「内容を入力して印刷」の2つの方法から出力することが可能です。ただし、ダウンロードの際は以下の条件を満たさなければなりません。

<ダウンロードした様式を使用する際の注意点>

  • A4は白色用紙であること
  • 等倍(100%)で印刷すること
  • 読取時の基準マーク(3点の■)が印刷できていること
  • 印刷した様式が用紙に対して極度に傾いていないこと
  • 文字や枠線にかすれがない、2重に印刷されていないこと

提出された届出は、機械によって読み取られます。その際には3点の■のマークを基準とするため、フォーマットが正しく印刷されていないと、受理されないこともあります。ダウンロードした様式を使用する際は、3点の■がきちんと印刷されているかもチェックするようにしましょう。

「雇用保険被保険者資格取得届」には、基本的に添付書類は不要です。ただし、提出期限を過ぎた場合や、事業主として初めて「雇用保険被保険者資格取得届」を提出する場合は、添付書類が必要な場合がありますので注意しましょう。

提出方法は、ハローワークの窓口に提出する方法と、郵送、オンライン申請の3種類があります。

■窓口の場合

事業所のある管轄のハローワークに、雇用保険の手続きをしている窓口があるので、持参して手続きを行います。
届出が受理されると、「雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(事業主通知用)」「雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(被保険者通知用)」「雇用保険被保険者証」「雇用保険被保険者資格喪失届」が交付されます。
「雇用保険被保険者証」「雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(被保険者通知用)」は従業員に渡すことになっていますが、「雇用保険被保険者証」は紛失しないよう退職する日まで企業側が保管するケースもあります。

■郵送の場合

事業所がある地域を管轄しているハローワーク宛に郵送します。添付書類が必要な場合は、忘れずに同封してください。
ただし、マイナンバーを記載していることから、一般郵便での送付は不可となります。特定記録や簡易書留など、受け取りを確認できる方法の郵送で対応しましょう。
受理後に発行される書類は、後日郵送されることになりますので、特定記録もしくは書留など希望する郵便種類を明記し、料金分の切手を貼付した返信用封筒も忘れずに同封しておきましょう。(ただし、返送には時間がかかります)

■オンライン申請の場合

「雇用保険被保険者資格取得届」は、電子政府の総合窓口「e-Gov」で電子申請することができます。電子申請の場合でも、提出期限は同じです。
ただし、電子申請を利用するにあたって、添付書類は必要ありません。(後日ハローワークから必要に応じて書類提出を求められることがあります)
申請画面から手続きをすると、審査終了後に電子公文書のダウンロード先を記したメールが届きますので、「雇用保険被保険者証」「雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(被保険者通知用)」「雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(事業主通知用)」をダウンロードします。
「雇用保険被保険者証」と「雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(被保険者通知用)」は本人に渡し、「雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(事業主通知用)」は企業で保管しておきましょう。
なお、電子申請対応のシステムを利用せずに、直接「e-Gov」から手続きを行う際は、利用に際しパソコン環境の準備が必要です。詳しくは電子政府の総合窓口「e-Gov」ホームページを確認ください。

電子申請対応システムで、手続き業務の効率化を図ろう!

現在市場で提供されている労務管理系システムは、すでに電子申請対応型が主流になっています。「奉行Edge 労務管理クラウド」もその1つで、ワンタッチでミスのない届出書を自動作成できます。入社時に必要な個人情報やマイナンバーも、従業員がスマホ等からオンラインで安全に提出・収集できます。添付する書類も簡単に収集・データ化でき、電子申請にも対応しているので、届出書の作成から申請までを流れで行えます。後々、結婚などを機に氏名が変更になった場合なども、システム上で雇用保険の氏名変更届出の作成・電子申請ができます。

中小企業に関しては、電子申請はまだ義務化されてはいませんが、電子申請ならオフィスに居ながら手続きできるので、窓口に出向くこともなく面倒な作業を削減することができます。
人事総務部門は日頃から何かと細々した業務が多く、手作業や移動などが余計な手間は極力避けたいものです。特に雇用保険や社会保険などは、手続きに誤りがあると従業員にも影響することになるので、確実に対応していきたいですよね。
届出書の作成や添付資料のとりまとめなど、より合理的に進められる手段を活用して、素早く確実に業務を遂行しましょう。

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